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いらっしゃいませ! このブログでは、カヌチ二次創作(緋色の欠片、ウィル・オ・ウィスプ、ラスエス3他)、乙女ゲームの感想など、管理人ベルルの暴走気味の妄想をつらつらと書き綴っております。現在「三国恋戦記」絶賛応援中です!!     -since 2009.7.25-
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お久しぶりに、シンさんのSSをUPです(^^♪

この人…書くたびに惚れ直すんですよね…。

大人の余裕が…イイですね!
罠を張って待ってるわけじゃないですけど、ちょっとずつアキの気持ちを手繰り寄せていくような…。
そんな雰囲気が出せていたらいいんですが。


今更言うのもなんですが、基本的に書いているSSの時間設定はED後のつもりです。
(ホント、↑ 今更デス。m(__)m)

なので、がっつりネタバレに嵌っているものもございますのでご注意ください。
今回はネタバレ含みます。

それではお楽しみいただけたら幸いです。


空はピーカンに晴れていて。
例え用事で出かけていても、心が浮き立つような明るさだったから。
何かイイコトがあるはずだったのに。


「もうそろそろ、いいかな?」
シンは採取かごを覗き込む。
「ですね。こんなにいっぱい採れました。シンさんのおかげです。ありがとうございますv」
「大したことしてないよ?ほとんどアキちゃんが見つけて、俺は掘り出すのを手伝っただけでしょ」
手伝うっていうのも大げさかなぁ?とシンは小さく語散る。
「見つけるより、掘り出すほうが大変ですから。ホント、助かります。……シンさんが手伝ってくれるようになってからは、すごく採取も楽しくて…」
はかどるんですよね…と無邪気な笑みをこぼすアキに、シンは、
「そりゃあ、愛しい恋人の為ならなんだってしてあげたくなっちゃうもんですよ、男ならね?」
「こ、恋人…!?」
聞き捨てならない言葉に、思わず復唱して返す。
「アレ?違ったっけ…?」
「えっ……と…?」

採取かごを挟んで向かい合っている二人…。
一方は意外そうに、一方はキョトンとして…お互いを見つめあう。
「え、だってさ?アキちゃんは俺のカヌチでしょ?そりゃ契約自体はまだだけど、そういう約束だよね?」
「え、えぇ…」
「イミナを交換…なんて、身も心も許した相手じゃなきゃできないことだよね?」
「み、身も心も…!?」
「俺はそう思ってるよ…?俺の全てを、アキちゃんに捧げる…て」
いつもはおちゃらけているシンの、いつになく真剣な表情と真面目な言葉にアキは惹きこまれてしまう…。

しかし。

「だからさ、アキちゃんはもっと俺を頼って甘えていいんだよ?頑張り屋さんなのは知ってるけど、男としてはもっと頼られたいんだよね。俺は、アキちゃんだけのものなんだからさ…」
「はぁ…そーいうものですか…?」
「あぁー…!その顔は信じてないな?俺がこんなに真剣に愛の告白をしてるってのに!!」
「ご、ごめんなさい。今までが今までなので……」

どうやらアキの恋愛許容量を超えてしまったらしい。

驚くこともうろたえることもなく、言葉だけをただ受け入れていてその意味には頭が回っていないようだ。
そこでシンは強硬手段に打って出た。
「じゃあ、俺がどんなに君を想っているか、教えてあげるよ?」
「え!?」
採取かごが倒れて、中身が地面に散らばる。

ぐい、と抱き寄せられたかと思ったら、視界がぐるりと回って青空が眼に飛び込んできた。
シンの片腕がアキの頭を庇っているおかげで衝撃はほとんどなかったが、背中にはふわふわの青草と大地の感触がする。
地面へと押し倒しアキに覆いかぶさりながら、
「このまま君を、俺の物にしても……イイ…?」
至近距離で、甘い囁きを吹き込む……。
アキの耳朶を甘噛みして、あごのラインをそっと指先でなぞり彼女の柔かい唇に触れる。
その激しく甘い刺激にアキの脳内回路が一気に理性へと繋がった。

「…な、な、な……!何するんですかーーーっ!!!」

バチコーン!!!

「っ痛…!!」
タカマハラ一の剣士といえど女性の平手には勝てないものらしい。
思いがけないアキの反応に、モロに平手を受けてしまったシンは軽く頭を振って身を起こし、そしてアキを見る。
真っ赤になって……大きく眼を見開いていたけれど。
泣いてはいなかった。
「こ、こ、こ、こんな所で…!な、何を考えてるんですかっ!?」
「何って……アキちゃんの事だけ…かな?」
悪びれず答えてから、シンはニヤリとして指摘した。
「でも『こんな所』じゃなかったら……」
「!!」
「…その先も、許してくれたんだ?」
「そ、そんなこと無いです!!」
慌ててアキは散らばった素材を集めて採取かごに放り込む。
「…ふ~~ん…?そっか…分かった。じゃあ次は、ちゃんと場所も考えるよ♪…うん、屋外は拙かったね……」
「だから、そういう事じゃなくて…!」
「参考までに聞かせて??…アキちゃんの部屋と俺の部屋だったらどっちがいいの?……それとも…」
「もぅ…!知りません!!」
素材を全部回収して、アキはかごを持つと立ち上がりシンを残してそこから逃げ出すように歩きだした。

必死で取り繕う様子のアキを見つめ、シンは笑いを噛み殺して思い巡らす。
……拒まれはしたけれど。
ポイントは行為ではなく状況だったらしい。
だったら。
このまま押しても…いいんだね?
君が望む状況を準備できれば……全部を許してくれるのかな?
じゃあその日を楽しみにしてるよ……。

アキの手形が残る頬を撫で、シンはアキの後を追う……。
ピーカンの青空の下では。
いつもより早足の追いかけっこが繰り広げられた。


♪BGM with 【嵐:ROCK YOU
……簡単なことだよ 愛情注ぐ 理由はいらない だからそう届けたい…

THE FIN

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自己紹介:
乙女ゲームもブログもまったくの初心者が管理人をしております。
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