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いらっしゃいませ! このブログでは、カヌチ二次創作(緋色の欠片、ウィル・オ・ウィスプ、ラスエス3他)、乙女ゲームの感想など、管理人ベルルの暴走気味の妄想をつらつらと書き綴っております。現在「三国恋戦記」絶賛応援中です!!     -since 2009.7.25-
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三国恋戦記SS >公瑾花 です♪


はあぁ…なんか、ここ最近の公瑾が、花ちゃんにベッタベタに甘いなぁ…などと思うのは私だけでしょうか??
(これって公式よりかなりずれた公瑾だなぁ…と思うんですよ)

それにしても、花ちゃんを溺愛するあまり、色々な形で「自分のものだゾ!」と主張を繰り返(しているだろう)公瑾…というのは、中々に萌えます。
素知らぬ顔をして、外堀からジワリジワリと埋めてくる人って―――いますよね?(笑)
そーいう感じなのです(^^)
デモ、いいんですか?こんな人に 都督 の地位を任せてて…>仲謀さん?

や、公瑾に負けないくらい、花ちゃんも公瑾に甘いとは思うんだけど。
花ちゃんの場合、一生懸命さがあって絆されるというか…(対して公瑾は、根回ししすぎるというか…:笑)
そしてそれを看破しちゃう大小姉妹の眼力こそが、恋戦記一の軍師肌じゃないかな~などと妄想の幅を広げておりますm(__)m。


それでは、(ちょっと失速しましたが:苦笑)正月休みの総仕上げ♪
お楽しみ頂けましたら幸いですm(__)m





別室に引き入れられて驚いた花は、朱に染まったままの顔で慌てて琵琶に触れられなかったことを謝罪した。
「ご、ゴメンナサイ!公瑾さんの所為じゃないんです! 私が勝手に…/// い、色々と思いだしてしまって…!」
「―――思いだす?」
その一言に公瑾の眉がピクリと動いた。
琵琶を見て頬を染めるような――――甘やかな思い出が、花にはあると言うのだろうか?
それはいつ、誰と紡いだ思い出なのか――――?
ふつふつと胸に湧く不快な苛立ちに公瑾の言葉尻も知らずきつくなる。

「…そんなに……頬を染め瞳を潤ませる程の 『色好い思い出』 が貴女にあるとは――――知りませんでしたよ。 それにしてはこちらに残った当初の貴女の琵琶の音はひどく拙いものでしたね…。 その殿方とは楽(がく)ではなく…別の何かを教わっていたのではないのですか?」
「え…!?」
突然の、冷たく突き放したような言葉に驚いて花は茫然と公瑾を見上げた。
一体何がどうして、こんな厳しい言葉や視線を向けられているのか……花にはまるっきり理解できなかった。

「公瑾さん?…あの…」
公瑾の手に触れようと伸ばされた花の手をかわすと、公瑾は深く息を吐いた。
「何でもありませんよ。この琵琶がお気に召さないのでしたら、構いません。―――持ち帰って、…処分することとしましょう」
「えぇ!?…何故急にそんな…! わ…私の何かが公瑾さんの気に障ったなら謝ります! でもこの琵琶には何の罪もないです! 処分なんて…考え直して下さい!」
必死に縋る花から視線を反らし公瑾は頭(かぶり)を振った。

「罪のあるなしの問題ではありませんよ。問題は…」
そう―――問題は。
花がこの琵琶を見て思いだしたという―――今なおトキメク甘く美しい思い出そのものの方であり、それを思い起こすのにこの琵琶がきっかけになるというのであれば、まさにそれこそがこの琵琶の罪ということになるだろう。

「公瑾さん! お願いですから、こっちを向いて下さい! 私、この琵琶を譲っていただけるのが嬉しいんです!本当に!!」
「―――そんなに…甘い思い出に浸るためにこの琵琶が必要でしたら、どうぞお好きになさい」
さらに突き放すようにそう言って、公瑾は琵琶を花の手に押し付けた。
「え!? 甘い…思い出…!?って何のことですか!?」
「今しがた貴女が言ったのですよ。 この琵琶を見て、色々思いだして―――だからあんなにもうろたえていたのでしょう」
そう―――恋仲である、自分の目の前で。
他の男とのかつての甘い逢瀬を思い起こしたのだろう?と。
そう続けようとしたら…。


「それは!!だって…小喬さんが!あんなこと言うからっ!!」
「!?」
公瑾の勢いを上回るほどの構えで花はそう言って、再び真っ赤になった己の顔を両手で覆い隠した。


「…花、殿…?」
「/// ~~~っっ、だって、だって……小喬さんが…」
手で顔を覆ったまま、イヤイヤをするように激しく首を横に振る…。
その声が少しかすれていて今にも泣きそうだということが、他の誰にもわからなくても公瑾には分かったから……。
「――――小喬どのが…どうしたというのです? ちゃんと伝えていただかないと、わたしたちの誤解は…永遠に解けないままになってしまいます…」
小喬の名が出た事によっていち早く自分を取り戻した公瑾が、花の両手に己のそれを重ねて包み込むと諭すようにそう囁いた。

「…だって…小喬、さんが…」
「小喬どのが…?」
「~~~…こ、公瑾、さんの…」
「……」
「まるで私が『公瑾さんのもの』っていうしるしを―――身につけているみたいって~~//////」
肩を竦め…消え入りそうな声でようやく言葉にして…花はぎゅうっと目をつむった。
思いだした分と、改めて本人を前に白状させられた分の2倍の恥ずかしさに……どうにかなってしまいそうだ。 しかし花のその言葉を聞いてもしばらく間、公瑾からの反応が無く…。

「―――――」
「………こうきんさん…? あの…」
恐る恐る…指の隙間からそぅっと花が相手を窺うと、
「……貴女が、お嫌なのでしたら……こういうことはもうやめにしましょう」
「え!?」
予想に反して―――。
事実を否定も肯定もしないまま、一足飛びの結論のみを提示され一瞬、花は公瑾の言葉が理解できなかった。
てっきり小喬のその見解に対する説明やら言い訳やらをまくしたてられると思ったのに。
もしくわ、それのどこがいけないのかと開き直って、責め立てられる事も想定したのに。
いきなりそんな提案を持ち出されるとは思いもしなかった。

「こうしてわたしの手に馴染んだものを貴女に譲ることが、貴女のご迷惑になるのでしたら……」
少し瞳を伏せて…しかも常には聞かないような弱い声音でそう言いつのる公瑾に、花は思わず力を込めて反論していた。
「///そ、そんなことは言ってません!! こ、公瑾さんから頂けるものを迷惑に思うなんて…そんなこと、あり得ません!! だって、だって…公瑾さんが細々としたお道具の1つ1つに心を砕いて大切に扱っているのを、私は知ってます!! そんなふうに大切にしていたものを譲っていただけるのはすごく光栄だし、公瑾さんの/// 心を分けてもらっているようで―――とても、嬉しいんです。…公瑾さんの心がこもった大切なお品だから……私も、もっともっと大切にしたいと思うんです…!」
拳を作っての花の力説に、公瑾はにっこりと笑顔を見せた。

「そうですか――――では、この琵琶は貴女の手で可愛がって頂けますね?」
「え!?」

「なんですか、今『わたしのものだから大切にする』とおっしゃったじゃないですか。 あれは嘘なのですか?」
「え、えぇ…!?」
一転しての公瑾の隙のない言動に、花が目を回していると。
「おっしゃる通り………大切に使っていた道具類ですから、そう簡単に人に譲ったりはしません。 物には魂が宿るというでしょう。だからこそ、わたしの魂を宿した道具を…貴女に譲りたいと思うのです」
諭すように…そう吐露された公瑾の正直な心情に、花は心が跳ねるような喜びを感じた。

「それでもまだ――――この琵琶を手にするのをためらってしまいますか?」
誘うような問いかけ―――。
言葉さえ熱を帯びていて……その心地よさに自然と絡めとられてしまう…。
「―――――…いいえ。 大切に使います。 公瑾さんだと思って、大切に弾きます…!」
「それは……光栄です」
花の言葉に頬を緩ませながら公瑾は頷いた。

結局―――公瑾が馴染んだ品を花に譲る…という行為が取りやめられることはなく。
また、そこに何かしらの狙いが存在したのかということも明確にはできなかったのだけど。
公瑾の物に囲まれる心地よさに花が幸せを感じていることは紛れもない事実なので。
―――罠に掛ける方も掛けられる方も幸せなんだから、それでいいんじゃない??
そう断じた小喬の言葉に納得しながら、譲られたばかりの琵琶の弦を弾く花なのだった…。


 -終-

 

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