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いらっしゃいませ! このブログでは、カヌチ二次創作(緋色の欠片、ウィル・オ・ウィスプ、ラスエス3他)、乙女ゲームの感想など、管理人ベルルの暴走気味の妄想をつらつらと書き綴っております。現在「三国恋戦記」絶賛応援中です!!     -since 2009.7.25-
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三国恋戦記SS > 公瑾花 です!


ご無沙汰してます!
暑さにヤラレテました~(>_<)
こう…月1で体調崩すという悪いスパイラルに嵌ってしまったようで…ちょっと大変な連休です(*^_^*)。

さてさて、恋戦記は発売1カ月を超えましたが…まだ半分も攻略出来てません(苦笑)。
夏バテからは何とか復調しつつ…ボチボチという感じ^^。
まだまとまってませんが、追加要素から何か書ければいいなと構想中です。

今回のお話は、PSP版発売前から手をつけていたものです。
ホントはもっと大きな流れの中の一幕だったのですが、全然進まないのでこの部分だけ切り取って仕上げました(^^ゞ。
タイトルがどうしても決まらず、別のSSで使用したタイトルなのですが…そこは目をつむっていただいて♪


それでは、ご興味のある方は続きの先へお進み下さいませm(__)m。
お楽しみ頂けましたら幸いです^_^。





こちらに残ると決めてから、初めての遠出は「視察」での行軍だった。
京城から近い訓練地への兵の入れ替えと訓練の視察…。
軍事に関する勉強も兼ねて視察に向かう公瑾に同行することとなった。
「(うう…緊張するなぁ……まだ、一人では馬に乗れないからこんな風に乗せてもらって…恥ずかしいし…)」
公瑾の馬に同乗させてもらっての道行き…。 今まで戦いに赴いたときの行軍でもそうしていたのに、今は何だか微妙に気恥ずかしい。
そんな風に花が心持ち、身を縮めていると、
「……朝が早かったので眠いのではないですか?」
頭の上から、そんな風に声をかけられた。

「!いえ、そんなこと…! あの…」
「なんですか?」
「馬に…私も一人で乗れた方がいいんじゃないでしょうか…。いつまでもこんな風じゃご迷惑になるし」
「――――馬に乗らなければならないような事を、するつもりなのですか」
「え、そう言う訳じゃ」
「それなら 今のままで構わないでしょう…。 必要な時はわたしの馬に同乗すればいい」
「でも…」
「……失礼ながら、貴女が一人で馬を乗りこなすには相当時間がかかるように思います。 であれば、今後の『馬に乗る機会』とこれから始める『乗馬の練習時間」とを比べた時、そこに費やす時間や手間を考えれば どうするのが良いか、答えは出ていると思いますが?」
「――――」
要するに。
そう頻度の多くない馬に乗る機会の為に、無駄な時間を費やすな…というのである。
「…………分かりました…」
返す言葉もなくて、花はそう答えた。

「馬は賢い動物ですが、決して人の思いのままに動くわけではありません。 突然暴れることもしばしばです。 …落馬して、うちどころが悪ければ死んでしまうのですよ、いとも簡単に」
突き放しすぎたと思ったのだろうか。
すぐに公瑾はもっともな理由を口にした。
「それに………わたしがいつも貴女の乗馬の練習を見てあげられるとも限りませんし」
それから、最後に口にしたのが恐らくは――― 一番の理由であったのだろう。
日々のこともそうだが……公瑾は花の周囲に頻繁に人が出入りするのを嫌っていた。 もちろんそれは、玄徳軍から籍を移したばかり花に、下手な接触をさせないという 彼女自身の立場を守るためでもあるのだが、それ以上に彼女に余計な虫がつくことを恐れてのことだと、大小姉妹などは茶化しながらお茶の時間の話題にしたりするのだ。
公瑾はあれで花ちゃんに関してはかなり心が狭いよね、と。
公瑾の最後の一言から ついそんなことを思い出してしまって、花は思わず振り返って彼を見上げた

「(………公瑾さんって……)」
「なんですか……しっかり前を見ていなさい。 油断していると落ちますよ」
「…はい。(…こういうところが可愛い…なんていったら、怒られるんだろうなぁ…)」
公瑾の言葉は時にきつく、突き放したように見える物言いをすることが多い。
けれどそれらの言葉の裏側には花への気遣いや、公瑾自身の花への強い執着が存在している。
確かに…ソレは見えにくく、気づくことができなければ公瑾の言葉の一々に傷ついてしまったかも知れない。
けれど見えにくくわかりにくい分、そこにある深い愛情を―――時に激しいとも言えるその強い執着を―――感じることができた時には、これ以上ない贅沢で至福の感情を抱かせてくれる…。
こんなにも想われているのだ、と。
ほかの誰にも見せない感情を向けてくれるのだ、と。
今、花の胸を満たすこの気持ちも、そんな風に公瑾を理解しているからこそ芽生える感情なのだろう。
 
「あの、時間がかかってもいいんです。 ゆっくりでも一人で馬に乗れるようになった方が、その……(いつかあるかもしれない一緒のお出かけも) 気兼ねしなくて済むと思うんです」
「あなたは今 気兼ねしているのですか?」
「ぅ…それは…」
思わぬところを突っ込まれて言い淀むと、
「どうなんです」
更に突き詰められる。 これは答えなければ許してもらえないパターンだ。
「それは、やっぱり……お馬さんも、二人分じゃ大変だと思うんです」
「―――普段から重い鎧を身に着けた人間を乗せているのですよ、私とあなたと二人分くらいこの馬にとっては余裕ですよ」
「…そうでしょうか」
「――――そんなに、わたしとこうして二人で馬に乗るのがイヤなのですか」
「!!ち、違います! そうじゃなくて」
「では、どうして?」
「~~~…だって、やっぱり恥ずかしいんです。 こんな風に前に乗せてもらって、子供みたいだし…」
「人の目が気になるということですか?」
「…はい」
「―――――」
ようやく本音を零した花に公瑾は本の少し思案する。
「公瑾さん?」
「理由がそれだけでは、承服しかねます」
「へ?」
「わたしとこうして くっついているのが恥ずかしい、というのは理由にはならないのですか?」
ふわ、と公瑾のまとう香りが一層強くなり、首筋を彼の呼気が通り抜ける。
否が応でも公瑾の近さを背中に感じ、見る見るうちに花の頬は朱く色づいた。
「///……こう、きん、さん!?」
「まぁ、でも………理由はどうあれ、貴女に一人で馬に乗ることを許すつもりはありませんが…」
「ぇ…ど、どうしてですか…!?」 
「それは―――」
「!!!」

――――こうして貴女を大っぴらに腕に抱ける口実を、早々手放したくはありませんから。
 
囁きこまれた赤裸々なその一言に花はこらえきれず顔を俯けたまま、とん…と軽く公瑾にもたれかかった。
その小さな温もりが、めったにない彼女からの甘えなのだと気付いて、公瑾は口元をほころばせた。
そして腕の中の恋人にそっと囁きかける。
「………ご理解いただけたものと思ってよいのですね?」
「………………はい」
笑み含んだ声で公瑾に問われ、花は観念して小さく小さく頷いた。


 -終-

 
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自己紹介:
乙女ゲームもブログもまったくの初心者が管理人をしております。
お見苦しいところが多々あると思いますが、よろしくお付き合い下さいませ。

こちらで取り扱いますゲームの内容やそれに関連する創作SSに関しましては、製造元などとは一切関係がございません。あくまでも個人的に書き連ねているものですので、ご理解・ご了承のうえお楽しみ下さいませ。

なお、内容に関しましては無断転記等一切ご遠慮下さいますようお願いいたします。
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