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いらっしゃいませ! このブログでは、カヌチ二次創作(緋色の欠片、ウィル・オ・ウィスプ、ラスエス3他)、乙女ゲームの感想など、管理人ベルルの暴走気味の妄想をつらつらと書き綴っております。現在「三国恋戦記」絶賛応援中です!!     -since 2009.7.25-
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三国恋戦記SS > 公瑾花 です(^^)♪


新年一発目ですね♪

いつまで公開されるのか分かりませんが、恋戦記の公式HPのトップにWEB年賀状がアップされてます!
「巳年」なので(!?) 公瑾さんなんです!!
久々に拝んだ公瑾さんvv
や~目の保養でした♪
ということで久々の公瑾花です。

いつも通りあんまり甘く出来ませんでしたが……お楽しみ頂けましたら幸いですm(__)m






――――ご存知ですかな? 新しき星が、現れましたぞ…
小柄な同輩が嬉々としてそう伝えたその晩、公瑾は恋人と共に楼台へ星見に訪れた。


 
「…子敬さんって、毎日空をみてるんでしょうか?」
「さぁ…ただ時間を決めて一定の期間 星を観察し分析することは、星読みの基本…。
たまたま星見をしていて気付いたのでしょう…」
手元の星図を確認しながら公瑾はそう答えた。
「?…子敬さんはなんだか嬉しそうにも見えましたけど、公瑾さんはそうじゃないんですね?」
小さく首をかしげて花はそう口にした。
「そう見えますか?」
「はい…」
「そうですね………強いていうなら 『確認作業だから』 でしょうか」
「はあ…?」
公瑾の要領を得ない答えに、花もまた頼りない返事を返した。

「貴女こそ……イマイチ乗り気にかける気がします。…おそらく子敬殿は、この新たな星は貴女の宿星であろう…と、そう言っていたのですよ」
「え…」
「以前お話ししたでしょう? この空に、貴女を表す星がないという事を。その事はわたしも、子敬殿も……おそらく貴女の師も承知しています…。 とりわけ子敬殿はその事をひどく気にしていましたから、今回、新たな星が現れたことがよほど嬉しいのでしょう…」
「…そうですか……」
「ほら、その顔…」
「え!?///」
ぷに、と頬を摘ままれて、花は驚いて公瑾を見上げた。

「当たり前の事ですが学び、知識を得ていく中で、貴女は自分自身でより深く物事を考えるようになったのでしょう。 その中で、いまここにある『常識』と貴女の中にある感覚に、多少なりともズレを感じているのではないのですか? …先ほど、宿星ときいて表情が微妙なものになりましたよ」
「え!? そうですか!?」
慌てて両方の頬を手で押さえ、花は公瑾に背を向けた。
「なぜ背を向けるのです?」
「だ、だって…また頬を摘まむかもしれないじゃないですか」
花は慌ててそう返したが……ごまかしたのがバレるだろうか?

「………そうして表情を読まれまいとするその行動が、さきほどのわたしの言葉が正しい事を裏付けるのですよ」
「ぅ…」
「本当に……貴女は嘘や誤魔化しができないのですから、無駄なことはおやめなさい」
ふわりと…優しい香りに包まれる。
後ろから抱きしめられて、その体温に包まれて――― 一瞬張りつめた心の内がほだされてしまう…。
あぁ、本当に……この人の手の内から逃れることなんて出来はしないんだ、と。
花は観念して首をめぐらし、公瑾を改めて見た。

「…さぁ? 貴女の内にあるものを、教えてください」
「……………怒らせて、しまうかも知れませんよ?」
躊躇いがちの花の言葉に、公瑾はわずかに口元を緩めた。
「今まで幾度か、貴女の言葉に腹立たしさを感じた事はありますが、貴女への想いが失われたことなどありませんよ」
「…………」
「どうしました?」
「…公瑾さんは、時々、すごく意地悪です」
「貴女を見習って、少し正直に言ってみただけですよ? それに…言いたいことを口にすれば、周りにいる誰かを不愉快にさせてしまう事など 人づきあいの常でしょう。 今更そのようなことを気にしているのですか? 結びそこなった紐は、再び ほどいて結びなおせばよいのです。 これを限りの関係ではないのですから…」
囁きこまれた言葉は、出会った頃なら想像もつかないほど心を傾けてくれているものだ。
こうした心の寄せ方は、きっと彼本来のものなのだろう。
そういった素の公瑾を知れば知るほど花は嬉しくなってしまうし、また一層 この人への恋情が募ってしまうのだ。
どこまでこの人に恋をすればいいのか……際限がなくて、困ってしまう…。

「どうかしましたか?」
「……公瑾さんを好きになって良かったな、と改めて思います」
「……/// また、貴女は…無自覚に恐ろしい事を口にしますね」
「え?/// んん…」
聞き返す前に、熱い吐息に唇を塞がれる。 重ねた唇を解く前に、公瑾は花を抱く腕に力を込めた。
「こ、うきんさん…!」
「わたしの理性が保てる内に…質問に答えてくださいね…」
「/// ……あ、の、ですね…私のいた世界では、星の光というのは―――― 今よりもっとずっと昔…気の遠くなるような過去の時に輝いていた光が届いているって事になっていました。 今この場でその事を証明するのは難しいですけど、あの星の一つ一つは、現在進行形で輝いている訳ではなくて……だから、その…」


「今 夜空を彩る星の輝き…その様相に、人の未来を重ねるのはおかしい、と貴女は言いたいのですか?」


「ぁの……気温や他の要因で星の輝きが変化してみえる事はあります。 だから天候やそれに伴う環境的なものは予見の範疇だとは思うんです。 でも………個人の一生が、『そういったモノ』に囚われている、という感覚はやっぱりよく分からなくて…。 だって」
「今を生きる者の時間や運命が、過去の灯(ともしび)に左右されている―――という感じがして納得がいかないのですね…?」
「……はい…」
花の言葉足らずな説明をあっさり理解したうえ、端的な表現で彼女の心情を表現し直してくれた公瑾の言葉に、花は偽ることなく同意した。

「―――――」
「(…怒らせ、ちゃったかな?…そうだよね、星の光が何十年も何百年も前の光なんだって急に言われたって 信じられないだろうし、私にも証明のしようがないし……。 はぁ、私、もっと勉強していればよかった。 せめて自分の伝えたい事くらい説明できるだけの知識があれば…)」
公瑾の沈黙は突拍子もない自分の言葉に呆れているからだと思えて、花は小さく溜息をついた。
いつも…元の世界の事を話すと、何故か公瑾は花のたどたどしい説明から彼女の言いたい事を理解してくれるが、流石に今回は受け入れがたいのではないかと思う。
『星読み』の意味を、否定しているようなものなのだから。

「まぁ……貴女の言いたい事も分からないでもないですが」
少しの沈黙の後、公瑾は笑みを崩さぬまま小さく頷いた。
気を悪くした……というより、先ほどよりは上機嫌に見えるのは、気のせいだろうか?
「(あれ?…伝わらなかったのかな??) …あの」
「なんですか?」
「星の光は過去のもので…」
「えぇ、でもそれが本当なら、貴女が『こちら』へ来る事も、そしてわたしと出逢い恋に落ちる事も決して偶然ではなかった事になりますね」
「!? え?」

「今回現れたあの星は貴女の宿星―――。
貴女の言葉を借りるなら、貴女がこちらへ来て留まる事は、何十年も何百年も…ずっとずっと昔から定まっていた、という事になるでしょう?」

「――――― こうきんさん…」
「そういう考え方は、受け入れがたいですか…?」
「………いいえ……そんなふうに考えるのは、とても素敵に思います」
公瑾の言葉に花は目を丸くして――――でも、はにかみながらしっかりと頷くと、公瑾もまた満足そうに頷いた。
「…では星を見る前にもう少しだけ―――運命の恋人を確かめさせてください」

満天の星のもと、恋人たちは互いの想いを確かめ合うように再び唇を重ねあった―――。


 

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