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いらっしゃいませ! このブログでは、カヌチ二次創作(緋色の欠片、ウィル・オ・ウィスプ、ラスエス3他)、乙女ゲームの感想など、管理人ベルルの暴走気味の妄想をつらつらと書き綴っております。現在「三国恋戦記」絶賛応援中です!!     -since 2009.7.25-
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三国恋戦記SS > 子龍花(←孔明)です^^。

一部、情景不足になっていたり……一部、会話のみになっていたり、己の力不足を痛感中(>_<)。
ゴメンナサイm(__)m
ちょっと意地悪師匠とそれに振り回されちっくな二人を描きたかったんですが。
志半ば―――という感じ(泣)。

どうなんでしょう、師匠の人気…というか、扱い…^^。
この人の大きな愛はとても評判が良いようですが、私…SS的には相手役というより、いじめっ子役としての方がしっくりくるんですよね(え?ひねくれてる??)
ので、今回は試験的に、CPに対し矢印を(気持ちだけ)プラスしてみたんですが。
…あまり上手くいきませんでしたね…。

とりあえず。
微妙なかんじですが……お楽しみ頂けましたら幸いですm(__)m
 



「あれ?子龍君??どこ…?」
「ここです……花殿…」
闇い草叢(くさむら)の向こう側から声がする。
花が背伸びをしてひょこひょことその姿を探すと、かさりと草葉が揺れてようやく探し物が顔を出した。
「大丈夫?」
チラリと背後を見てから花は子龍に問いかける。
先日婚約を果たした花と子龍の為に、身内だけで祝いの宴が催されているのだが。
例によって孔明が嬉々満面として子龍を捕まえて離さなかったのだ…盃の場から。
結果―――決して弱いというわけではなかったが、返杯を受け続けねばならなかった子龍は、浴びるほど飲む羽目となり…酔いを覚ますという名目で花と雲長によって宴の場から連れ出されたのである。

「…花殿……わたしは…孔明殿に何か…恨まれるような事をしたのでしょうか…?」
ふわりと身を預け、子龍は少し溜息混じりに言った。
「ぁぁ……う、ん…どうだろうね…?」
その背中に手をあてて、花は言葉を濁す。
どうも、こう…子龍と思いを交わす前から師である孔明は、子龍に対して当てつけるような行動があるような…ないような…?
はっきりした事は花にも分からなかったけれど、からかっているだけにしては時々…笑えない事もあったりして。
花としても頭の痛い所ではあったのだけど。
「大丈夫?お水貰ってこようか?」
そう尋ねると子龍は首をよこに振って、花の手を強く握り…。
「―――この下に小川が流れています。酔いざましならそこで顔でも洗えば済むことで…」
要はあの場にはまだ戻りたくないという事だろうか?
花はそんな言い訳をする子龍が可愛く思えて、笑って頷いた。
「うん、じゃあ、そこに下りようか」
手をつないだまま…2人は闇い土手へと下りて行った。


がやがやと賑わう宴の場では玄徳が孔明を軽く窘めていた。
「―――もう少し加減してやっても良かったのじゃないか?」
「何を仰います。あのくらい飲めなくてどうするんですか」
「しかしあれでも花とは同じ年だぞ。まだまだ子供だ」
「子供なら嫁取りはしません」
「なんだ、弟子をとられて悔しいのか…?」
「親兄弟の縁と同様に…師弟の縁もそうそう切れるものではありません。 あれは……そうですね、まあ保護者として子龍殿がどれほどのものかを試験していたようなものですよ…」
「お、孔明…保護者というなら俺だって花の保護者のつもりでいるぞ…?なんといってもあの子を最初に庇護したのは俺だろう?」
「その道をしめしたのはわたしですよ、玄徳様」
「玄兄、孔明も………肝心の花の事を考えてやらなければ…押し付け保護者は御免だ、とあいつなら言いますよ…」
空になった酒瓶を取り替えに来た雲長が口を挟むと、孔明は顔をゆがませた。
「ああ、我が軍随一の良識派の雲長殿……あなたが助け出してあげた幼子はどちらですか?」
「さあ…向こうの土手の方へ覚束ない足取りで行ってしまいましたよ」
「おや、…その後は放任ですか?」
「基本、我が軍(うち)は放任主義だよな?雲長」
「そうでしたね……」
出来上がり始めた2人の様子に、酒瓶に水を混ぜてくれば良かったと雲長は少し後悔した。


さらさらと軽やかな水音が聞こえてくる。
もう少しで土手を下りきると思った時、甘い香りが漂ってきた。
「?何か…良い匂い…」
「これは……藤ですね…、この近くで咲いているのかもしれません」
「!きゃ…」
「花殿!」
真っ暗で足元が見えない上に、藤の香りに気を取られた所為で足を滑らすと、花を庇おうとした子龍もろとも、もつれて倒れ込んでしまった。
「ご、ゴメン!子龍君、大丈夫!?」
「ええ…すみません、こちらこそ……いつもなら、こんな不甲斐なく貴女を転ばせたりはしないのに…」
そうは言うが結局子龍が下敷きになって、花は庇われていたりするのだ。
申し訳なさに花は慌てて身を引こうとするが。
「!?子龍君!?」
子龍の手が花の腰を抱きかかえて、それを許さなかった。

「――――もう少し……このままで…」
かすれた声でそう言って…花の胸元に顔を埋める。
「///…し…子龍君?」
「貴女を―――こうして抱きしめることのできる幸せを…今かみしめています」
「………私も…」
花はそっと手を伸ばし、子龍の頭を抱きしめる。
「好きな人と…こうしていられて、幸せだよ……子龍君」
「…花殿…」
そして、少し身を引いた子龍と見つめ合い―――どちらからともなく顔を寄せ合って。
触れるだけの優しい口接けを交わす…。
好きな人とふれあえるこの至福のときが―――いついつまでも続きますようにと、切に願いながら…。


ふわりと風にのって届く甘い香りに鼻が誘われる…。
盃を置いて、孔明はその香りを探り…、
「藤の…花、ですね……」
「そうだな……近くに咲いているのだろう」
「――――至福のとき……か。……いいですね。 甘い恋人たちの香りだ……」
孔明の言に玄徳も微笑んで頷き。
「では我らの可愛い身内の前途を祈って…」
玄徳の差し出した盃に孔明も盃を返して飲み干した―――。
穏やかな晩春の夜の宴は、こうして明け方まで続いたのだった。


 -終-

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