カウンター > 7500HIT ありがとうございます!!ヽ(^o^)丿
そして、
三国恋戦記SS > 公瑾花 です!
半分まで書いていたら行き詰ってしまって…。
最初から書き直したら…そっちのパターンも捨てがたくなってしまい…(苦笑)
結果2本同時進行して、ようやっと着地点を見つけました~(>_<)
いや、自分の優柔不断さを今回ほど恨んだことはありませんって…(涙)
おかげで倍以上の時間がかかって、しばらくUP出来なくて…すみませんでした!m(__)m
っていうか、もう1回謝っとこう…。
今回もズラズラッと長くなってしまいました。
そして超微糖…(涙)。
本当に申し訳ないんですけど。
お楽しみ頂けましたら…幸いですm(__)m
「ねー、花ちゃんってさぁ」
大喬・小喬・尚香と一緒に刺繍の練習をしている時のこと。
「公瑾のドコが好きなの??」
「!!!っ…いったーっっ!」
小喬の問いに花は思いっきり針を指に突き刺してしまっていた。
「し…しょうきょう…さん?」
涙目になりながら痛む指を口に含んで、花は小喬を見た。
「私も知りたい!! ねぇ、公瑾とはドコまでいったの??」
「!!っ…だいきょうさん!?」
「/// ゴメンナサイ、花さん。 私も興味あります…その話題」
「尚香さんまで…っっ!?」
三方から攻められては逃げ道などあろうはずもなく…。
困り果て眉をハの字に下げたことろで、小喬が無邪気を装って突っ込んだ。
「んーーー、じゃあ、公瑾の顔がスキ??」
侍女たちを下がらせ、この場には自分を含めた4人しかいないとはいえ…自分だけがヤリ玉にあげられるこの状況は実際厳しすぎる。
「……ええぇ…と、その……」
「確かに公瑾は……顔がいいとは思いますけど…」
「侍女たちにいっつも追っかけられてるもんねーvv」
「だから…『ソレ』だけなんだよ!公瑾は!!…追っかけられてもビシーっと言えないなんて、ヘタレ決定なんだから!!」
尚香と大喬の言に小喬が厳しすぎる突っ込みを入れると、
「―――デモ…私にはかなりビシー!と言ってきますよ…公瑾さん」
思案顔で花は言う。
思い返せば怒られた回数は褒められた回数より断然多い。
「えーーーっ!?優しくないのぉ?公瑾!」
「それは意外です。 ああいう人ほど2人っきりになれば、歯の浮くセリフを言ってきそうですけど」
「もう、2人共!…そこは花ちゃんに本気ってことだから良いんだよ!」
「あ、そっか」
「そうですね…」
小喬の断言と大喬・尚香の納得がなんとなく可笑しくて…花は顔をほころばせていた。
「じゃあ……顔じゃないんだったら…んーー??」
「分かった!声だ!! 公瑾の声色は面白いもんね!!」
思案顔の小喬に対し、大喬は胸を張ってそう言った。
「…私はよく知らないんですけど…そうなんですか?花さん」
大小の言葉に尚香は首を傾げて聞いてくる。
どうやら声色で遊んでいたというのは大小と公瑾・伯符の4人のみで…他にその実態を知る者は少ないらしい。
「いえ…私もあまり知りません……。確かに、公瑾さんの歌を聞いた時は…素敵な声だと思いました…けど……」
(でも…あの時の歌声は…とても哀しくなるような声だった…。―――もしも今、歌ってくれたら、もっと優しくなれる声に聞こえるのかな…?)
「え~~~!!公瑾の歌ぁ!? …いいなぁ!私も聞きたい!!」
「小喬さんがお願いしたら、歌ってくれますよ、きっと…」
花がそう言うと、小喬は頬を膨らませて花を見上げた。
「分かってないなぁ、花ちゃん」
「え?」
「公瑾ってさぁ……手の内ゼンブは見せない性悪だよ?」
「そうそう、話半分――良さげな話はまず疑ってかからなきゃ!」
「小喬さん…大喬さん…」
大小の言葉にがっくり肩を落とす花を、尚香は苦笑して見る。
この二人の毒舌は、見た目の愛らしさとのギャップもあって、かなりの破壊力を持つ。
それに慣れるには結構時間がかかるのだ。
「大体、琵琶だって余り弾いてくれないんだよ?」
「そうそう! 気が向いた時、ソコにいれば聴かせてくれたくらいでさ」
「「ドけちなんだよねーーっ」」
「――――そういえば…私も、怒られました……立ち聞きするなんて趣味が悪い、て…」
あの歌声も琵琶の音も…公瑾の知らぬところで聞いていた自分を見咎めて怒られた……気がする。
(うわっ……私って…なんか、怒られてばっかりなんだ…)
その事実に気付いて…花は密かに落ちこんでしまった…。
「……では、決め手はなんですか? 地位や家柄は…関係ありませんよね??そういうの…よくわからないんですよね?」
「…えぇ…まぁ」
尚香が首をかしげて問いかける。
たしかに、言われてみれば決め手に欠ける…のかも知れない。
この場合、花からの決め手もそうだろうが、公瑾からの決め手にも欠けていると思うのだが…人の良い花には今この場でそれを口にする事は出来なかった。
「んーー頭が良いからですか? 花さんは軍師…ですものね? 公瑾の智慧に何か学ぶべきところがあって、そこに惹かれたとか…」
「えぇ?…頭いいケド、やっぱ馬鹿だよね?公瑾って」
「ねぇ? きっちりしているように見えてかなりツメが甘いしさぁ?」
尚香の言葉に大小は口をそろえて反論する。
「ぁ……確か……前に、矢が足りなくて困ってる時がありました…戦場で。 その場は何とか現地調達…みたいな感じで手に入れることが出来たんですけど」
「なにそれ!…その尻ぬぐいを花ちゃんに頼んだの!?」
「甘やかしすぎだよ~花ちゃん!」
「私もそう思います…」
「え、いえ…あの……みなさん落ち着いて…」
(そうだ、あの時は―――私を試しているようなもので、本題は結局その後の一戦の策…だった)
「えーー? やっぱり、わっかんない!!」
「聞いてると、花ちゃんが公瑾に惚れる点が無いんだけど!!」
「そうですね…花さん、もしかして押しに弱いですか?…公瑾がそんなに押してるようには見えなかったですけど……。あの、何か困っていることがあれば力になりますよ??」
「え、え!?…あの…3人とも……そんな、惚れるとかそーいうの…大きな声で言われると、困るんですけど…」
もじもじと手をもみながら、花は頬を染め俯く。
それは見た目には恋する少女の象徴のような姿で…大小と尚香は、そんな花の様子に顔を見合わせ、ため息をついた。
「じゃあさ、公瑾のドコが好きなの??」
すいと三人に詰め寄られて……。
「………」
その沈黙の重さに観念して花が口を開こうとしたその時。
「…みなさん、こちらにおいででしたか…」
「「「!…公瑾…!」」」
扉の所に公瑾が立っていて。
一瞬凍りついた場の空気を感じたのか微妙な表情で公瑾は大小と尚香に、
「大喬殿、小喬殿…学問の先生がおいでになりましたよ…。尚香様は仲謀様がお呼びです」
「「!うん、分かった!」」
「あ、ありがとう、公瑾。すぐ兄上の所に行きますね!」
「え、…みなさん…」
「「じゃあ、また後でね!花ちゃん!!」」
「失礼しますね、花さん」
手早く片付けて、3人はその場から立ち去ってしまった。
「?……わたしは何かおかしなことを言いましたか??」
首をかしげながら公瑾は聞いてくる。
どうやら先ほどの話を聞かれていたわけではないらしい。
その事に胸をなでおろしながら、花は公瑾を見た。
(…確かに……すごく綺麗な顔をしていて、間近で見た時はモデルさんみたいだって思ったケド…)
「―――刺繍ですか……最初の頃より何を象っているか分かるようになりましたね…」
花の手元を覗き込みながら公瑾はそう評した。
「むー…ひどいです…アレは初めての刺繍だったんですよ?」
「そうでしたね…失礼しました…」
クスクスと笑いながら、記憶の中の花が一番最初にした刺繍と今の成果を照らし合わせながら公瑾は謝った。
(今、こうしてこんな風に笑ってくれる顔も凄く素敵だし…こうして話している時の柔らかな声も大好きだけど…)
「そう言えば…子敬殿から兵法について学ばれているとか…」
「え…はい。といってもまだ、こちらの土地の歴史についてだとか、民の生活とか……本当に初歩の初歩…なんですけど」
「それならわたしがお教えすると言ったはずですが…」
少しばかり…公瑾の声の調子が下がる。 それに気づいて花が顔を上げると公瑾の視線と搗ち合った。
「まあ…子敬殿は最初から玄徳殿を推していましたからね…。貴女とは意見が合うところもあるのでしょうけど…」
(あ…れ?…拗ねてるのかな…?……こういう分かりにくい所も…分かるようになってきた今となってはすごく可愛いし、好きだけど…)
「あの…何かを知ろうとする時は色々な意見を聞いた方が良いって…前に師匠に言われた事があって。だから子敬さんだけでなく、ちゃんと公瑾さんにも教えて頂きたいんですよ?」
「…そうですか……まぁ、わたしが貴女にお教えするのは、それより優先すべき事の方が多いですからね…」
小さく息をついて公瑾は言う。
(そうだ…考え方は違っても、公瑾さんや子敬さんの言葉は聞いていてすごく考えさせられる…。それに…星や天候を読んだり…知識の量も凄いんだ。……ケド……)
「…?…どうしました?…さきほどから…わたしの顔に、何かついていますか?」
花の視線に気づき、公瑾は表情を改める。
その時、開け放たれた窓から風が吹き込んで。
「わ…!」
机の上のものを撒き散らして吹き抜けて行った。
「ぁぁ…いっぱい散らかってしまいましたね…」
床に散らばった紙や布や飛んでしまった道具類を見て花が言うと、ス…と公瑾の手が伸びてきて…。
「///…公瑾…さん…?」
風に乱れ頬にかかる花の髪をそっとすくいあげ耳元にかけた。
「いたずらな…風でしたね…?」
「は…い……」
少しの間…そうしてお互いに見つめあって……。
「…花殿…」
「/// …ハイ」
「…あまり、あの方達を信用し過ぎないように…」
「え!?」
甘い言葉が来るのかと思いきや……あまりに色気のない言葉が繰り出されたのでキョトンとして公瑾を見ると、彼はその表情をいつものものに切り替えていて。
そのまま部屋の入口の方へ視線をやり、
「いつまで覗き見をされるおつもりですか?姫様方?」
「!!!」
「なかなか…良いご趣味ですね?」
にっこりと笑顔でそう言うので戸口を見ると、扉の影から3人がそろっと顔を出していた。
「…大喬さん…小喬さん…尚香さん、まで…」
「「「ごめんなさいっ」」」
そして、今度こそ3人そろって走って行ってしまった。
「………」
「まったく……あの方達ときたら…」
「さっきから、分かっていたんですか?…あの……覗かれているって…」
「少し様子がおかしかったですしね…。まぁ別に……あの方達の盛大なご期待にお応えしても、良かったんですけどね…?」
「!!!/// っそ、そういうのは……困りますっ」
「そう言うと思いましたよ…」
ふわりと笑んだ公瑾を見つめながら、花は心のうちでそっと呟いた。
……確かに、顔も声も頭が回るところも全部スゴイし、素敵だと思うけど――。
私は、公瑾さんの………手が、好きなんだ…。
公瑾さんの手に、指に触れられると―――いつも心がざわざわと震えてしまう……。
この指には…気持ちも、熱も、何もかも全部、伝わってしまいそうで…すごくドキドキする。
ドキドキして…恐いと思うけど―――触れて欲しいって…思ってしまうんだ…。
どうしてか分からないけど……。
風に散らばった小物や紙などを片づけながら、花は公瑾の手に目をやった。
武人のものと思えないほどなめらかで繊細なその指先は、先ほど自分の頬に触れて髪をすくいあげてくれた。
何気ないそんな触れあいが…少しずつ公瑾への想いを大きくしていったのかも知れない…。
「花殿?どうしました?」
「いいえ、何でも」
笑顔で答えながら自問する。
もしもまた…あの3人に聞かれたら、ちゃんと答えられるだろうか…?
―――ううん、やっぱり、言えない……。
言えないケド…こうして触れてくれる公瑾さんが―――私は大好きなんだ…。
-終-
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現在お礼文3件UPしています!
(超小ネタSSSより OZMAFIA1・緋色1・
ブラコン1・2013.8.13.)
fxwill.com
お見苦しいところが多々あると思いますが、よろしくお付き合い下さいませ。
こちらで取り扱いますゲームの内容やそれに関連する創作SSに関しましては、製造元などとは一切関係がございません。あくまでも個人的に書き連ねているものですので、ご理解・ご了承のうえお楽しみ下さいませ。
なお、内容に関しましては無断転記等一切ご遠慮下さいますようお願いいたします。