ここしばらく、公瑾がちょっとヘタレ気味で…自分でも??な感じ(*^_^*)
あぁ、でも、私の中では公瑾って、自分の頭の中で何でも処理しちゃうタイプなので…。
言葉にしてくれないんですよね。色んなコトを。
分かりにくいっちゃ分かりにくいんだけど。
そこを読んでうまく外してくれるのが花ちゃんなら、ほんわかした良い具合のCPになるとは思うんです。
まさに文台さんの言うとおりに!
良く斬れる剣と、それを納める鞘のような…^^。
お互いが無ければ力を発揮することができないどころか、使うことすらできないような、ね?
ああ…大好物過ぎる…。
という事で、今回は衣替えネタで^^
お楽しみ頂けましたら幸いですm(__)m
花が京城に残ることになって一週間ばかり過ぎたころ。
「公瑾…話があります」
いつになく厳しい表情で尚香が公瑾に言った。
「なんでしょうか、尚香様」
仕事の手を止めないまま公瑾はさらりと返事をする。
「兄上から聞きました。花さんの事は全て公瑾に任せてあるからと」
「――はい、それが何か?」
「………いつまで花さんをあのような姿でいさせるつもりなのです!」
「―――」
「こちら身を置くことを決めたのなら、ここに居て浮かない装いをさせるべきでしょう!」
確かに彼女は、未だあちらの世界の衣装を身に着けていた。しかし。
「衣装は…今仕立てさせています。数日中には彼女のもとに届くでしょう」
「遅いわ!それじゃ花さんが皆と打ち解ける機を逸してしまいます!」
「………」
「ということで、私の衣装で良さそうなものを彼女にさし上げたので、それを伝えにきましたvv」
「…大層な前置きをされるから…どのような難題かと思えば…」
小さく息をつき公瑾は手元の書をいくつかまとめて取り上げながら、そうこぼした。
「ふふ…取り合えず、衣更え第一弾です!!」
「え?」
尚香がそう言うと公瑾の執務室の扉が開いて、彼女のおさがりを身に付けた花がそろりと入ってきた。
しかし。
普通に……町の娘が身につけるよう程度の派手さのない衣装だってあっただろうに…。
彼女に似合いの暖色系の淡い色目を重ねた華やかな衣装に、髪を左右にお団子にまとめあげ髪飾りを挿している姿は―――思っていた以上に可愛くて。
公瑾は思わず手にしていた書をバッサバッサと取り落としてしまっていた。
「あの……公瑾さんのお手伝いをしているから、着替えなくても平気って言ったんですけど…」
困ったような、恥ずかしそうな…そんな表情で花は公瑾に謝った。
確かに仕事をするにはあでやか過ぎる。
「――――」
「公瑾さん…?」
「(ふふ、作戦成功ね!)」
黙ったままの公瑾を見て、尚香は心中でガッツポーズを決める。
対して花は、自分を見て固まってしまった公瑾に首をかしげていた。
どうしたのだろう…?
呆れているのかも知れない。
尚香と違って、自分は姫でもお嬢さまでもないのだから。
こんな姿は分不相応というものだろう。
「…尚香さん…」
不安げに花は尚香を振り返った。
「大丈夫です♪ 公瑾は花さんに見惚れているだけですからvv」
「え!?…そんな、まさか…」
「本当です。ほら、まだ動けないでいる…」
(そ、そうかな…単に呆れてものも言えないだけなんじゃ…)
尚香に言われても信じられない花は、そっと公瑾の表情を窺う。
心なしか表情が固いような気がする。
「さ、それじゃ、兄上にもお披露目して、他にも色々あいさつ回りに行きましょう!」
「!!っ……尚香、さま…!」
尚香の言葉に我に返ると、公瑾は思わず手をのばして花の肩を掴んで自分の方へ引き寄せていた。
「公瑾さん!?」
「あら、公瑾…どうしたのです、何を慌てているの?」
「あ、わてて…など」
ぐ…と言葉を詰まらせて、公瑾はわずかに視線を泳がせた。
ちょっとこの花の姿は―――想像以上にあでやかで。
女2人で出歩かせる訳にはいかない。
尚香は(主の妹姫であるから、皆弁えるだろうが)ともかく、花に対しては皆、花自身が気さくな性格であることもあってか気軽に声をかけてくるし、花の方も誰から話しかけられても気安く受け答えをしそうである。
勿論、今の状況(他の軍から籍を移した現在)に於いてソレは必要な処世術ではあるのだが、いかんせん彼女にはこちらの常識が通用しない。
必要以上に愛想よく接して相手をその気にさせてしまう可能性は物凄く大きい。
「公瑾さん?」
不安げにこちらを見上げる花…。
その表情が笑顔になりさえすれば、その辺の男どもが一気に集まって、彼女の心を得ようと奮戦しそうだ。
そう…尚香と違い、花は―――高嶺になど咲いていない。
せいぜいが庭木に付いた一輪の花…。
出会う者に、そういった身近な親しみやすさを自然と与えているのだ。
それはつまり―――誰も彼女に触れることを躊躇う理由が無いという事で……。
「…あいさつ回りなど必要ありません。後でわたしが、必要な場所へは顔見せに連れていきます」
「あら、侍女たちのところへも?」
公瑾の言に尚香は意地悪く問う。
侍女たち…は公瑾の最も苦手とするところだ。
「いいこと、公瑾。 花さんは四六時中あなたと一緒にいるわけではないし、一緒にいたとしても、どの文官・どの武官・どの侍女や他の身内の方々とも接しない訳にはいかないのです!…それに、女子には愚痴をこぼせる相手が必要なのです。 …あなたは男性で、年上で物をよく知っているかも知れませんが、花さんにとってその役割を果たすことはできないでしょう? 花さんの世界に貴方は必要かも知れませんが、貴方一人がいればいいと言うわけではないのです!」
「―――尚香さん…」
流石の気迫と論法に…公瑾も返す言葉がなくて…。
「では、花さんは連れて行きますね♪」
(す…スゴイ、尚香さん……公瑾さんを言い負かしちゃった……。でも…)
尚香に連れられて部屋を出ていく花は何度も振り返り公瑾を見る。
なんだろう。
なぜかとても―――心細い。
「あ、の…尚香さん…!公瑾さんも、一緒…に…じゃ、ダメですか…?」
花はそんな事を口にしている自分に驚きつつも尚香にそう懇願していた。
正直、誰と会っても構わないし、どう評価されても気にとめることなんてなかったけれど。
花にとっては文字通り公瑾はこの世界のすべてで、公瑾の手を離れて動くことがたまらなく―――心細かったのだ。
「…………花さん…」
折角可愛らしく着飾って男どもの認識を改めさせようと思っていたのに。
まぁでも………当の本人にそんな気が無いのなら仕方が無い…。
花のそんな表情を見て…尚香は肩をすくめた。
「―――どうしますか?公瑾…」
尚香がそう声をかけると、花は情けない顔で公瑾を見た。
そんな顔……されてしまっては、そのまま行かせる訳には行かなかったから。
「……ご一緒しましょう…」
その答えに、安堵の表情になる花に公瑾もまた愛おしさを募らせるのだった―――。
-終-
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現在お礼文3件UPしています!
(超小ネタSSSより OZMAFIA1・緋色1・
ブラコン1・2013.8.13.)
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お見苦しいところが多々あると思いますが、よろしくお付き合い下さいませ。
こちらで取り扱いますゲームの内容やそれに関連する創作SSに関しましては、製造元などとは一切関係がございません。あくまでも個人的に書き連ねているものですので、ご理解・ご了承のうえお楽しみ下さいませ。
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