ちょっと、書き方に迷う所もあってすぐにUP出来なかったんですけど。
何とか着地点を見つけました(^^ゞ。
恋戦記のSSを書くとき、CP以外のキャラを絡ませて書くことが多いのですが、呉軍では大小と尚香さんがいるのでメチャクチャ扱いやすいですね~^^
(特に小喬さんは重宝します)
逆に扱いにくいのが魏軍でしょうか。…なんせ男三人しかいないし(苦笑)
蜀軍は、芙蓉姫の他にある意味ツッコミ専門のあの黒いのがいますから、絡み役に困ることは無いですね!
とにかくですね。
ネタが尽きなくて…さくさくっと形に出来ないのが辛い…。
ほっとくとどんどん消えて無くなっていきますからね>ネタ!(苦笑)
「シーン再生の罠」に嵌りながらも、今日も妄想全開で生きてます^^。
それでは。
お楽しみ頂けましたら幸いですm(__)m
あの夜―――宴の席で聞いたのは本当にみごとな琵琶の音だった。
けれど、あの時あの場所にいた事を……今はただ苦い思いで振り返る。
今まで琵琶の稽古は正直いうと苦手だった。
慣れない持ち方、弦を押さえる指は攣りそうになるし、手首も痛い……。
だけどそんな苦手意識を振り払って必死に練習していた私の手から、公瑾さんは横暴とも思えるほどあっさりと練習用の琵琶を取り上げてしまうから。
思わず…公瑾さんの持つその琵琶へと手を伸ばしていた。
「まだ練習したいんです!……琵琶…返して下さい!」
「いけません」
「公瑾さん…!」
「!…花殿…!」
「!!!痛っっ!!」
琵琶を取り返そうと手を伸ばした私の手首を、公瑾さんが掴んだその瞬間。
鋭い痛みが走り、思わず声をあげていた。
「(な、何!?…今、なんで…手!?)」
「――――だから……言ったのですよ。ほら、腕を伸ばして…」
公瑾さんは何かを知っているような口ぶりで、私の腕をそっとまっすぐに伸ばすと、手首から肘に向かって探るように触り始めた。
「え…?」
「痛くないですか?」
「…んっ………少し…でも、さっきほどでは…(さっきのはすごく痛くて、ビックリしちゃったけど…)」
一頻り私の腕を揉みながら公瑾さんは眉をひそめて私を見る。
「筋を痛めかけていますよ……あんなに、無理をして弾き詰めるから…」
「え…?筋…?」
「たかが琵琶…と甘く見てはいけませんよ。貴女は初心者で、琵琶の扱いには慣れていない。持ち方も力の込め方も…全然なっていません。そんな状態で躍起になって弾き散らかした所で……上達どころか、腕の負担にしかなりません。―――それに、指だって…」
ほら…と弦を押さえていた左手を開かれて、見てみると指の腹が少し裂けて血がにじんでいた。
「まぁ…それほど夢中になって弾いていたと言えば聞こえは良いのでしょうが……それにしたって無茶が過ぎるというものでしょう」
的確に…自分の無茶を突きつけられて私は自然とうなだれる。
「……ごめん、なさい…」
そんな私に追い打ちをかけるように、公瑾さんは
「――――まぁ…貴女が本当に琵琶が好きで…触れずにはおれない…というなら、許して差し上げてもいいんですけどね?」
「!!――――え…(み…見透かされてる…の…?)」
「――――そろそろ…本当の事を言ってしまいませんか?」
諭すようにやんわりとした声音でそんな風に言われて………。
口を閉ざすことなんてもう、出来なくなる。
「………」
「この間の宴……。何か、気に障りましたか?」
「!………」
「花殿…?」
「……っ…ズル…イです…」
「はい…?」
「こんな…の……ズルイです!公瑾さんは…!ぜ、全部……分かっているくせに…!」
突きつけられたその言葉はまるで清廉な冷たさを湛えた刃の様…。
まっすぐにただ一つの答えだけに狙いを定めて…ぶれる事がない。
その問いに――私は無駄だと分かっていて、つい抗議の声を上げた。
こんな……情けないし、恥ずかしいし、それにみっともない。
自分の中にあるドロドロした感情なんて見たくないのに。
わざわざそこを突きつける公瑾さんは―――スゴク意地悪だ。
「そうですね……分かっていても、言わせたいんですよ……貴女に。さぁ?何か、気に障る事がありましたか?」
重ねてそう問いながら……痛めた腕を気遣うように肩を抱きよせられていた。
間近に感じる体温と触れ合う呼吸…。
その視線の先に、自分がいるのだと思ったら。
もう――――限界。
こんなに近くに感じていたら、どうしたってこの感情を押さえられるわけがない。
「っ……だ…て…」
「はい…」
「だって…………公瑾さんの、隣で…い、一緒に…弾きたいと、思ったんですっ」
自分でも―――子供みたいだと、思った。
未熟で、幼い感情のままに溢れる言葉。
こざかしく本当の気持ちを隠そうとして、見透かされて…。
それを諭されるように導かれる。
この人の…手の内で―――。
「公瑾さんが、他の誰かと…ううん―――他の女の人を隣に置いて一緒に琵琶を弾く姿なんて、見たくなかったです!!」
そう言ってしまったら―――堰をきったように涙が溢れて、止まらなくなった。
あの宴では―――それは美しい音色が奏でられたけれど。
琵琶の名手という事で招かれていたのはすごくきれいな女の人だった。
宴の余興に、と公瑾さんと一緒に演奏をして。
その音色の美しさが、逆に私の胸をしめつけて―――とても苦しかった。
そうして琵琶を奏でるその姿が…手の届かない人のように見えて…。
絡み合う2つの美しい音色が、まるで心を通わせた2人のように見えて……辛かったんだ。
これほどの強い感情を―――私は知らない。
「ずるい……公瑾さんは、ズルイです…!」
「それはつまり、あの時貴女はあの弾き手に嫉妬した―――という訳ですね?」
「!!だ……からっ……なんで、わざわざ、そんなことっ…」
「言ったでしょう?貴女に、ソレを、言わせたい―――と」
そう言って公瑾さんは…私の額に、鼻筋に、瞼に、涙でぬれた頬に……何度も何度も優しく口接けをしてくれる。
触れられた処に、熱く灯る熱…。
その熱を―――もっと感じていたい。
もっと……もっと公瑾さんを感じたいと、そう思っていたら…。
「ここにも…してあげましょうか?」
その綺麗な指先で私の唇をそっとなぞり、誘うような口ぶりで問われて我に返る。
「――――」
誘われるままに…頷いてしまえばきっと楽なんだろうけど。
私は答える言葉を見つけられなくて、まだ涙の乾き切らない情けない顔のまま、公瑾さんを見つめ返した。
だって―――わたしばかりなんて、ズルイ…。
私ばっかりこんなにドキドキして…心を揺さぶられて…。
こんなにも―――貴方を好きだと、自覚させられるなんて…。
絶対にズルイ…。
「―――安心なさい」
そんな私の視線をうけてなお艶然と微笑んで、公瑾さんは私の顎を捉えて心持ち仰のかせて…
「…貴女以上に……わたしは貴女を想っていますからね…」
何だか駄々っ子をあやすようにそう囁くとようやく唇を重ねてくれた。
熱を伴いながらも優しく触れるその唇は――――少し、涙の味がした…。
-終-
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現在お礼文3件UPしています!
(超小ネタSSSより OZMAFIA1・緋色1・
ブラコン1・2013.8.13.)
fxwill.com
お見苦しいところが多々あると思いますが、よろしくお付き合い下さいませ。
こちらで取り扱いますゲームの内容やそれに関連する創作SSに関しましては、製造元などとは一切関係がございません。あくまでも個人的に書き連ねているものですので、ご理解・ご了承のうえお楽しみ下さいませ。
なお、内容に関しましては無断転記等一切ご遠慮下さいますようお願いいたします。