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いらっしゃいませ! このブログでは、カヌチ二次創作(緋色の欠片、ウィル・オ・ウィスプ、ラスエス3他)、乙女ゲームの感想など、管理人ベルルの暴走気味の妄想をつらつらと書き綴っております。現在「三国恋戦記」絶賛応援中です!!     -since 2009.7.25-
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三国恋戦記SS > 公瑾花(←孔明)捏造ED です~m(__)m

前回からあいてしまって申し訳ないです。
暑さにバテて集中出来ませんでした(-_-メ)。

いやいやいやいや今回も師匠が…(苦笑)。
孔明スキーな方はちょっとイメージ壊してしまうかもですので、ご注意くださいませm(__)m
私も書きながらちょっとこれは、「師匠…青いな…」って思いながら書きました。
デモ。
たまには年相応でもいいんじゃないの?ってちょっと開き直りもあります。
(少なくとも2人の年齢は 孔明<公瑾 なのでね)
しかしヤバイぞ…未だ着地点が見えてない…(汗)。

とりあえず。
青い師匠でお楽しみ頂けましたら幸いですm(__)m



「…元より…冗談で済む話ではないでしょう?」
さらりと言い置いた彼の不穏な言葉に、真っ先に反応したのは彼女だった。
不安げに彼を見上げるその表情は、隆中の山中で会った時のようだ…。
いや、それよりも前…初めて彼女に会った時もあんなふうに不安そうな顔をしていたっけ。
いつだって君がボクにみせるのは、そういったこちらの気持ちを掻き立てるものばかりで。
これで君を気にかけるなという方が、無理というものでしょ?
あの時からボクはずっと君の事が気になっていたのにさ…。
どうして―――騙り(かたり)の仙人なんかの方にいっちゃうの?
あの時彼は、君の不安そうな顔なんかぜんぜん気にした風はなかったのに…。
だから傍で見ていて不安になったんだ。
本当にこの2人は、師弟関係にあるのかなって…。
それに、今だって…………。
…アレ?
…今……この男、微笑った…??
この子が不安になったその気持ちを汲んであげた…!?
 
「…『可愛い』弟子を手放すのです―――それは冷静ではいられませんよね?」
そうして涼やかに紡がれる言葉には…。
なんだろう。
すごく、引っかかる物言いだよね?
だけど―――さっきのは見間違いじゃなかった?
この男があの子に向けたまなざしは…。
今までならきっと、彼女のあんな顔を見たくらいで表情を変えたり、安心させるように笑いかけたりはしなかったはずだ。
「…この子は、玄徳殿とわが軍との間のしなやかに強い縁となることでしょう…」
真意を探りたくて、目の前の秀麗な顔をみつめているところに浴びせられた確信めいた言葉が―――痛い。
つまりそれは、本気…ということ?
本気であなたは、この子に心を許した、と……そういう事なの…?
「それこそが、あなたの狙いだったのでしょう?伏龍先生?」
ボクの視線を受けてまっすぐに見つめ返し、彼は試すような口ぶりでそう言った…。

「―――それは、この子が貴殿を骨抜きにした、ということで?」
「如何様にも…お好きなように…」
こういう返し方がホント可愛げがないっていうか…。
嗾けているんだからさ、ちょっとは狼狽えて見せたらどうなの?
手の内全部は見せない感じが、やっぱり信用ならないっていうかさぁ?
「じゃあ、狙い通り―――籠絡、できたのかな?」
ねえ、花?
こんな男だよ?
一筋縄じゃいかないよ?
君にはちょっと、荷が重いんじゃない?
それでも君はこの男がいいの?
「―――彼女は、ちゃんと真心を尽くしてくれましたよ…」
一瞬の隙をついて投げかけられたその一言は―――何よりも全てを物語っていて。
頬を染め彼を見上げる彼女の表情も、それを見返す彼の顔も…。
ボクには到底届かないもののように見えた。
「花…ちょっとこっちへおいで…」
だからボクは、せめて彼の目の届かないところで彼女と言葉をかわしたいと思ったんだ…。




「本当に、いいの?このまま、揚州に残って…」
改めて問うボクの声にうなずいて彼女はきっぱりと言い切る。
「はい。決めたんです―――公瑾さんの側にいるって」
「彼に対して君にできる何かがあるってこと?」
あ、しまった。
少し……意地悪だったかな?
ボクのその言葉に一瞬思案顔をして見せて、でも彼女は気丈に笑うんだ。
「…公瑾さんに側にいて欲しいって、言ってもらえて…私も公瑾さんの側にいたいって思ったから…。私に出来ることなんて本当は何もないって…私も思います。 でも…でも、側にいて欲しいって言ってくれたその言葉は本当だと思うから…。 あの人の為に出来ることは、これから探します」
「花……隆中の山中で、君に聞いたことを覚えてる?」
「え?」
「どこへ行くの?と聞いたよね? …君はどの道をゆくのか、と…」
「……はい…」
「あの時君に示したあの道は―――――周公瑾殿へと続いていたって訳だ…」
「師匠…」
―――その先にあったのは……ボクに続く道ではなかった。
君が選びとったその道は…。

「すみません、師匠…。せっかく師匠が私に居場所をくれたのに…」
「本当にね、…ようやく君も僕の片腕としてこき使ってもいい頃かと思っていたのにさ」
「…ごめんなさい…」
うなだれて、本当に申し訳なさそうに眉を下げて…そんな顔をされちゃ絆されてもう、何も言えなくなるだろう?
仕方ないな…本当に。

「まぁ…いいよ。―――又会えるし。…この世界にいてくれるなら、どんな事をしても会いに来れるから」
「え!?」

「ねえ、花…。君は、争う事のない世界が欲しいと言ったよね?誰も傷つかない、悲しまない世界…。―――これにそんな世界の1つの形を記したよ。 これはボクの望みでもある。 …天下国家の安泰は万民の為になるからね。―――もしも、君もそんな世界を望むなら、ボクに力を貸してほしい」
そう言ってボクは、この手にあった羽扇を彼女へと差し出した。
ボクの申し出に彼女は戸惑いながら、ボクの顔と羽扇とを交互に見る。
「え…でも……もう私に出来ることなんて…何も」
「な~にを言ってるんだい、あの周公瑾を手の内に入れておいてさ? ……曹孟徳とは別の意味で、ボクのゆく手を阻める者は彼をおいて他にいないんだよ」
「えぇ!?えぇ?」
「―――まさか君が、あの男を落とすとはね……我が弟子ながら、驚きだよ」
戸惑う彼女の手に、羽扇を握らせてボクはぎこちなく笑った。
ダメだ…こんな笑い方、師匠のじゃないだろ…。
「落とすって……師匠…」
「…狙ってできるものではないからね。 口にはしなかったけれど、そうなればいいなぁとは思っていたんだ」
…思ってはいたけど―――それが叶う事は願ってなかったよ?
「これで、今後はこちらも動きやすくなるし」
そう、せめて最後は師匠らしく…師匠らしく、だ。
精一杯の空意地を張って。
情けない顔なんて…見せちゃいけない。

「師匠、私…玄徳さんも、師匠も…玄徳軍の皆さんも大好きだし信じていますから。 だから、今の師匠の言葉は餞(はなむけ)だと思って頑張ります。…随分、意地っ張りな言葉だったですけどね? でも―――ここでも私には出来ることがあるんだって分かったから」
そうだよ―――それは、君にしかできない…。
「……まぁ、そう気負わなくてもいいんじゃないかな? 天意の前ではボクたちの弄する策なんて役に立たない訳だし―――別に大したことが出来るわけじゃないんだからさ?」
「師匠…」
そうだよ…天意なんかなくたって、思い通りにいかない事ばっかりなんだから。…現実なんてさ…。

ねぇ、花…
君に言えなかった言葉があるんだよ…?


  -続-

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