希望の翼 （真弘×珠紀）

埋蔵ＳＳから、緋色の欠片を引っ張り出してみました～(^^ゞ
ちょっと手直ししてのＵＰです。

これ、ゲーム中で一番好きなスチルに自己満足捏造補完をしたＳＳですね（*^_^*）
真弘先輩は、どうしようもなくなった時……すごく優しいから、メチャクチャ切なくなります。
あぁ…やっぱり好きです＞真弘先輩ｖｖ

それから、あの黒いモノ……すごく好きです。
凄く真弘先輩に似合ってます！
ついでに言うと、あのもふもふしたものも、ゆーいち先輩に似合ってますけどね！！
コレ……守護者バージョンの姿をチェンジしてたらどんな感じになってたんだろう？？

真弘先輩がもふもふして、ゆーいち先輩にとんがったモノが拓磨に黒いモノがくっついてたら……または真弘先輩にとんがったモノがくっついて、ゆーいち先輩に黒いモノが拓磨にはもふもふが…って思ったらちょっと楽しいかも♪
でもやっぱり―――真弘先輩には黒いモノですよね＾＾。

それでは…そちらからお楽しみいただけましたら幸いですm(__)m

ルート途中のＳＳですので、ネタバレ含みます！
未ＰＬＡＹの方はご注意くださいませ！！
 

二人の守護者に追われて……守護者として覚醒した力を手にした真弘先輩は、私とともに生きる方法を探すことを決心してくれた。
それは本当にうれしい事で…。
ようやくスタートラインに戻れたということだから。
でも、それでも私はなぜか不安で。
暗い森の中で…野宿する場所を探す時も、私は先輩の制服をつかんで離さなかった。


「―――おい、放せって…」
「……ヤです」
「どこにも行かないから……とにかく放せ…」
「いや…！」
「珠紀…！」
力のこもった声で呼ばれ、私は身を竦ませる。
それでも真弘先輩の制服を掴んだ手を開くつもりはなかった…。

――だって。
もしもこの手を放したら……先輩は私を置いて行ってしまうかも知れない。
たった一人で、あの……ひどく残酷な場所へ。
その生命を捧げる為に―――。

生きる方法を共に探すと言ってはくれたけど、ついさっきまでその非情な運命を受け入れようとしていた人だから……。
いつまたそちら側へ戻ってしまうか分からない。
そう思うと不安で、不安で―――。

今目の前にいるこの人を見失ったらもう二度と会うことが叶わない…そんな気がして、怖かった…。

そんな私を真弘先輩は困ったように見つめる。
「………珠紀…」
それから…もう一度私の名を呼んだ。
その声におずおずと私は視線を上げて。
目の前にある真弘先輩の表情はとても柔らかくて…優しく私を見つめてくれていた。

「……せんぱい…」
知らず涙がこみ上げてきて………それはあっという間に零れ落ちた。
「………………大丈夫だ……」
真弘先輩の温かい両手が…私の頬をそっと包んでくれた。
その温かさに私の涙は堰を切ったように次から次へとあふれ出て止まらなくなってしまった。

「……ん…ぱい……っ…！」
「―――俺はお前の守護者だ……。お前を守り…共に生きる道を探す…さっきそう言ったろ？」
「……で…も…っ」
私がうなずかないから先輩は少し笑って…それから私の額を軽く小突いた。
「惚れた男の言葉くらい……信じろ…」
「！！」
いたずらっぽく笑ってそう言うと、私の頭を抱き寄せる。

「……守護者の力を解放した俺様は世界最強、絶対王者だぜ？安心してお前は……俺様の後ろに居りゃいーんだよっ！」
「…先輩…ホントに…？―――ホントのホントに？……生きる道一緒に探してくれる…？生きる事をあきらめないでいてくれる…？私と一緒に…最後まで足掻いてくれる…？」
「あぁ」
「…そー言って……私を残して行ってしまったりしない？？」
「どこまで信用ねーんだよ、俺は…」
呆れたような口調だったけど、表情はとても穏やかだった。
「……だって…」
黙ってしまった私に仕方ねぇな…と呟いて、先輩は姿勢を正して私へと向き直った。

「俺はお前の守護者だ、珠紀…。お前が望むままお前と共に在りお前を守る…。それを今…お前自身に誓おう。俺の――玉依姫―――」

そう言って先輩は、私の額に優しい口接けをくれた。
私はただ泣いて…頷くことしかできなかった。
先輩はそれから私を優しく抱きしめて、その背にある大きな宵闇の翼で包みこんでくれた…。
あったかくて……その大きな翼に包まれて安心した私は、やがて穏やかな眠りの中に落ちていく……。

そうだ…辛い気持は今ここに残していこう。
あすへの希望を持ち続ける為に。
そして、今は眠ろう…。
この希望の翼に包まれて―――。


　－終ー