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いらっしゃいませ! このブログでは、カヌチ二次創作(緋色の欠片、ウィル・オ・ウィスプ、ラスエス3他)、乙女ゲームの感想など、管理人ベルルの暴走気味の妄想をつらつらと書き綴っております。現在「三国恋戦記」絶賛応援中です!!     -since 2009.7.25-
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三国恋戦記SS > 公瑾花 仲謀視点捏造ED です!

やや…なんで仲謀視点なのか…?と言うとですね。 (別に矢印じゃないからいいですよね??)
ノーマルEDの所為なんですよ!!
( ↓ ネタバレですので、反転してますm(__)m)
最後の三国(三勢力)鼎立後、仲謀が公瑾の霊前に(あれって墓前なのかな!?)報告した時、
「悪いな、公瑾。…お前と兄貴の遺志を果たすことはできなかった」
「情けねぇって…怒られっかな」(ノーマルじゃ、史実通り公瑾死んじゃうんだもん…:泣)

っていうワンシーンが描かれてました。
もうコレみた瞬間に、ドキューンってハートを打ち抜かれてました!(爆)
こういうのに弱いんですよね……。
で、これは是非!仲謀視点で公瑾を見たら…的な話が書きたくなったと^^。
いえ、趣味100%に走って申し訳ありませんでした~(^^ゞ

それでは、お楽しみいただけましたら幸いですm(__)m



京城の広間で催されている宴…。
ざわついたその一角で仲謀は、公瑾が掌中におさめた少女 花と話していて……。
そこだけは何故か宴の華やいだ空気とは別の何かが漂っていた―――。

「何となく………分かります」
自分の思いに沈んでいた仲謀を現実へ引き戻す、花の声…。
その声は…とても強く仲謀の心に響いた。
「公瑾さんは……伯符さんに、見せたいと願っていたんじゃないでしょうか。 伯符さんが思い描いた世界を自分の手で導こうとして……そのためになら少しくらい無理してもって思っていたんだと。 そうやって……伯符さんに償いたいって、思っていた…」
「―――おまえ…」
「それから、仲謀さんにも償いたいって……思っていたんじゃないでしょうか…」
伯符さんの死に―――責任を感じていたから……。
言外にそう言う花に驚いて仲謀は彼女を見つめる。 仲謀のその視線に気づいて、花はまた情けない顔をした。
知ったふうな口をきくなと、怒られるとでも思っているのだろうか…?

「……なんで、過去形なんだよ?」
「え??」
「お前、今言っただろ…『思っていた』って…。思ってる、じゃないってことは、アイツが、考え方を改めたって……お前はそう思ってるってことだろ?」
「…あの…それは、その…」
「なんだよ、はっきり言えよ」
指と指をつき合わせて繰りながら口籠る花のその様子に、仲謀はちょっとばかしイラついて、語気強く言っていた。
「///その……私の…手を、取ってくれたので……」
「!!」
「公瑾さんの進もうとした道に……私は必要なかったはずなんです…。 何も、要らなくて…一直線のその道にはただ、伯符さんと仲謀さんしか存在してなかったんです…。……そう…思うんです…。だけど、その道を進む公瑾さんは―――本当の公瑾さんじゃ、ないから………だから、私…」

どうして―――と。
足りないものがいっぱいで。
傍においても、何の足しにもならないと思っていたのに。
奪ってくるほどの価値なんて…微塵もないと思っていたのに。
これほどに的確に―――心に触れてくる。
違う………心を寄せてくる、のか…。
足りないと自覚しているからこそ、より近づこうとして。
そう、……何も顧みず素の心をさらけ出しているんだ…。

「…あの、私が…邪魔、でしょうか…。公瑾さんの道を、私が妨げていると思っていますか…?」
不安げな光を宿し、そう口にする花の瞳を見つめて仲謀は、
「違げーよ、バカ……」
再び酒杯をあおると肩の力が抜けた様にそう言って笑った。
「でも…」
ならばなぜ、自分にこうして話しかけてくれたのか…?
花にはやはり分からない事ばかりで、その表情から不安の2文字が消えることが無い。
「だから――――あいつの鎖を解いてくれたことを………まぁ、ご苦労!とねぎらっておきたかっただけだ…!」
そして願わくば―――もう2度とあんな歪んだ笑みを見せる事のないように、しっかりと捉まえていろと云いたくて。

「――――仲謀さん」
「………俺達には可能性がある。……公瑾がその道にこだわらないというのは、その可能性の幅をもっともっと広げる。…少なくとも心が自由であれば、俺たちは何だって出来る。そのためにあいつの存在は不可欠で…って!~~~~っ何言ってんだ、俺は!!くそっ、酔ってるな…!」
余計なことをしゃべりすぎた事に気付き、仲謀は慌てて視線をそらした。
酔いの為か気恥ずかしさからか…真っ赤になった仲謀に、花はようやくはにかんだ笑みをこぼした。
「ありがとうございます……」
「……おう…」
そして、笑顔が戻った花とは逆に仲謀の方が少し顔を歪ませて笑った。

「―――おまえ……公瑾と同じような顔して、笑うんだな…」

「! えぇぇ!?そ、そんなこと、ないですよ! 私、あんなに分かりにくくありませんし!」
「ぷっ…なんだそりゃ? ま、確かに、お前は分かり易すぎるとは思うな!」
慌てて否定するその様に仲謀は思いっきり噴き出したけれど、
「…でも、おんなじだぜ…? 」
「ぅぅ…………納得、できません…」
もう一度、同じことを言う仲謀へ、花は頬を膨らませて。
「納得できなくても、そうなんだって!…おい、公瑾!」
花を軽く制し、仲謀は小喬につかまっていた公瑾を呼び寄せる。
「お呼びですか…仲謀さま?」
「一曲弾けよ――――今の気持ち、そのまんまでな!」
花を指差しニヤリと笑んだ仲謀に、公瑾は一瞬思案顔をしてみせる。
そして不思議そうな顔でこちらに視線をくれる花へと目を向け、静かに微笑った。
「――――分かりました……では一曲…」
「おう!」
機嫌よさそうに仲謀はそう応えると、2人をそこへ残し自分の席へと足を向けた。



「あの……公瑾さん…」
琵琶の弦を確かめている公瑾の邪魔にならないように、控えめに花は声をかける。
「どうしました? …さきほど仲謀さまと話をされていましたね…」
「えぇ、と、……仲謀さんが……私と公瑾さん…同じような顔をして笑う…って言うんです……」
「――――」
「可笑しいですよね!?だって」
「可笑しくありませんよ…」
「…え??…でも、私……公瑾さんよりずっと、分かりやすいはずですよ…?」
花の言い分に頬を緩め、公瑾は花を見つめる。
「……公瑾さん…?」
「…同じように、ですか……」
「?」
「花殿」
「…はい…?」
「……この一曲は、貴女の為に弾きます…。聞いていただけますか?」
「/// は、い…」
まっすぐな公瑾の言葉に頬を染めつつ花がうなずくと、公瑾はふわりと笑んで撥を手にとり弦を弾き始めた。

広間に流れ出した美しい旋律は、ひと時その場の喧騒を静める。
高く低く…淀みなく編み出されるその音色は、静かに花の心をふるわせた。
(コレが…公瑾さんの本当の琵琶の音だ―――――ずっとずっと優しくて温かく響いてくる……公瑾さんの心に触れられる音なんだ…)
琵琶を操りながら公瑾が花へと視線を向ける。
それに気付いた花もまた、公瑾へ微笑みを返す…。
そんな2人の様子を視界の中にいれながら……仲謀は杯を手にうとうとと微睡みはじめた。

 -終-

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