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いらっしゃいませ! このブログでは、カヌチ二次創作(緋色の欠片、ウィル・オ・ウィスプ、ラスエス3他)、乙女ゲームの感想など、管理人ベルルの暴走気味の妄想をつらつらと書き綴っております。現在「三国恋戦記」絶賛応援中です!!     -since 2009.7.25-
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三国恋戦記 > 公瑾花 です!!

 アーンド♪

PSP版 発売おめでとう!!SSです(^o^)/
(公式HPで 発売記念ボイス が公開されてますよ♪)


久しぶりに公瑾花を書いた気がします。
短めのお話のネタがなかなか浮かんでこなくて、ほかのゲームのSSを書いてましたからね(*^_^*)。
まぁでも……ここ数か月の中では一番頑張って書いたとは思うんですよ。
ただ、本編に絡んでいるわけではなく 当サイトで既出のSSの続き…だったりしますorz
はい、「うそつき姉妹の効能 /前・中・後篇」の続きの時間軸になってますm(__)m。
よろしければ、そちらも見てやってくださいませ^^。

それではご興味のある方は続きの先へお進みくださいませm(__)m。
お楽しみいただけましたら幸いです♪







夕方遅く 城下町から京城に戻るや否や、公瑾は待ち構えていた文官達と共に行ってしまった。
残された花は、大小姉妹にねだられて手に持っていたリンゴをふるまう事になった。
勿論、(公瑾の為に買ったリンゴだから)公瑾の許しがあったのだけど。
そしてリンゴは――――姉妹の希望でリンゴウサギへと姿を変え、姉妹や他に集まった者の目を楽しませた。


 
ひとつだけ取り置いたリンゴウサギを器に花は廊下を足早に急いだ。
(夕方に)城に戻ってから公瑾を別れたきりだったし、このリンゴの処遇についても少し気になっていた。
「(怒ってるかな…怒ってる、よね。)」
大小たちにねだられた時、すぐに「これはダメ」と返事をすればよかった。
公瑾のために買ったリンゴなのだから。
花がわずかに迷った隙に、公瑾の方が先に大小たちの希望を聞き入れてしまった。
これではお詫びの品でもなんでもない。
 
「(ううん、怒ってるんじゃない。……きっと、拗ねてる)」
恐らくその表現が一番近いだろうと思う。
そんなことで怒るほど公瑾は狭量ではないし、そもそもリンゴを買ったのは花の気休めに過ぎない。
『リンゴ そのもの』に対する執着などないだろう。
花は目当ての部屋の前で足を止め、一つ深呼吸をした。
そして。
控えめに扉を叩き、そっと顔をのぞかせた。
 
「―――どうしました?」
案の定、机の上に山と積まれている竹簡の束に囲まれて一人 仕事をこなす公瑾がいた。
「―――怒って、ますか?」
わざと聞いてみる。
答えは大体想像がつくのだけど。
「怒っているように見えるのですか?」
すると問いかけられた相手は顔を上げず、そんな答えをよこす。
「いいえ…」
花は執務室に入ると静かに文卓に近づいた。
 
「では、どのように見えますか?」
公瑾はまだ、顔を上げてくれない。
だから。
「拗ねているように見えます」
「………言ってくれますね…」
口元に笑みが宿り、空気が少し和らいだ気がした。
どうやら答えを、間違えずに済んだらしい。
 
「でも、先にリンゴを譲ったのは公瑾さんですよ?」
「ええ、そうですね」
「私が、公瑾さんの為に買ったものなのに…」
「――――拗ねているのですか?」
公瑾の言葉に花は目を丸くして、微笑んだ。
「いいえ。 大小さんたちに優しい公瑾さんで、ほっとしました」
「ふ……わたしが優しくないことなど、貴女が一番ご存知でしょうに…」
「いいんです、私は。」
口の端に乗せるその微笑はとてもやわらかい。
公瑾の好きな、花の笑顔だった。
 
「……いいんですか?」
「公瑾さんを好きだから、いいんです」
「――――」
時々意地悪だったり、割と厳しかったり、ちょっと怒りっぽかったりするのは、花にだけ見せてくれる公瑾の顔だということは、もう分かっている。
だから、いいのだ。
それも含めて公瑾のすべてが、好きだから。
自然と口をついて出た告白に花自身も驚いたが、不思議と恥ずかしくはなかった。
 
そうして、しばし甘やかな沈黙が落ち。
「――――これは、公瑾さんのリンゴウサギなんですよ」
花は思い出したかのようにそう告げた。
「…ウサギ…」
その言葉に公瑾はようやく顔を上げる。
その瞳が、淡く色づくように じんわりとにじんで見えるのは気のせいだろうか?
 
「なるほど、ウサギですね…」
「さっきのリンゴは、ウサギに姿を変えましたvv」
花の手元を見て、それから彼女の顔へ視線を向ける。
その公瑾の視線を受けて、花はほっとしたように微笑いながら公瑾のそばに近寄ってリンゴを差し出した。
すると公瑾は彼女の手をとって引き寄せると、己の膝に花を座らせた。
 
「公瑾さん??」
「知っていますか、月に棲むウサギがいるのを」
「あ、はい。 私の元の世界でも、月にはウサギが住んでいてお餅をついているって言い伝えがありました」
「もち? 違いますよ、こちらではウサギは薬を作っているのです」
「薬?」
「仙薬といいますか……不老不死の薬を作っているのです。 薬師ですからほかにも色々と作るのですが…」
「いろいろ…」
「ですが、さすがに…」
「?」
そこで公瑾が口をつぐんでしまったので、花は小さく首をかしげて彼を見上げた。
その幼気(いたいけ)な様は公瑾の内にある「男」を激しく揺さぶるのだけど。
恐らく自覚のない相手にそれを伝えたとて、十分には理解されないのだろう。
だから―――この胸の内には彼女への想いが増すばかり……。
 
 
「――――恋の病に効く薬は、ないのですよ…」
 
 
少しだけ声を落としてそう言うと、公瑾は手にしたリンゴウサギをかじり花を仰のかせ、彼女の唇にリンゴの欠片を押し込んだ。
「///……!?っっ…す………っぱい!!」
恥ずかしさに赤くなったと同時に、味わったリンゴの欠片の想像以上の酸っぱさに、花はおもわず涙をにじませた。
「おや、かじられたリンゴの恨みでしょうかね? でも…このぐらいの味でしょう、リンゴは」
「そ、そうなんですか!? (でも、元の世界じゃ もっと甘かったような……)」
「ウサギのリンゴなのですから、何か効能があるのかもしれませんね…さぁ?」
公瑾はズイとリンゴウサギを花の口元に寄せた。
「! そ、れは、公瑾さんに食べてもらおうと思って…!」
「ええ、ですから」
 
「今度は貴女がわたしに食べさせる番、でしょう?」
「!!??」
 
そう言われ更に頬を染め上げた花に、公瑾は熱のこもった瞳を細めながら艶めいた笑みをこぼした。
「こ、こうきんさん!? そん、なの…無理ですっ///」
「どうしてですか?」
「む、無理なものは無理なんですっ」
「―――今日の騒動の責任を取ると仰いましたよね?」
「!!?? っそ、それは…!」
 
城への帰りの馬上で交わしたやり取りを思い出し、さらに顔を火照らせながら、花はぱくぱくと口を動かす。
しかし抵抗に値する 上手い言い訳が出てこないようで……まるで空気を求める魚のような様相を見せていた。
「くす……取り消しはきかないと言ったでしょう?」
「だって…だ、誰かに見られるかも…」
「この時分です。 もう誰も来ませんよ」
「~~~~っっ…」
「それとも、もっと――――過激なことを要求されたいのですか?」
「!!!!」
それはそれで構いませんが…としれっとした顔で公瑾が追い詰めるものだから。
 
  しゃく…
 
覚悟を決めてリンゴを齧ると、花は体を添わせて公瑾の唇にリンゴの欠片を押し込んだ。
よほど恥ずかしいのだろう。
緊張に体を強張らせ、ぎこちない動きで2回、3回とその動作を繰り返し、漸く最後の一口を恋人に口移しで与えると。
今まで見た中で一番というほどに朱色に染まった顔のまま。
恥ずかしさに堪え切れなくなった花は、公瑾の首にギュっと抱きついた。
 
「///~~~っ、公瑾さんの、いじわるっ!」
そして、今にも泣きそうな声で そうなじる。
「―――そんなわたしでいいと、仰ったのは貴女ですよ…?」
ふ、と…真っ赤に染まったその耳朶に、公瑾が柔く囁くと。
その甘さに。
その艶やかさに。
魅せられたように花の体から力が抜けた。
そんな彼女の体を強く抱きしめながら、公瑾は花に聞こえない様に小さくつぶやいた。

 
――――この病に効く薬は貴女だけなのですから……観念して下さい。
 
 
 -終-






<ヒトコト>

さて質問です。 公瑾はリンゴウサギの頭とおしり、どちらからかじったでしょう?(笑)

…なんて。
「ひよこ饅頭」を(または鳩サブレや若鮎を)食べる時、一瞬悩んでしまうくらいの繊細さは持っているつもりのベルルですm(__)m。

久しぶりに公瑾花を書きましたvv
割と小ネタは出尽くしたのか、中々ネタに出会えない日々にやきもきしてたんですが、発売日には間に合ってくれて本当に良かったです(^^)/
手元にはまだ実物は届いてないのですが、楽しみすぎて 通勤電車の中でもニヤついてしまいます^^。
今回のSSも、私にしては甘いだろう…と自分に優しく(!?)してみようと思います。(笑)
皆様にもほっこり甘くなっていただけたら――――これに勝る喜びはありません(^^)

by ベルル


 
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ベルル
性別:
非公開
自己紹介:
乙女ゲームもブログもまったくの初心者が管理人をしております。
お見苦しいところが多々あると思いますが、よろしくお付き合い下さいませ。

こちらで取り扱いますゲームの内容やそれに関連する創作SSに関しましては、製造元などとは一切関係がございません。あくまでも個人的に書き連ねているものですので、ご理解・ご了承のうえお楽しみ下さいませ。

なお、内容に関しましては無断転記等一切ご遠慮下さいますようお願いいたします。
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