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いらっしゃいませ! このブログでは、カヌチ二次創作(緋色の欠片、ウィル・オ・ウィスプ、ラスエス3他)、乙女ゲームの感想など、管理人ベルルの暴走気味の妄想をつらつらと書き綴っております。現在「三国恋戦記」絶賛応援中です!!     -since 2009.7.25-
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三国恋戦記SS > 公瑾花(←孔明)捏造ED です^^。

いや、ちょっと師匠が路線変更してヒートアップしてます……。
おかしいな。
もうちょっと切なくなるはずだったのに。
どうしてか、一人で空回ってる感がスゴイする(笑)。
ちなみに。
書きながら自分でも突っ込んでるんですが、公瑾ルートでの亮がどうやって花に惚れたのかは(もしくわ淡い恋心を抱いたのかは)誰にもわからないヒミツです(苦笑)。
それくらい無理があるこのお話。
無事に着地できるか、今更ながら心配ですm(__)m

それでは、お楽しみ頂けましたら幸いです(^^ゞ



―――周公瑾という男…
知略のみならず武人としての評価も高く、またかなりの喰わせ者で腹の内を簡単には読ませないと聞く…。
けれどまぁ……問題はソコじゃない。
腹を読ませないのは謀略に当たる者にとっては当たり前のことだし…そうではなくて。
あのとき見た彼は―――根本が違う気がした。
そう、涼しい顔で自分を仙人と騙(かた)り、その同じ口でそれは嘘だと言い切った。
そのある種迷いのない態度には、人として何かが欠けているのではと感じたんだ。
だから。
彼女の意思を尊重するにしてもせめてそこだけは、はっきりさせておかなくてはと思った。

京城の城門の前で、ボクはボクの大切な人とだけ言葉を交わす。
出来る事なら彼には一瞥もくれず、一言も交わさず、その存在を無視したまま、主と彼女を連れて荊州へ帰りたいとさえ思っていたのだけど。
「―――我が軍の人間を主君が諭して何がいけないと言うんでしょうね?公瑾殿」
彼女はあなたのではなく、ボクの弟子だ。 そして玄徳軍の者だ。
その立場で使者としてそちらに送ったことを忘れている訳ではないよね??
「……聞けば、彼女は玄徳殿に仕官したわけではないとか? 客人であるならば、己が身の振り方を自身で定めたとして、誰に遠慮をする必要もないと思うのですが?」
その客人の自由を制限して、自軍に止め置いたのはダレだ…?
挙句に仲謀軍に迎えるだって?
どの口がそんなこと、言うのかな!?
大体、ここまできてまだそんな当り障りのない理由で彼女を手に入れようだなんて、虫がよすぎると思わない?
ねぇ、周公瑾―――?
正直に言ってみなよ。
彼女が欲しいなら。
彼女を側におきたいなら。
似合わない無理を押して彼女を止め置き、その間に彼女の心を盗みました、と。

「…みすみす彼女の才を埋もれさせるような愚は犯しません…もう少し信用して頂きたいものですね」
―――信用した結果がコレならこれ以上信用のしようもないよと、さらりと言ってしまおうか…? 大体…彼女にはボクらが言うような「才」など無いのは分かっているだろうに…一々白々しいんだよ、言い方が。
そういう所も、気に入らない…。
……でも、彼の側にいる彼女は不安に思うよねぇ……どうしようか?
「……確かに。烏林での戦いからこっち…随分とこき使われたようですね、この子は」
「それは……2、3知恵はお借りしましたが、彼女の方から献策してきたのです。 無理を押したつもりはありませんよ」
「本当に?―――では」
偶々良い具合に事が進んだだけじゃないの?
確か……夷陵への援軍にも同道したんだっけ?
そして結局、江陵を落とした時この男は…。

「…矢傷をこじらせたあなたを昼も夜もなく、この子が看病したというのは」
「そうですね………それは、事実ですよね?花殿?」
突然話を振られて慌てふためく彼女の様子に一瞬気持ちを削がれたけれど。
こういう形で人の感情を逸らそうとするやり方も気に入らない。
ていうかもう、何を言われても何を示されても……全てが気に入らない。
どうやらボクは彼女の事を抜きにしても、この男とは相性が悪いのかも知れない。
「…おかしいですね? わたしの星読みではあなたの星に最悪の凶相が出ていたのですよ…。やれやれ、どうやら読み違えたようです……残念ですが」
そこまで言ってしまって、たしなめる玄徳様の声が聞こえたけれど。
正直、もう止める手立てはないと思うんだ。
「……流石、伏龍先生は良く読みますね。 えぇ、その最悪の凶相とやらは確かにわたしの星に影を落としていました。けれど…わたしの傍には、この強運の星がついていましたからね」
いけしゃあしゃあとそう言って彼女の肩を抱き寄せるその様子にボクは確信した。
この男―――相性が悪いカモなんて控えめな表現じゃ全然足りない。
絶対、良くなりようが無いんだ…!



突然、公瑾に抱きよせられて花は驚いて彼を見上げる。
「あ、の…公瑾、さん!?」
確かに―――この人とはそういう関係になったのだと。
頭では分かっていても、こんな風に触れ合う事なんて今までもそうは無かったし、人前でこんな事をするなんて…。
この人にはそんなのありえないと(何故か)思いこんでいたから。
想定外のその行為に花は頬を染め身を縮めるばかりだ。
「――――公瑾殿……」
「孔明、もうその辺りにしておけ。それ以上は冗談に出来んぞ」
口を開きかけた孔明を玄徳が制する。
流石に、このまま二人を好きにさせていれば、収まる話も収まらなくなると気づいたようだ。

「おや……元より冗談で済む話ではないでしょう?」
ようやく収拾をつけようとした玄徳の言を否定するかのような公瑾の言に…。
「公瑾さん…」
花はそっと公瑾の衣の端を掴み、不安げに彼を見上げた。
恐らく彼ならば…この遣り取りを本気と受け止めて、せっかく良好に終わった玄徳の来訪とその成果を無に帰すことなど、なんの躊躇いも無くやってしまうだろう…。
そんなことは玄徳軍を去る身の花にとっても本意ではない。
花のそんな視線に気づき、公瑾はそっと彼女にだけ小さく笑ってみせた。
「けれどまぁ……伏龍先生の、お気持ちは分かりますよ。 『可愛い』弟子を手放すのです。それは―――冷静ではいられませんよね?」
「―――――」

「ですが……この子は、我が軍と玄徳殿との間の、しなやかに強い縁(えにし)となることでしょう…。 それこそが貴方の狙いだったのではないのですか? 伏龍先生?」

「それは―――この子が貴殿を骨抜きにした、ということと同義でしょうか?」
「!!??し…(師匠!?)」
「如何様にも…お好きなように……」
「!!??…こ…(公瑾さんっ!?)」
2人のやり取りに再び花は目を白黒させて。
「それならば、この子をこちらに送って正解だったと思った方がいいのかも知れませんね。 狙い通り、籠絡…できたのかな?」
「!?ろうらく…て……ししょぉ…」
もはやその言葉の意味を知っている花にとって、孔明のその問いは冗談にも笑えないモノだった。

「ふ…彼女にそんな器用な事が出来るわけがないのは、誰よりも師である貴方が良くご存知でしょう。…まったく、師弟揃って不器用この上ないですね?―――彼女は…ちゃんと真心を尽くしてくれましたよ」
「公瑾さん…」
公瑾の意外な言葉に頬を染めつつも花はちらりと孔明を盗み見た。
いつも飄々として掴みどころのない人だけど、今日はなんだかそんな感じがしない…。
今日のこの人は…何か…。
「ほら…貴方があまり常と違うから、彼女が心配していますよ」
「師匠…」
花の視線を受けて孔明は小さく息をついて。
「ちょっと……こっちへおいで」
そう言って、花をそこから少し離れた場所へ連れ出した。


 -続-

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