私の中の好きキャラとしては、孟徳と公瑾が双璧をなしていますが……SSの書きやすさは公瑾が群を抜いていますっ。
ちょっとツン気味の、ちょっと裏がありつつデレの…そういうのが書きやすいみたいで…。
素知らぬ風を装いながら、眼の端であの子をしっかり追っている―――みたいな!(笑)
そーいう青いっていうか…詰めの甘い所??―――公瑾は恋戦記一だと思うんですよねーーっ(^O^)
だからつい、ネタ振りが公瑾に向かってしまうのです(^^ゞ。
孟徳は、ただ甘やかしてくれるだけなら、もう最高なんですけど。
でもそれだけじゃないから…(笑)。
あ、勿論、そーいうのも含めて全部好きなんですけど、書くとなるとまた違ってくるんですね~。
まぁ、孟徳SSはじっくり練るとして。
まずは公瑾でお楽しみ頂けましたら、幸いですm(__)m
それは…風薫る春の夜の事…
宴の席で奏でられたそのみごとな琵琶の音に囚われたのは私の心だけでは無かったはずで……。
公瑾さんの琵琶の音に…少しでも近付きたい―――。
柔らかく響く鮮やかな音色…。
凛とした空気を震わせ、人の心深い所で響く伸びやかな音。
時に力強く…時に哀切に……歌うように奏でられる瑠璃色の琵琶は、公瑾さんそのもののように繊細で美しい音を奏でていた―――。
「花ちゃん、あそぼーっ」
練習用の琵琶を懸命に操る私の傍に小喬さんが駆け寄って来る。
人目につかないように、わざと庭の奥の方で隠れるように練習していたのに……どうやっても小喬さんは私を見つけてしまう。
いつも通り鬼ごっこやかくれんぼをしてあげればいいのに、この間の春の夜の宴で聞いた公瑾さんの琵琶の音が忘れられなくて、私はいつも以上に琵琶の練習に没頭していた。
「ご、ゴメンね、小喬さん。もうちょっと琵琶の練習をしていたいんだ…」
「えーーっ!花ちゃん、昨日もそう言ってた!…ねぇ、遊ぼうよ!!」
「早く上手に弾けるようになりたいのっ。お願い…小喬さん」
だって…そうすれば―――。
そうすれば、きっと私も―――。
「無理だよっ!!そんなにすぐには上手くならないから!!」
きっぱりと言い切られて私には返す言葉が無い…。
「…小喬さん…」
「毎日、ちょっとずつの方がいいんだよ?」
「でも……それじゃ追いつけないから…」
私と小喬さんがそんな風に言い合いをしていると足音が近づいてきた。
「何を騒いでいるのですか?」
「あ、公瑾…!」
「え…公瑾さん…?」
「侍女たちが心配して…わたしを呼びに来たのですよ」
「だって、花ちゃんが遊んでくれないから…」
「小喬殿…花殿はあなたと遊ぶためにこの京城に留まったのではありませんよ?」
「知ってるよ!!でも、公瑾だけ花ちゃんを独り占めなんて、ズルイもん!!」
「ズルくありません」
小喬さんの言葉にきっぱり言い返す公瑾さん…でも、それって……。
独り占めとか…ズルくないとか…色々聞き過ごす事が出来ない単語が出てくる2人の遣り取りを聞いていた私は、気恥ずかしくなって目を逸らす。
「もう!公瑾のバカ!!いいもんね!もう、遊んであげないんだから!!!」
「ぁ…小喬さん!」
そう言い残して駆けていく小喬さんを思わず追いかけようとしたら、
「放っておきなさい…明日になればまた、遊ぼうと言ってまとわりついてきますよ。――――それより」
「え?」
ふと視界に影が落ちたと思ったら…目の前には公瑾さんの顔が迫っていて、正直驚く…。
大きく身じろぎそうになるのを堪えて内心でひやひやしながらその顔を見つめ返すと、
「どうしたのですか…?ここ数日、貴女が琵琶の稽古に熱心過ぎると…尚香様が心配しておられました」
「―――い…え……何も…」
いきなり核心をついた質問をされて―――。
思わずそろりと視線を逸らしつつ答えてはみたものの、そんな返答じゃ納得してくれないのは予想の範疇で。
「――――花殿」
「…………ハ…イ……」
少しの間見つめられて、それから再び名前を呼ばれる…。
「わたしの目を見て答えなさい。……本当に、何もないのですか??」
「―――――」
目を見て――なんて、無理に決まっている。
大体…何かしら思う所がある事なんて最初から分かっていて聞くんだもの……公瑾さんはズルイ―――。
答えられない私を前に小さく息をついて、公瑾さんは別の用件を口にした。
「…何もないようでしたら、結構です。今日は琵琶はそのくらいにして…わたしの仕事を手伝ってください。それから、しばらくの間、琵琶の練習は禁止です」
「え!?な…なんで、急に…!」
言うが早いか公瑾さんは琵琶を取り上げ、私の手の中にある撥まで取り上げようとするから……思わず、手を引いて抵抗してしまっていた。
「花殿」
「ご、ごめんなさい、でも!…急にこんな…ひどいです…!」
顔を曇らせて私を見る公瑾さんに小さな声になって抗議する。
だって―――まだ、練習しなくちゃ。
もっともっと沢山練習して早く上達したい…!
そうしたらきっと……!
「琵琶に限らず―――貴女にはまだ身につけなければならないことが沢山あるのではないですか?」
「そうですけど……でもっ!」
何も、琵琶を取り上げてしまわなくてもいいと思う。
それに、しなくちゃいけないことは今だってちゃんとこなしているつもりだから…!
削っているのは自分の自由にできる時間なんだから、こんな風に公瑾さんに言われる事はないはず…。
「まだ練習したいんです!……琵琶…返して下さい」
「いけません」
「公瑾さん…!」
考える余地もない程の即答をされて私は一瞬ひるんだけれど、でも、ここで退くわけにはいかなくて。
そう思ったら…勝手に手が動いていた。
-続-
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現在お礼文3件UPしています!
(超小ネタSSSより OZMAFIA1・緋色1・
ブラコン1・2013.8.13.)
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お見苦しいところが多々あると思いますが、よろしくお付き合い下さいませ。
こちらで取り扱いますゲームの内容やそれに関連する創作SSに関しましては、製造元などとは一切関係がございません。あくまでも個人的に書き連ねているものですので、ご理解・ご了承のうえお楽しみ下さいませ。
なお、内容に関しましては無断転記等一切ご遠慮下さいますようお願いいたします。