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いらっしゃいませ! このブログでは、カヌチ二次創作(緋色の欠片、ウィル・オ・ウィスプ、ラスエス3他)、乙女ゲームの感想など、管理人ベルルの暴走気味の妄想をつらつらと書き綴っております。現在「三国恋戦記」絶賛応援中です!!     -since 2009.7.25-
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三国恋戦記SS > 公瑾(→花) 捏造ED です!!

UPするの…どうかなと思ったんですが、折角書いたので…(^^ゞ。

蜀軍と呉軍でのEDでは、三国鼎立を視野に入れないと話は成り立ちません。
唯一魏軍のみが、統一への覇道を進む…というイメージでしょうか。
(勿論花ちゃんの関わり方次第では、孟徳EDでも三国……は、やっぱ無理か…:苦笑)

ですので公瑾EDでも普通にHAPPY ENDしてますけど、実際は孟徳の脅威が去った訳じゃないのでね。
そのための捏造EDです。
普通に考えて、あっさりと仲謀の一声のみで花ちゃんが京城に居残れたとは思えませんが、それでも少なくとも仲謀の許しが無くては留まることは出来なかったでしょうから。
そこんとこの妄想が…m(__)m
(ちなみに、この系統の話がもう2、3本…あったりして…)

それでは。
CPではありませんが、それでもいいよ、という方はそちらからドウゾ!m(__)m



「―――は? 今何つった?」
剣の鍛錬の最中に公瑾がやってきて話した内容に…汗を拭っていた仲謀は思わずそう返していた。
「…………」
しかし対する公瑾は、主のその問いに無言のまままっすぐ仲謀を見つめる。
その眼には―――何度も同じ事は言わない、という風情が見て取れた。
「使者殿を……あの方を我が軍に、との事でしたな」
なぜか公瑾の傍らには子敬まで従っていて、口を結んだままの公瑾の代わりにその言を復唱した。
折しも今日は、迎えていた玄徳達が荊州へ帰る日で、午後には京を発つと聞いている。勿論玄徳軍からの使者である花も同様に…。
それゆえに、結論を急いでいる…というところか。

これは―――本気なのだろう。
本気だからこそ、面倒事を一気に片付ける為に主である仲謀と、同輩だが仲謀の信頼も篤い子敬の承諾を同時に取り付けに来たに違いない。
「違うだろ、子敬――――アイツを、お前の手の内に……そうだな?公瑾」
「はい…」
「俺の許しを得ようとするってことは、本人とはもう…」
「話はついています」
「ほほぅ…? いつのまにそのような―――色好い関係に?」
即答した公瑾への茶化すような子敬の言…。
この男がこのような事に首を突っ込むとは意外だ。仲謀は思わず子敬を見たが……それは公瑾も同じだったらしく、いつもの笑みを崩さぬままチラリと小さな同輩へ視線を向けた。

「まだ何も…ご期待に沿うような事はありませんが」
「その予定がある、と?」
公瑾の言葉を先んじ子敬が言う。
「(こいつ……楽しんでやがる…)」
好々爺の様な面持ちを崩さぬままの子敬に仲謀は半分呆れつつも公瑾へと視線を戻す。
「そういうことになるでしょうか…」
「はっきりしねぇ物言いだな?公瑾。お前はアイツを―――どうしたいんだ?」
こういう手合いが得意の「化かし合い」は性に合わない。
単刀直入に仲謀は質した。

そう問われた公瑾の笑みが一瞬消え、随分と昔に目にしたことのある表情が垣間見えた。
そう、あれは…兄、伯符を亡くした頃に見た――――あの表情(かお)だ…。
「今は我が軍の軍師として。然る後――――我が妻に、と考えております」
静かにそう答えた公瑾の表情はもう、いつものそれに戻っていた。
「まだるっこしいなぁ……さっさとくっついちまえよ」
「あの娘はいまだ……玄徳殿よりの使者という立場ですから…」
そう公瑾が言葉を濁すと、
「なるほどなるほど……玄徳殿の策に乗せられた…という印象は残したくない、ということですな? また、我が軍においても一定の立場を与えておきたいと…」
「そうとって頂いても結構です」

子敬の挑発をかわす公瑾へ仲謀は現実的な問題を突きつける。
「軍師ってことになると…戦の時に引っ張り出されても文句は言えねぇぜ?」
それはそうだ。
立場を与えるとなると、相応の働きをしてもらわねば困る。
タダメシを喰わせる気はない。
「そうですね――――そうならないように努力はいたします」
公瑾のその言は、仲謀を驚かせるには十分過ぎるものだった。
文字通り目を丸くして―――仲謀は子敬へと視線を向けた。
戦を避ける―――?
この男が…!?
戦で他者の領地を切り取り、領土拡大の一事のみを念頭に進んできた自分たちを、文字通り支えてきたこの男が…。
勿論それは天下統一の目的があったればこその進軍ではあるのだが。
正直言って……今の話の流れで一番驚いたのは『そこ』だった。

「まぁ、良い傾向なのではありませんかな?仲謀様…。腰を据えて領地を守り、民を富ませる事もまた政り事の大事…」
「子敬殿……わたしは戦はしない、とは言ってませんよ?」
すかさず公瑾は切り返す。
その瞳に宿る真摯な光は以前と何一つ変わってはいない。
「曹孟徳が南征への意欲を捨てぬ限り、我々が目下のところ、安寧を手にいれることは無いのですから……」
「だがお前は―――安定を視野に入れたんだろ?」
孫家の天下を獲る為に―――。
その為に全てをかけてきたこの男が、戦以外の手法を考えるという……。
「統一ではない―――別の選択肢を、許すというんだな?」
「仲謀様の目指す道とこの身を違える気は毛頭ございません。…もしも、その選択を仲謀様がなされるというなら、否はない…ということになります」
それが今の公瑾にとっては精一杯の言だろう。
今の今まで頑なに貫いてきた一本の道を、二本の道筋に見立てることもあり得る…ということだから。


――全土統一は親父の代からの望みだった。
それを兄貴が継ぎ、今は俺のモノでもある…。
しかし同時に、兄貴(伯符)と共に見たこいつの夢でもあったはずだ。
それを……それとは違う形の未来を、夢のひとひらとして受け入れるというのか……。
アイツがそれをさせたのか……。


「…そうか、分かった。軍列に加える事を許す…」
「――――ありがとうございます」
いくらかの間があって仲謀がそう答えると、それに何かを感じたのだろうか……公瑾は拱手して頭(こうべ)をたれた。
「よろしゅうございますな……京城がまた、賑やかになります…」
「……子敬殿…」
「あの方の柔らかさは、我が軍には良い兆候をもたらして下さるでしょうな…」
「あれは…柔軟というよりは単に迂闊に過ぎる…というものですよ…」
「ほ、ほ…確かに、我らが周公瑾殿をうっかり手の内に入れたのであれば……迂闊に過ぎますな…」
「………本人に、伝えておきますよ…子敬殿…」
つい軽口のこぼれた公瑾へ、仲謀は問いかける。

「公瑾……アイツはそれほどに―――佳い女か?」
―――他の軍から奪うほどに…?

「………あれは…佳き女人とは申せません。 むしろ―――愚者の類に属す者ですよ…」
「ぬけぬけと…!」
「では………玄徳殿の見送りへ行って参ります」
再び拱手して…公瑾は仲謀の前を辞した。

さらりと言い置いた公瑾のその笑みを……仲謀は一生忘れられないと思った。


 -終-

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