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いらっしゃいませ! このブログでは、カヌチ二次創作(緋色の欠片、ウィル・オ・ウィスプ、ラスエス3他)、乙女ゲームの感想など、管理人ベルルの暴走気味の妄想をつらつらと書き綴っております。現在「三国恋戦記」絶賛応援中です!!     -since 2009.7.25-
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とうとう出来てしまいました……アクト、登場です(笑)。

多分カヌチでは一番人気に押されるであろう彼について、正直に言うと私の中では微妙な位置づけで。

いえ、めちゃくちゃ好きですよ>アクト…。
ビジュアルOK!
声OK!
背景OK!
ストーリーOK!
…なんですけども(*^_^*)。

アイスクリームにホイップとジャムとシロップをかけて食べるような(苦笑)。
そんな激甘なお話が好きなので…。
アクトルート自体は大好きなんです!
でもアクトのキツイ言葉には、甘ちゃんな私の心は結構傷つきました…(T_T)。

いえ、アクト評は別の場で書くことにして。
とりあえず、短気で恋愛下手な彼のSSをお楽しみいただけたら幸いです(^^)


「あ、あれ?…アクト?」
いつもは中々来ることができない採取地だったから、つい素材集めに没頭してしまっていたアキは、側にアクトがいないことに気づいた。
いつも当たり前のように側にいるから、いないことが逆に不思議で…なんだか落ち着かない。
「アクト……アクト?」
立ち上がって辺りを見廻す。と、低木の重なり合った間から、見なれた頭の端が少しだけのぞいているのに気付いた。
アキはそこへ近寄りそっと覗きこんだ。

「…………」
そこには猫のように背を丸めて横になって眠るアクトの姿…。
「…アクトって…猫みたい…」
気まぐれな感じが、特に……。
今日だって暇だから採取を手伝ってやる…と言ってきたのはアクトの方なのだ。
なのにもう採取に飽きて、昼寝を決め込んでいる。
「……無邪気ねぇ……」
穏やかなその寝顔にかかる柔らかな彼の前髪に触れてみたくなって、アキはそーっと手を伸ばした。

その瞬間――。

「……なんだ、アキか…。おどかすなよ……」
「お…おどかしたのは…そっちじゃない!?」

何が起こったのかは分からない。

けれど。

なぜか両手を押え込まれアクトに組み敷かれている自分がいる。

「…しょーがないだろ……そーいう訓練をうけてきたんだから…」
「わ、分かったから…もう放してよ……」
悪びれた様子もないアクトの態度に腹は立つが、自由の利かないこの状態ではそれもうまく伝えられない。
アクトの手から抜け出そうともがくアキを眺め、アクトはニヤリと嗤った。
「なんでそんなに慌ててるんだよ?別にいいじゃないか、このままでも……」
「よ、よくないよ…!…採取の続きができないでしょ!」
「あ……ソレ…。ソレの所為で、俺をほっぽって夢中で土掘りしてたんだよな?」
「何言ってるの…ここへはその為に来たんでしょ…!」
「俺は………違うぜ?」
「…!」

全身に……アクトの温もりと重みを感じる。
そして目と鼻の先には…アクトの紫暗の瞳が迫っていた…。

「ア…アクト…?」
「…………」
それから…啄ばむような優しいキスが降ってきて。
何度も何度も繰り返されるその行為に、心が…溶けていく……。
今まで感じたことがないほどのアクトの優しい気持ちが……触れ合った唇を通して流れ込んでくるようで……。
知らないあいだに、熱いものが込み上げてきていた。

「……なん…だ…?……泣いてるのか…?」
アキの頬を濡らすものに気づいてアクトは驚いて聞いた。
今日はそんなに乱暴にはしていないはず…。
泣かれる理由が分からない。
「何だよ……何が悪かったんだよ、なぁ…アキ?」
アキの手を解放して、頬を濡らす涙を拭ってやる。
「何も……。アクトは何も、悪くないよ…」
「じゃあ何で泣くんだよ…」
こんな風に泣かれるのは初めてではない。
いつもはアクトが強引すぎたり、力加減ができなかったりで理由がはっきりしている。

だが、今日は違う。

優しくキスをしたつもりなのに、泣かれるなんて…居心地が悪い。
「…その……、イヤ、だったのか……?」
半ば目を伏せ殊勝な表情で…躊躇いがちにアクトは聞いた。
アキの涙の原因は自分にあって、それも一方的に自分が悪いと思い込んでいるようだ。
そうではない…。
そうではないのに…うまく言葉が出てこない…。

そうしているうちにアクトの短気は別の方向へ走りだしたようで、
「…分かったよ……どうせクラトがいい、とか言うんだろっ」
「え!?…ち、違っ…!」
最後に思い浮かんだ最悪の理由を口にしてアクトはアキから身を離し、その場を離れようと身を翻した。
「…今からあいつを呼んできてやるよ!で、好きなだけ優しく慰めてもらえばいいだろ!!」
「待って!アクト!!待ってよ…もぅ、アクトの馬鹿ーっ!!」
「な……!」

「何よ、意気地なし!…すぐにクラトさんを引っ張り出してきて、それで都合の悪いことから目を逸らして!!」
「な…に……」
「…なんで…分からないの……。…大好きな人に優しく抱きしめられたら…優しいキスをされたら……涙が出るくらい嬉しいのよ……?」

「…………は…?」

「……アクトが好きだから…涙が出るの……」

「な……んだ…そりゃ……?」

理解不能…という表情でアクトはアキを見つめた。
それから手を伸ばしてアキを抱きしめる。
「………じゃあ……あれがイヤだった訳じゃ、なかったのか…?」
腕の中で、アキは小さくうなずいた。
「イヤじゃなかったよ…むしろ……嬉しかった…。…すごく幸せだった…」
「…んだよ、チ……あせらすなよ……」
はぁーっと大仰に安堵のため息をつく。
「アクト…、さっき…酷い事言ってゴメンね?…アレ、本気じゃないからね」
クラトを引き合いに出して責めるなんて、最低だ…。
そのことを謝ると、
「黙れ…」
言い訳を許さずアクトはアキの唇を塞いだ。

「それでも…俺を、好きなんだろ?それならいい…」


♪BGM with 【GLAY:ずっと2人で
……あの日あなたに出逢わなければ 愛しさも知らないままに…

THE FIN

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