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いらっしゃいませ! このブログでは、カヌチ二次創作(緋色の欠片、ウィル・オ・ウィスプ、ラスエス3他)、乙女ゲームの感想など、管理人ベルルの暴走気味の妄想をつらつらと書き綴っております。現在「三国恋戦記」絶賛応援中です!!     -since 2009.7.25-
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そしてSSは、ラスエス3から……柊いずみです~m(__)m

いや、アダルト組は結構色々浮かびますね。
同じテーマで書くことも出来るし、個別ルートにあわせたネタで書くことも出来るし。
そう言えば、キャラ萌えってどこかのサイトさんで書かれてましたっけ…。
確かに濃ゆいです!あの人たち!!(笑)

皆それぞれに個性があってどの人も大好きなので、もうちょっと書いていたいな♪
でも…私の書く柊さんは大人しすぎるか……いやいや!アレがはじけすぎてるんだよ!!(爆)
(おっとり京男…私が書くとこうなります^^)

それでは、お楽しみいただけましたら幸いです…m(__)m




ふわりと鼻をくすぐる香りに驚いて私は辺りを見回す。
「先輩?どうかしたんですか?」
「あ……ううん、なんでもないよ…?」
営業先からの帰り道……一緒にいた後輩にそう答えたものの、私の心は大きく揺れて漫ろ(そぞろ)になっていた―――。


「いらっしゃいませ…?……え…と…あの……大丈夫ですか?」
いつものようにカッツェへ訪れた私を席まで案内してくれた奏くんが、何だか控えめに問いかけて来る。
「え?」
「あの…顔が赤いですけど……風邪ですか?」
「うぅん、違うの…平気よ。…平気……なんだけど」
「??………あ、店長…」
「!!!」
「お待たせしましたね…姫」
別の卓から柊さんがやってきたのだけど。
その姿を眼にした瞬間に自分でもビックリするほどドキドキして、顔が熱くなる。

「わ……いずみさん!?」
奏くんの慌てっぷりから、その変化は多分傍目にもはっきり見て取れるほどなんだろう……そう思うと居た堪れなくなって、私は両手で自分の頬を押さえながら席を立った。
「あの…今日はやっぱり…帰ります…!」
「おやおや………人の顔を見るなり帰るだなんて……悪い姫ですねえ?」
「ご、ごめんなさい…でも……!」
弁解しようとする私の手を掴むと、柊さんは強引に自分の隣に私を座らせる。
「店長…?」
「あぁ、奏はもういいですよ」
そう言われて気遣うような視線を投げながら戻っていく奏くんに救いを求めようと視線を向けると、無情にも彼は他のテーブルのヘルプに入ってしまった。

「……さて、姫?どうしたんですか…そんなに顔を赤くして?―――わたし、『まだ』何もしていませんよ?」
私の顔を覗き込みながら、柊さんは人の悪い笑みを浮かべて聞いてくる。
「ちょ……柊さんっ…近いですって」
「大丈夫ですよ、誰も見ていませんから」
そういう問題じゃないのに…そう反論する前に柊さんは私の肩を抱き寄せ、耳元に口を寄せてそっと囁く。

「で?何があったんですか?……わたしにだけ、こっそり教えて下さい」
その近さは…私の鼓動を跳ね上げるのには十分で。
「な…何も……ないですっ」
「本当に?」
「本当に…!」
「………………」
身を竦めるように小さくなりながらも言い切る私を…柊さんは少しのあいだ見つめ、それから、ふっと力を抜いたように笑みをこぼした。

「貴女は嘘をつくのが下手ですね」
「え……」
「そんなに頬を染め、熱を帯びた瞳でわたしを見ているのに……何もないはずないでしょう??それとも―――誘っているのですか?」
「ぁ…っ…!」
その囁きは……ほぼ口移しに伝えられた。

強引に唇を塞がれて、舌を絡め取られて……呼吸さえ許さないような力強さに抵抗なんて出来るはず無く…。
店の中だというのに―――私は柊さんに求められるままその深いキスに溺れる……。
「……っ…」
「貴女が……わたしを誘惑したんですよ…?」
泣きそうな顔をした私を責めるようなその口ぶりに…何も言えなくなる。

だって、だって…。
とてもじゃないけど、口にはできない。
今日一日、なぜかずっと柊さんが側にいたような気がしていた…なんて。
それで余計に貴方を意識してしまったなんて。
……一日中…まるで貴方に抱きしめられていたようだったなんて……。
そんなの、まるで―――。

「―――やれやれ……強情な姫ですね…?」
私の顎をついと持ち上げて、柊さんはいたずらをした子供のよな表情で言った。
「わたしの事を想い過ぎて…熱に浮かされたようになったのでしょう?」
「!!な…んで…」
「くす…姫は初心だから……いたずらのし甲斐がありますねぇ…?」
「え!?」
その意味深なセリフに気を取られた瞬間に、柊さんは私の体を抱きすくめてしまう。
彼のスーツの胸もとに、顔が押し付けられるようにきつく抱きしめられて―――私は漸く気がついた。

「!!柊さん!!」
「どうしました…?」
思いっきりもがいてその腕から脱出すると、私は涼しい顔をしてこちらを見る柊さんを睨みつけた。
「ど…どうして…!私…私、今日一日…ずっと……柊さんのこの香りを感じてて…!」
「おや…漸く気付いたんですか?」
「ようやくって!」
真っ赤になった私はさぞや面白みのある玩具なんだろうと、分かっていても気持ちが収まらない。
今日は一日、柊さんのことばかり考えて…ううん、柊さんを感じてばかりで、ドキドキし通しで仕事にならなかったんだから!!

「ふふ……昨夜店でジャケットを脱いでいたでしょう?その時にわたしの使っている香水を少し含ませたろ紙を忍ばせてみただけなんですが……今日はずいぶんと、わたしを感じたようですね?」
「!!!っ」
「…貴女が立ち居振る舞う時、ふわりと香りが立って鼻をくすぐったでしょう?……そのたびに、わたしを思い起こしましたか?…わたしに抱きしめられていると、錯覚した??」
「ぅぅ……」
言い当てられて返す言葉もない…。

だって柊さんの思惑通りに私はその香りに翻弄されて、柊さんを意識し続けていたのだから。
憎らしいと思うのに。
踊らされて悔しいのに…。
それでも自覚してしまうこの気持ちの方が大きくて。
責める言葉より…なお切ないこの想いが溢れそうになって―――困る。

「いずみ…」
柊さんはそんな私の心情を見透かしたかのようにいつになく優しい声音で私の名を呼び、そっと手首を捉えて引き寄せると、再び自分の胸の中へ私を抱きいれた。
それから―――
「いつも側にいられない分、香りだけででも貴女を包み込んであげたいと、思ったんですよ…。貴女にもっと―――わたしを感じて欲しかった……。だからもう、そんな顔はしないで…」
―――と、言い訳のような甘い囁きで迷子のような私の気持ちを包み込んでしまった……。
 
THE FIN
 

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自己紹介:
乙女ゲームもブログもまったくの初心者が管理人をしております。
お見苦しいところが多々あると思いますが、よろしくお付き合い下さいませ。

こちらで取り扱いますゲームの内容やそれに関連する創作SSに関しましては、製造元などとは一切関係がございません。あくまでも個人的に書き連ねているものですので、ご理解・ご了承のうえお楽しみ下さいませ。

なお、内容に関しましては無断転記等一切ご遠慮下さいますようお願いいたします。
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