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いらっしゃいませ! このブログでは、カヌチ二次創作(緋色の欠片、ウィル・オ・ウィスプ、ラスエス3他)、乙女ゲームの感想など、管理人ベルルの暴走気味の妄想をつらつらと書き綴っております。現在「三国恋戦記」絶賛応援中です!!     -since 2009.7.25-
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………スミマセン、次回で終了です~m(__)m

予期せぬ事態…と言えるほど、長くなって自分でも正直呆れたのですが(^^ゞ。
止まらなかったんです、筆が。
そして、描きたかったんです…「すれ違い」が。

今回の祐一先輩は、至ってマトモです^^。
真弘先輩のルートでは、意外な策士ぶりを発揮していた祐一先輩。
(勿論、拓真と真弘を宇賀谷家に護衛と称して泊まり込みさせた件です:ニヤリ)

彼、あのルートでは結構常識人っぽいですよね、言動が(笑)
あのイメージですね~。
マトモ過ぎて恐い位です。
天然のほほんな祐一先輩のほうが好きは好きですが、私にとっては難しくて…。

とりあえず。
お楽しみ頂けましたら幸いです。

一応連作となっておりますm(__)m
(1、2がなくても読めるはずですが)1から読んでいただけたほうが、何となくわかりやすいかと思います(^^)





「祐一……話がある…」

固い声だった。
真弘の後ろに立つ珠紀にはその表情が見えなかったが、きっとすごく…恐い顔をしているんだろうと思った。
真弘の纏う空気から、なんとなくそれは読みとれた。

「待て…」

本を閉じ、立ち上がると祐一は静かに2人に歩み寄って。
「……しょうがないな…お前たちは…」
少しだけ呆れたような様子で2人を見下ろす。
それから…おもむろに両手を伸ばし…

ゴツ!!!

「で!!」
「キャ!?」

突然の火花と衝撃…その一瞬後に続く痛み。
予想外の展開に伸びてきた手を振り払う事も出来なくて。
真弘と珠紀は、祐一によってお互いの頭同士を打ちつけられていた。

「ってーな!!…にすんだよ!ゆーいち!!」
語気荒く、真弘は祐一に食ってかかり。
「~~~~ったーい…」
珠紀も打ちつけられた所に手をあてて、涙目になっていた。

「―――痛かったか…?」
「てんめぇ!! 思いっきりやっただろーが!思いっきり!!何考えてやがる!!」
「祐一先輩……私も…どーして…」
「これは―――罰だ。…お前たち2人――お互いに対しての」
「え?」
「てめっ!…分かるように説明しやがれ!!」
祐一は2人を交互に見遣り、小さく溜息をついた。

「真弘……お前は、早合点をして珠紀を泣かせた…」
「あ”!?…な…に、言ってやがる…!」
祐一の言葉に真弘の勢いは急に失われ。
「珠紀……お前は、素直にならなかったが故に真弘を泣かせた」
「バ…!俺は泣いちゃいねえ!!」
「では、真弘をドン底に落ちこませた」
一応言い直しはしたが、その言葉に珠紀は耳を疑う。

「ちょ、ちょっと待って下さい。真弘先輩を落ちこませた…ってどーいう事ですか!?」
「お前たちは普段、どうでもいい事はよく話すのに…肝心な事は伝えあっていない。だからこんな――すれ違いが起こる…」
そう言うと祐一は2人に背を向け、読みかけの本を手に取るとドアへ方へ足を向けた。
「っ待てよ!!…何だよ!すれ違いって!!――中途半端にさとすんじゃねぇよ!!」
「――珠紀…まずはお前から言うべきだろうな…。それがこの件の勘所(かんどころ)だろう…」
「え!?」
そう言い残すと祐一はドアを開け、図書室を後にした。


放課後の校庭から…部活動の音が響く。
夕焼けに赤く染まる校舎……そして図書室の中。
そこに2人だけ取り残されて…。
「……はぁーー ったく…何なんだよ…あいつは…!」
深い深い溜息をついて、真弘は床に座り込み、がしがしと頭を掻いた。
……その表情はとても複雑で、何とも言い難い今の感情をよく表していた。

「――――で…?」
「え!?」
しばらくの沈黙の後…意を決して真弘が声をかけた。
「――何だよ……何か、言う事があんだろ?…ゆーいちが言うにはよ…」
少しだけ視線を逸らして。
何かの覚悟を…決めて。
「…先輩……あの」

「あ”~~~~~~っ!待てっ!待て待て待て待て!!」
「え!?」
話し出す珠紀を遮って、真弘は口をはさむ。
「――実はよ……さっきな…聞いちまったんだ、珠紀……お前と祐一が話しているのを」
「…え…」
「や!立ち聞きなんて卑怯な真似、するつもりじゃなくて!たまたま祐一に用があって、でも…声が聞こえたから……その、お前が…」

混乱しているのか…動揺しているのか。
珠紀は発すべき言葉を探しているようで。
だから。
此処は…知っている事を、全部言うべきなんだろう…と。

「―――…ゆ…ゆーいちを…好きになれば良かったって…」
「!!!……う…そ…」
「わりぃ!マジで!!…でも、すぐにここを離れたから!だから…!後の話は知らねぇ!!……とにかく俺は――だったら、お前の望みを…叶えてやりたいと思って……」

勢いは自然と失われて…ひどい脱力感に襲われる。
あぁ…何て…情けない男なんだ、俺は…。
真弘がそう胸の内で呟いた時。
ふわり…と温かいものがその身を包むのを感じて…。
目の前には柔かな茶色の髪がサラサラと流れ落ちてきて。


珠紀に―――抱きしめられているのだと気付くのに数秒かかった。


「……たまき……?」
「…めんなさい……ごめんなさい…!……まひろせんぱい…ごめんなさい…」
「…んだよ…別に、悪いこっちゃねぇだろ?……人の気持ちってな…変るもんだ。変わる事を、責められるもんじゃねぇよ…」
自分の首に縋りついて、肩口に顔をうずめる珠紀の頭を撫で、髪を梳いてやりながら真弘は言う。

この期に及んで惚れた女を責めるなんて無様な真似……するつもりなんて無い。
ただ、抱いているだろう罪悪感を取り除いてやりたい…と…。
「違う……ちがうよ…せんぱい…。…誤解、させるようなこと言って…ごめんなさい…!先輩が聞いてるなんて…思ってなかったから…。…でも、どうせなら…その後の話も聞いていて欲しかった…」
「……はあ…?」
だんだんと訳が分からなくなって…真弘は珠紀を抱きしめながら首をかしげた。

「私……祐一先輩を好きになれば良かったな……」

その無防備なヒトコトが…全ての始まり―――。


 -続く-
 

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