うう~~~、イメージを形にするのって、どうしてこう難しいのでしょうね!
もうちょっと、なんとか出来なかったのかと何度も書き直したんですけど中々(^^ゞ
あぁ、文才が欲しい…。
仕事が立て込んでてSS書く時間がまた減ってきてしまって。
その上、もうすぐ「猛獣使い」も発売なので気も漫ろなんですが、とりあえずぼんやり見え始めた着地点目指して頑張ります!^^。
それでは。
お楽しみ頂けましたら幸いですm(__)m
船着場に到着して出迎えの使者と挨拶を交わす。
「京は初めてですか?」
「いえ、…兄がこちらにお仕えしておりますので…」
適当に返事しながら、気を紛らわそうと羽扇を手にぶらぶらと視線をめぐらす。
活気のある街、多くの品物、温暖な気候のためか陽の光さえもこの土地を愛でているように感じる。
「皆様、あちらにいらっしゃるようですね」
道案内の使者の声に視線をめぐらすと、城門のあたりにいくつか人影がある。
懐かしいその姿を目にしたら期せずして心が和んだ。
それから…別れの刻もまた近づいたのだと覚悟を決めて、ボクは己のみでその場へ近づく。
彼らの視界から外れているようで、誰もこちらを振り返らない。
玄徳様に頭を撫でられている彼女の姿は正直とっても和むんだけど。
??彼女の表情が…硬い?
あぁ、そうか。
彼女は、別れを切り出そうとしているのか。
それならココは、師匠らしく大きく構えていかなくちゃね?
「―――だから言ったのですよ、玄徳さま。 あまり長い間手放していては、この子を性格(たち)の悪い狐目にさらわれてしまいますよ…とね」
「!孔明!?」
「!? 師匠!」
ボクの声に驚いて振り返る二人の姿が予想通りで…思わず顔がほころんでしまった。
「ご無事で何よりです、わが君。花も…久しぶり、元気そうだね?」
目をまんまるくして彼女はボクを見つめる。
だからボクは、たった一人を視界から除外したまま彼女へと辛い一言を投げかける。
「荊州に、共に帰る気は無いんだろう?」
「はい――」
初めて会った頃とは違う、確かなその声には曖昧さの欠片も躊躇いの色もなく、
ただ誠実に彼女の想いを伝えていて。
迷いの無いその声音にボクの中にあったわずかな希望もチリとなって消えた…。
「どういうことだ?花…。今のは…」
揚州に残る、との花の言に、玄徳は驚きを隠せない様子で花へと詰め寄った。
「すみません…お世話になりっ放しで何一つお返しできていないのに…」
「…こうなる事が分かっていたら、キミを揚州へやったりしなかったんだけどなぁ…」
動揺を見せる玄徳とは対照的に、口元を羽扇で隠しながら孔明は明るい声で言った。
「……本気なのか? 芙蓉も翼徳も、雲長だって…みなお前の帰りを待っているのに?」
「玄徳さん…」
「あまりそう…責めないでやって頂けますか…玄徳殿?」
すると今の今までその様子を眺めているだけだった公瑾が、花を庇うように静かに口をはさんだ。
「―――我が軍の人間を主君が諭して何がいけないと言うんでしょうね?公瑾殿」
今までその存在に眼もくれなかった孔明が、挨拶もそこそこに部外者は黙っていろという体で公瑾に対しそう発すると、常の彼からはあまりに不似合いなその言葉の強さに花はビックリして孔明を見た。
「…師匠…?」
「……彼女の才が非凡なものだということは、我が軍に同道して頂いて充分に理解しました。ゆえに我が軍に迎えたいと本人に直接申し入れ、了承を得たのです。聞けば、彼女は玄徳殿に仕官したわけではないとか? 客人であるならば、己が身の振り方を自身で定めたとして、誰に遠慮をする必要もないと思うのですが?」
孔明の言をあっさりと切り返して公瑾は言う。
その声音の静かさが孔明の気に障ったのかも知れない。
「―――我が軍……ねぇ…?」
羽扇で口元を隠したまま孔明は、花を…それから公瑾へと意味あり気に視線を巡らせた。
「何か…?」
「周公瑾殿直々の手の内に―――の間違いではないのですか?」
「!!し…師匠!」
この人は、なぜこうも容易く…こちらの状況を読んでしまうのだろうか?
孔明の言に真っ赤になりながら、花は孔明と玄徳を交互に見た。
(は…恥ずかしくて…、公瑾さんの顔が見れない…)
「おや、彼女の軍師の才をみすみす埋もれさせるような愚は犯しませんよ、わたしは。 もう少し信用して頂きたいものですね」
「……確かに。 烏林での戦いからこっち…随分とこき使われたようですねこの子は」
「ふ…人聞きの悪い。…2、3知恵はお借りしましたが……彼女の方から献策してきたのですよ?……無理を押したつもりはありません」
「本当に?…では、矢傷をこじらせたあなたを昼も夜もなく、この子が看病したというのは」
「そうですね………それは、事実ですよね?花殿?」
「え!えぇ!?」
突然振られて戸惑いを隠せない花…。
なぜ、こんな微妙な話題になっているのか…展開についけなくて。
心の中で右往左往しながら、今自分のしようとしている事が一筋縄では行かない事だったんだ、と今更ながら痛感したりなんかして。
そんなところへ。
「なるほど―――深手を負った、というのなら」
「!!孔明!」
「!公瑾さん…!」パシ…
一瞬で公瑾の左胸のあたりに突きつけられる羽扇の突先を、これも読んでいたかのごとく公瑾はあっさりと払いのけた。
玄徳と花が双方の名を思わず叫び、一触即発の空気がさらに張り詰める。
「さて…深手というのはどうでしょうね? この通りわたしはピンピンしていますよ」
「ふむ、そのようだ……。 おかしいなぁ? わたしの星読みでは、あなたの星に凶の相が出ていたのですよ、それも最悪の……。やれやれ、どうやら読み違えたようです」
「孔明!」
たしなめるような玄徳の声もただ響くのみ…。
その場で交わされているにこやかな言―――笑みと笑み…。
お互いに感情の激しい部分は露わさず、表面上は穏やかに見えるそのやり取りの裏に渦巻く感情を想像するのはかなり恐ろしい…。
「……流石に、良く読みますね。 大丈夫ですよ、あなたは読み違えてはいません。 その最悪の凶相とやらは、確かにわたしの星に影を落としていました。けれど…そう、ひとつ見落としておられたのでしょう」
「………」
「わたしの傍には……この強運の星がついていましたからね」
そう言って公瑾は孔明の目の前で花の肩を抱き寄せた。
-続-
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現在お礼文3件UPしています!
(超小ネタSSSより OZMAFIA1・緋色1・
ブラコン1・2013.8.13.)
fxwill.com
お見苦しいところが多々あると思いますが、よろしくお付き合い下さいませ。
こちらで取り扱いますゲームの内容やそれに関連する創作SSに関しましては、製造元などとは一切関係がございません。あくまでも個人的に書き連ねているものですので、ご理解・ご了承のうえお楽しみ下さいませ。
なお、内容に関しましては無断転記等一切ご遠慮下さいますようお願いいたします。