随分空いてしまいました(汗)。
TYB SWEET JELLY BEANS をがっつりPLAYしすぎましたっっ!
おかげさまで主要ルートは終了~♪
楽しかったです!!\(^o^)/
そして戻ってきました、SSに(*^_^*)。
今回もタイトルに悩みました……。
(ホントに私は色んなものが足りてないな…と実感。)
でもほのぼの公瑾花が書きたかったので良いんです^^。
ではでは。
いつも通り、甘さの足りないSSですが お楽しみ頂けましたら幸いですm(__)m。
手にした竹簡の山を軽く分類しながら自室へ戻る途中、公瑾は中庭から風に乗ってきたであろう華やかな声を耳にした。
「そういえば、今日は商人が小間物を商いに来る日でしたね…」
女性特有の弾んだ声や笑い声の中に、耳に馴染んだ音がわずかに混じっていることに気付き、公瑾は自室へ戻るなら曲がるべき角を過ぎて廊下を直進し、突き当たりの角から中庭へ視線を転じた。
中庭でも城門に近い辺りに侍女が数人集まっている。
その足元には筵が敷かれ沢山の品物が並べられていて、それらを眺めたり手に取ったりしながら商人を交えて話が盛り上がっているようだった。
その中に思った通り目当ての人の姿があって、公瑾の口元には自然と笑みが浮かぶ。
周囲にいる数人の侍女と言葉を交わし、頷いたり笑ったりしている様子はもうすっかり打ち解けて見える。
こちらに残った当初は中々馴染めず苦労していたのが嘘のようなありさまだ。
「――― (こちらの処理は……後でも構わないですね)」
楽しげなその様子に声をかけるのを控え、公瑾は踵を返して自室への帰路へ戻る。
想い人に頼もうと思っていた竹簡の内容は急ぎのものでは無い。
明日頼んでも別に問題はないだろう…。
そう思いながら、次の段取りを考え始めた処へ。 トン!
「!?」
小さな衝撃と―――己の腕に絡みつく、華奢な腕…。
小さく息を弾ませた花が、視界にわっと入り込んできた。
「公瑾さん…!」
「!!……花…。なんですか、声もかけずにこのような…」
危うく取り落としてしまいそうになった竹簡に目を遣りながら、公瑾は吐息と共にそう吐きだす。 彼女の行儀の悪い行動を注意する一方で己の動揺をひっそりと隠しながら…。
しかし彼女は公瑾のそんな言葉にも気にする風もなく、ぷぅっと頬を膨らませて彼の手から竹簡を半分取り上げた。
「それはこっちのセリフです。 お仕事なのに声をかけてくれないなんて、ヒドイです」
まさかそんな反論が返ってくるとは思っていなかったので、公瑾は思わず言葉に詰まった。
「!?……それは………特別急ぎのものでは無かったので…」
「急ぎじゃなくっても、やらなきゃいけない事なんですよね? だったら、別に他に手を取られていた訳じゃないんですから、今から一緒に片付けてしまえばいいじゃないですか」
そう切り返す彼女の頬は、まだ膨らんだまま。
怒っているのか、拗ねているのか……判じかねて公瑾は首を傾げて花を見る。
「花…? 何か、怒っているのですか? …というか、やはり気に障ったのでしょう? 女子(おなご)同士のお喋りの邪魔をしてはいけないと、尚香さまから聞いています。 こちらは大丈夫ですから、あちらへ戻っていらっしゃい…」
公瑾の言葉に、花は肩をすくめて見せた。
分かっているようで、分かっていないのだ…この人は。
いとも簡単に―――自分を見つけ出してしまうくせに……時にもどかしくなるくらい 不器用な距離を保とうとする…。
こんなにも敏い人なのに……そういうところが 不思議で仕方ない。
「―――怒ってますよ。 怒ってますけど、それは公瑾さんの勘違いです」
「? 怒っているのなら、勘違いではないでしょう…」
再び公瑾は首をかしげる。
怒っているのかとの問いに首肯したくせに勘違いと言われては…公瑾としてもどうしていいか分からなくなる。
「さぁ…お喋りの時間も大切なのでしょう? 戻っていらっしゃい」
そうして、彼女にお喋り仲間の元への帰路を促す。
公瑾の中には、女子(おなご)というものは…甘いものが好きで、買い物が好きで、きれいなもの 可愛いものが好きで、女子同士でおしゃべりに興じるのがとにかく好きな生き物―――という認識があった。
花とて元の世界では、仲の良い友人と暇さえあればお喋りをして、気づいたら休日が丸1日終わっていたという事もあったと聞いたことがある。
だから今も、小間物を見ながら仲間内で他愛なくお喋りをする時間を邪魔されて怒っているのだと思ったのだが……違うのだろうか?
けれどそうでないなら、彼女が何を怒っているのか…公瑾には皆目見当もつかない…。
「もぅ…違いますよ、公瑾さん………私が怒っているのは」
花は2、3歩先を行き、振り返る。
「―――私を見つけたのに、公瑾さんが声をかけてくれなかったからです」
「…………ぇ」
「すぐ目の前にいるのに…どうして声もかけずに戻っていっちゃうんですか? そんなの…随分と意地が悪いです…」
花のその言葉に、公瑾は文字通り目を丸くした。
『すぐ目の前』…なんて言うが、公瑾の居た場所から花の居場所は結構離れていたし、柱の影に入っていて花からはこちらは見えなかったはずだ。
それに普段から公瑾は足音などたてないから、仮に何か聞こえたとしても衣ずれの音くらい…。 それは確かに『人の気配』ではあるが、公瑾のものだと断定はできるものではない。
では一体…花はどうやってあの場所に居ながら、公瑾が本の数秒立ち止まって近くにいた事を知り得たというのだろうか??
「別に意地悪のつもりなどありませんでしたよ。 声をかけなかったのは貴女が気付いていないだろうと思ったからです。 それに貴女が、とても楽しそうにしていらっしゃったので…」
言い訳じみた公瑾の弁に、花はもう一度肩をすくめると彼との距離一歩二歩と詰めてくる。
「それは…お喋りは楽しいですけど、私は公瑾さんと一緒にお仕事するのも大好きなんですよ? だって…堂々と一緒に過ごせるじゃないですか///」
「―――――」
「…それに、姿は確かに見えませんでしたけど―――分かるんです」
そして公瑾の胸のあたりに顔を寄せ、すん…と息を吸い込んだ。
「公瑾さんの香りなら……ちょっとくらい離れていても、分かります」
「…花…」
「…公瑾さんの香りを感じたから、絶対に近くにいるんだと思って追いかけてきたんですよ」
はにかみながらそう言って、花は公瑾の表情を窺うように小首を傾げた。
「……貴女という人は…」
公瑾は小さく呟いた後ふと吐息をついて微笑った。
―――自分が彼女のわずかな音を聞きとめてしまうように…彼女もまた本の少し漂う自分の香に気付いてしまうと…。
そんな些細なことさえお互いの身の内で当たり前のように感じ取ってしまうのだということを改めて認識させられて、戸惑う半面……嬉しくもあり…。
「公瑾さん??」
「分かりました……次からは遠慮なく声をかける事といたしましょう」
「はい、そうして下さいvv」
「では、こちらの処理も手伝っていただいてよろしいですか?貴女に手伝っていただけると、これらも早く終わりそうです。その後で、甘いものでも頂きながらお茶にしましょうか」
「はい!」
公瑾の提案にとびっきりの笑顔でうなずいて花は又、軽やかな足取りで歩き出す。
その後に続きながら、面映ゆいような喜びに浸る公瑾なのだった。
-終-
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現在お礼文3件UPしています!
(超小ネタSSSより OZMAFIA1・緋色1・
ブラコン1・2013.8.13.)
fxwill.com
お見苦しいところが多々あると思いますが、よろしくお付き合い下さいませ。
こちらで取り扱いますゲームの内容やそれに関連する創作SSに関しましては、製造元などとは一切関係がございません。あくまでも個人的に書き連ねているものですので、ご理解・ご了承のうえお楽しみ下さいませ。
なお、内容に関しましては無断転記等一切ご遠慮下さいますようお願いいたします。