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いらっしゃいませ! このブログでは、カヌチ二次創作(緋色の欠片、ウィル・オ・ウィスプ、ラスエス3他)、乙女ゲームの感想など、管理人ベルルの暴走気味の妄想をつらつらと書き綴っております。現在「三国恋戦記」絶賛応援中です!!     -since 2009.7.25-
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Starry Sky in Winter (PSP) SS > 桜士郎月子 です(^.^)。

や…書きたいって思えるのはいいんだけど、本当にキャラを掴み切れているのか自信がありません^_^。
だって、告白=EDなものだから、付き合うようになったらどんな言葉づかいなの??とか、「くひひ~」って笑うの??(ま、それはないとは思いますが…)とか、やっぱり「変態さんキャラ」は続けるの??とか。
色々疑問な訳ですよ。
そんなわけで、手探り?…闇鍋的な?? 出たとこ勝負!?的に書いていたりします(笑)。

時間的にはED後^^。
大きなネタバレはありませんが、気になる方はPLAY後にお楽しみくださいませm(__)m。

それでは、いつも通りちょっと?な感じですが…お楽しみいただけましたら幸いです(^.^)。



「好きです」と伝えあってようやく始まった「恋人同士」の俺たちの時間…。
その幸せに舞い上がる一方で、まだ少し…そこどっぷり浸かるには、覚悟が足りなくて。
そう―――心のどこかで俺はまだ…その事実を受け入れるのが怖かったのかもしれない…


「白銀先輩の初恋って、いつですか?」
「ふぇ?…はつこい…??」
「はい。 春休み前にクラスでそんな話題になったんです」
彼女は興味津々といった体でこちらへ視線をくれる。
「ん~~~…初恋…はつこい…ハツコイ…かぁ」
考え込むように視線を巡らせながら、俺は視界の端で彼女を盗み見る。
彼女と付き合い始めて漸くひと月…。
2回目のデートにしてこんな話題を振られるとは思わなかった。

「――――あんまり覚えてないかな? 妥当なとこで幼稚園の先生だったんじゃないかな…。 マドンナちゃんはいつなの? クラスで盛り上がったんじゃない? あ~、惜しいなぁ、ソレ是非記事にしたかった!」
「私ですか?」
「そうそう、俺に聞いたんだもの、マドンナちゃんも教えて? 幼なじみ君達のどちらか? それともやっぱり幼稚園や学校の先生?」
「え、えぇと…あ、先輩!時間…!もう行かなきゃ、いい時間ですよ!」
俺が逆に切り返すと、彼女は慌てて席を立ち伝票に手を伸ばした。

「ダメダメ、これは男の役目でしょ~?」
彼女の指が触れる前に、俺はそれを取り上げる。
「え?でも…」
「変態でも男の見栄はあるんです、なんてね。 お茶くらいおごらせてよ」
「先輩だって学生じゃないですか…」
「だ、か、ら、『お茶くらい』 よ」
「…はい、ありがとうございます、ご馳走様です」
「はい、ご馳走しました」
ぺこりと頭を下げる彼女…。
素直だけど、誰かに甘えることを当然と思ったりしないところがいじらしくて。
彼女ののぞむものなら何でもあげたくなってしまう気になるのは――――俺も相当のめり込んでいるからなのか…。

支払いを済ませると、喫茶店の外で待っていた彼女はもう一度頭を下げた。
「ごちそうさまでした、白銀先輩。 でも…無理はしないで下さいね?」
「分かってます。 えぇっと、どっちに行くんだっけ?」
彼女の地元の町は初めてで、まだ感覚がつかめない。
「こっちです、とっても大きな桜の木があるんです。今年も凄く綺麗に咲いているから、先輩にも見て欲しくて…」
そういって今にも走り出しそうな勢いで、俺の手をとろうと伸ばした手が、何かに気づいたように触れる直前に慌てて引っ込められた。

「/// ご、ごめんなさい……はしゃいでしまいました」
「くす…いーんじゃないでしょうか? マドンナちゃんは歳の割に大人だから、もっと自分の感情を出していいと思うよ? 楽しい時は楽しいーーっ!!て、はしゃいでも大丈夫♪ 俺なんていつもそうだよ?」
「/// はい…」
「ということで、ハイ!」
「え?」
「手、繋いで行こう? なんだったらこの老体でダッシュもしちゃうよ?」
「先輩ったら…」
顔をほころばせて、差し出した俺の手に遠慮がちに重ねられる手…。
華奢なその手をギュ…て握ったら、それだけで彼女の頬は赤く染まる。
その可愛らしい様をずっとずっと見ていたいって思っていたら、急に顔をあげて彼女は歩きだした。
「じ、じゃぁ行きましょう!先輩」
それが照れ隠しなんだと分かってしまうから…
「了解しました!隊長!」
俺はおどけた返事をして彼女に引かれるままに足を踏み出した。


高台の公園にある大きな枝垂れ桜の木…。
日が傾き始めて空と共に茜色に染まっている様を見ながら、俺はカメラを構える。
「凄いね…凄く綺麗だ…。良い絵が撮れるよ」
夕焼け空と桜の組み合わせは―――沈みゆくもの、散りゆくものの寂しさを迫るほどに感じさせる。
「良かったです。…ちょうどいい時間にここに来られて…」
俺の隣で微笑む彼女はとても満足そうで…幸せそうに見えた。
「あの……先輩…」
シャッターを切る俺に、彼女が遠慮がちに声をかけた。
その視線は真っ直ぐ夕焼け空を見つめている。
「…なぁに?」
「……さっきの、話なんですけど…」
そっと手を伸ばし…俺の上着の端っこを、きゅっと握って―――

「私の初恋は――――白銀先輩です…」

消え入りそうな声だったけど、その音は俺の心の深い深い処まで、静かに沁みわたった。
俺がカメラをおろすと、彼女は
「先輩が、私の初恋の人です…」
俺の目を見て、もう一度そう言った。
それは…俺が背を向けても、拒絶しても……追いかけて来てくれたあの瞳だった…。

ただまっすぐに、想いをぶつけて来てくれた瞳…。
俺への気持ちを言葉にしてくれた唇……俺の髪を編んでくれた優しい手…。
俺に向けられる幸せそうな笑顔…。
そのどれも―――もう、手放すことなんて出来っこない。
彼女を見つめて、その瞳で見つめられて…改めてそう思った…。

「――――ありがとう…すごく嬉しい…」
どんな言葉を返すのが正解なのか…なんてことを分からないフリは、もう出来ない。
でも、今の俺に返せる言葉はそれが精いっぱいで…。

「私も嬉しいんです……初恋が叶って…」
「じゃぁ、さ………二人で素敵な初恋にしようね?」
彼女の耳元にそう囁きながら、その頬にキスをした…。
彼女は頬を赤く染めながらも幸せそうに微笑む。
「それから…」
続けて囁いた俺の言葉に、彼女はきょとんとしながらも もう一度頷いてくれた。

マドンナちゃん―――昔の俺は 不良して、くだらないことや馬鹿なことを沢山してきたんだ。
遊びでなら、いくらでも不実なこともしてきた…。
けれど、触れるのが恐くなるくらいに人を好きになったのは、君が初めてなんだよ、って。
喉元まで出かかったその言葉を音にすることが、どうしても出来なくて…。
今の俺にはまだ、君に好きだと伝えるだけでいっぱいいっぱいみたいだ…。
でもね……ちゃんと伝えるから。
君のどこが好きで、どれだけ好きか――――それから、君が俺の初恋だって事も。


だから、お願いします…。
もう少しだけ、待っててね?


THE END



 ◇ 言い訳デス ◇

やっぱりまだ、桜士郎にはちょっとした遠慮があるんじゃないかな?ということで、こんな感じになりました(^^ゞ。
ちなみに、不良時代の桜士郎はかなりの人物だったと想像します(笑)。
初恋は月子でも、絶対、絶対、経験は豊富!!だと思うんですね!(爆)
なので――――次に書くときはそんな所も含めて書いてみたい、です(^.^)。
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