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いらっしゃいませ! このブログでは、カヌチ二次創作(緋色の欠片、ウィル・オ・ウィスプ、ラスエス3他)、乙女ゲームの感想など、管理人ベルルの暴走気味の妄想をつらつらと書き綴っております。現在「三国恋戦記」絶賛応援中です!!     -since 2009.7.25-
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三国恋戦記SS > 公瑾花 です。


というか。
このカテゴリに分類してていいのか若干、自信がないのですが。
……細かいことは後で考えよう! うん^^。

何度もいいますが。
(一生懸命書いてるけど)お遊びだからね?
(真面目に)ネタ100%だからね?
むしろ気楽に眺めてていいですからね??(←しつこい(*^_^*))


PSP版公瑾後日談 の後の設定ですが、よろしければお進み下さいませ。
※ノーマルに恋戦記の世界をお望みの方は、廻れ右! をお願いしますm(__)m。



















いつもより、高い天井。
いつもより、大きくて重い衣。
いつもより……断然低い目線。
そして――――目に映る、己の小さな手足…。
導き出された結論は、


「(…子供の……姿になった…!?)」


ありえない、と。
言い切りたかった。
何がどうしてこうなった…!と、
叫びたかった。
しかし廊下に響く足音に気付いた公瑾は、混乱で暴走しそうになる感情をギリギリで抑え込み、考えるより早く掛けてあった子供の衣装をひっぱり下ろしていた。
そして手早く着替えると、今まで着ていたものを適当に畳んで箱に詰め、卓の下に突っ込んだ。


「とりあえず……これで、怪しげな事実は隠せるでしょう…」
今ここにいる『子供』が公瑾自身である…という事は到底信じられるものではない。
であれば「公瑾=幼い少年」という事実など、無かった事にしてしまえば良い。
ここにいる幼い少年(=自分)は公瑾ではなく、公瑾の――――縁者である。
幸いにして、つい最近そんな状況が発生したではないか。
多少の無理は承知でも、「そう」押し通すしかないだろう。
場合によっては―――「公陵」と名乗ることになっても仕方がない。
少なくともそちらの方が納得させやすいだろう……。

大体、公瑾自身にも説明不能なのだ。
なぜ子供の姿になったのか、とか。
いつ、もとに戻れるのか、とか。
だったらせめて、何らかの手がかりが得られるまで、このまま単に「子供」が紛れ込んだとこにしておいた方が、色々な意味で無難に思われる。
そう、無理やり自分を納得させたものの。

「(なぜ、わたしが子供の姿に……)」
まじまじと己の手を見つめ、根本的な「思考」に落ちて行きそうになった時。
「!!っ、花…!」
恋人の存在に思い至る。
共に部屋にいたのだから、同じ状況に陥っていてもおかしくはない。
そして振り向けた視線の先には。 

「-――花…」
先ほどと変わらず眠りにつく彼女の姿があった。
そのことに安堵して。
けれど、何か不測の事態が起こっているかもしれないと。
公瑾は椅子に腰かけている花に近寄った。
「……ん…」
その顔を覗き込もうとしたとき、彼女の瞼が震えてゆっくりと開いた。
そして―――目の前の少年の姿を、ぼんやりとした視線でとらえていた。


「………」
さすがに口にする言葉が出てこなくて、ただ黙って彼女を見つめていると、
「……アレ?こーりょー君…?」
あまりにあっさりと、当たり前のように断定されてしまった…。
安堵しつつも軽い落胆と、ちょっとしたイラ立ちを感じながら、小公瑾はうなずくような首を振るような微妙な動きをした。

「? え、っと……一人で来たの? お父さんは?? ていうか………公瑾さん、は…??」
自分に掛けられた上着に気づいてそれを手に取ると、花は部屋の様子を眺めた。
そこに公瑾の存在を探るかのように、視線をさまよわせている。
「(…服は隠した。 持ち帰った書簡は抽斗に入れた。 大丈夫、気づいたりは)」
彼女の視線の先を追いながら、勘づかれるような事は無いと小公瑾は自分に言い聞かせる。
「あれ…?」
「っ…」
「あそこに、ちっちゃい服がかけてあったのに…無い?? 片づけちゃったのかな?」
今目の前の自分が、まさにソレを身に着けているという事実までは気づかないその一言に、
「(び、微妙なところで鋭いですね……)」
と内心でため息をつく。


「ん…と、これをかけてくれたのは公瑾さんだよね…。何だろう?なんか…。…ねぇ、こうりょう君、公瑾さんに会った?」
何か納得いかない表情で、花は少年に声をかけた。
「あの……すごくあわてて、出て行きま」
「え?こんな時間から!?」
公陵がどんな言葉遣いだったかを思い出せず、しどろもどろで答える小公瑾の様子を気にした風もなく、花は小首を傾げた。
「い、家の……用事、って言って……父上と、一緒に…」
「え?でも」
「おい、公瑾はいるか!」
花が何か言いかけたところに、扉を豪快に開けて彼らの主君が現れた。

「あれ、まだ戻ってないのか? ん?お前…チビ公瑾じゃないか!」
部屋を見渡し、目当ての人物がいないことを悟ると、俺様な君主はその場にそぐわない少年に目を止めて、なぜか可笑しそうに声をかけた。
「仲謀さま、…公瑾さんにご用ですか? えっと、公瑾さん、出かけたそうなんですよ」
「は? こんな時間から? 俺に一言もなく?」
仲謀の一言は尤もなものだ。
一軍の重要な役職に就いている人物が、主人に断わりもなくホイホイと出かけていいものではない。
それはあまりに気まま過ぎるというものだろう。

「あ、あの、急用で。 えっと、親族のほうで…」
どう言っても苦しい言い訳なのだが、うまく言い過ぎて確認に走られても困る。
まさかこの場で主 仲謀と対面せざるを得なくなるとは考えていなかった。
それに。
「わた…、ぼくは『公陵』です…」
『チビ公瑾』と呼ばれるのは(自分の意図とは関係なく)真実なだけにヒヤヒヤする。
とりあえず『公陵』の皮をかぶることにした。


「なんだよ、ちっちゃい公瑾でいいじゃん。ってか、公瑾のヤツ、城を出るなら出るで何か一言 言っておけよな…。 で?お前はなんでここにいるんだ?」
「え、えっと……あの、置いて行かれ…」
「――――はあ?」
ひときわ大きな声で聴き返した仲謀に、もう一度ヒヤリとしたが。
「…ったく、しょーがねぇなあ! またかよ!」
「(っ…信じるのですか、ソコは…)
あっさりと納得されて、逆に残念さを感じたりもする…。

「え?置いてっちゃったの!?お父さんも公瑾さんも!?」
「まぁ―――とるものとりあえず…って勢いだったんだろう? 部屋の感じもそうだし、お前にも一言も無いんだろう? よっぽど火急の用事だったんじゃねえの?」
「うーん?」
「えっと、ここで待ってろ…って言われました」
あっさり信じた仲謀とは別に、何かにひっかかっている様子の花に余計な事を言われる前に、『公陵』がここに居ても構わない理由を述べておかねばならない。

小公瑾がそう口をはさむと、
「仕方ねえな。だが、この部屋はダメだ。曲がりなりにも都督の執務室だからな! 子供が遊んでいい場所じゃねぇ」
「……はい」
恐ろしくまともなことを言われ、返す言葉がないところに、
「はい! じゃあ、公瑾さんたちが戻ってくるまで、私がこうりょう君の面倒を見ます!!」
元気よく挙手をして、花がそう言った。


 -続く-

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自己紹介:
乙女ゲームもブログもまったくの初心者が管理人をしております。
お見苦しいところが多々あると思いますが、よろしくお付き合い下さいませ。

こちらで取り扱いますゲームの内容やそれに関連する創作SSに関しましては、製造元などとは一切関係がございません。あくまでも個人的に書き連ねているものですので、ご理解・ご了承のうえお楽しみ下さいませ。

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