書き始めたのは秋真っ只中…11月の中頃だったのですよ。
そしたら、あっと言う間に11月が過ぎて12月に…(涙)。
慌ててしまいました(*^_^*)
ええ、まったく、青春の1ページ。
ババ様に言わせると「若いっていいわねぇ…」的な、「なんだよ、結局収まるとこに収まるのかよ」的な、典型的な惚気話が書きたかったんですよ(遠い目…)
真弘先輩の「俺に任せろ」的な言動って、男の人に頼るタイプの女の子には『どストライク』なんじゃなかろうか…と思って。
ついでに、私の中で先輩は、『応援団長真弘』に代表されるようにとっても面倒見が良いので、キチンと接していれば真弘先輩に想いを寄せる後輩が居てもおかしくないだろう…と。
いや、ちょっと自己満足に過ぎる連作でしたが…楽しく書けました(*^_^*)
お付き合い、どうもありがとうございましたm(__)m
それでは、お楽しみ頂けましたら幸いデス♪
※一応連作となっておりますm(__)m
1から読んでいただけたほうが、恐らくお楽しみ頂けると思います(^^)
> 青い春…?1 はコチラから
コトの起こりは…無防備なヒトコト―――。
「私……祐一先輩を好きになれば良かったな……」
唐突に…少女は言った…。
何の前触れもなく発せられたその言葉に、自分以上に驚いたのはドアの向こうに居る背の低い幼馴染みの方だった。
あからさまに動揺したその気配は隠しようもなく…己の存在を主張していて。
頭の隅に浮かんだ、面白そうだ…という感情を振り払い、祐一は少女…珠紀へと眼を向ける。
「……どういう事だ…?」
遠ざかる幼馴染の気配を追いながら、祐一は少し首をかしげ、ぷぅっと頬を膨らませている珠紀に言う。
「―――だって……祐一先輩なら…私だけを見てくれると思うから……!」
「…真弘は…違うのか…?」
「―――真弘先輩は……優しいんです…。…女の子全般に!!……特に、1年女子には人気があるって…この前慎司君が言ってました。……困ってるの見ると助けてあげるから、頼り甲斐があるって…思われてるみたいで。…わ、私も、そう思います…!そこは先輩のいい所だし…!!…でも……でも……」
そこで言葉は途切れて…俯いてしまう…。
―――つまるところコレは……ヤキモチ……というモノか…??
冷静に分析して、そう判断した時…先ほどから追っていた背の低い幼馴染の気配がガラリと変わった。
しばらく上がったり下がったり不安定な感情を抱えていたようだったが…1つ処に落ち着いてしまった―――あまり、良くない処に……。
「…たまき…」
「あ!!また!」
祐一が伝えようとする何かを遮って、珠紀は窓の外を指さして。
「ホラ、見てください!…ああして、最近真弘先輩に話しかける女子が多いんです!」
後輩の女子だろうか…。
正面玄関付近にいる真弘に声をかけ校門に向かっていく。
ソコへ真弘からの返事でもあったのだろうか?正面玄関へ振り返り大きく手を振っていた。
「……もぅ……!」
「たまき……」
祐一の言葉も耳に入らず…珠紀は図書室を飛び出していた。
そして、真弘と珠紀の気配が出逢った処で…もっと良くない気配を感じ、祐一は溜息をついた。
「――――つまり何か…!?……お前は単に…グチをこぼしてただけって事か…? だから…別にゆーいちを……す、好きになったとか――そんなじゃねぇって…?」
「――祐一先輩には……惚気にしか聞こえない…って言われました…」
小さく頷いてそう返して珠紀は改めて真弘を見た。
ポカンとしていたが、すぐに状況を飲み込もうと必死の様子が窺えた。
「――――でも……お前…さっき俺が言ったことに、反論しなかったじゃねぇか…」
「それは…ビックリして…。それから―――恐くて…言えなかったんです…」
「…恐い……?」
「―――もうお前を好きじゃないって…先輩の口から言われたらっ…て」
ポタリ…珠紀の瞳から涙が溢れて…真弘の制服の膝に落ちて染みた。
珠紀のその言葉に改めて真弘は愕然として…。
「なんてこった…」
そう呟いてそれから…手を伸ばし珠紀の頬にそっと触れ、こぼれた涙を拭ってやる。
「………悪かったよ………勝手に自己完結…しちまってよ…」
早合点して…勝手に決め付けて…格好つけただけの結論にいたって…。
その言葉で珠紀を苦しめた。
――― その事が苦しい。
「…めんな…さいっ………まひろせんぱい…傷つけて」
「ばぁか…!!お前だけの所為じゃねーだろっ………チ、ゆーいちの…言う通りだったな…。あぁ!!情けねぇ!」
「!先輩は、悪くないよ…!――私が…ぜんぶっ…!」
自分を責める真弘の言葉に珠紀はかぶりをふる。
今日の種を蒔いたのは自分なのだ。
自分のつまらないヤキモチが―――。
そんな珠紀を見つめる真弘の方は、何だか憑きものが落ちたような穏やかな顔をしていた。
「――――でもよ…」
そして珠紀の頭を引き寄せると、コツンと額を併せ…。
こころもち見上げるような目線で…口元には笑みを浮かべていた。
「…それほどまでにお前は…俺様を好きっつーことだよな?」
「!!っ…真弘先輩…!」
その言葉に一瞬で真っ赤になった珠紀は、涙の残る瞳を白黒させる。
そっと真弘を窺い、真弘もまた顔を赤くしているのを見ると…恥ずかしそうに眼をそらす。
そんな珠紀の様子を見ているだけで心は温かくなって。
触れ合わせている額から、お互いの気持ちが伝わっているように思えたけれど。
でも今は……確かな言葉が欲しくて…。
「………そうなんだろ?」
念を押す真弘の言葉に、珠紀は観念したような笑みを浮かべた。、
「―――はい……真弘先輩が…好きです。…スゴク、スゴク…好きです…!…今の…伝わりましたか…?」
「…あぁ……バッチリ届いたぜ…!」
ニヤリと嗤う真弘…。
その言葉に嬉しそうに笑って、珠紀は自分から顔をより近づけて…。
「!!」
真弘の頬に触れるか触れないかの口接けをした。
それから、驚く真弘にはにかんだ笑みを見せ、
「―――これから、私が何か変なことを言ったら……きっと問い質して下さいね?」
「…お……おぉ…」
「じゃあ……ゆびきり…」
まだ茫然としている真弘の右手の小指に自分のそれを絡ませた。
「♪ …ゆ~びきっ…たっ!」
本の数秒…絡みあわせた小指と小指…。
その繋がりがほどけることが、とても名残惜しく思えたけれど…。
2人はお互いの顔を見合わせて、ようやく心からの笑みを浮かべた。
正面玄関を出て、校門へ向かう途中で祐一は赤く染まる校舎を振り返る。
図書室にはまだ2人の気配。
混乱を極めていたそれは、今はようやく落ち着いていて、もしかしたらもう仲直りが出来ているのかも知れない。
「―――手を焼かせてくれる……」
あれだけお互いのことしか見えていない癖に、お互いの気持ちを確かめ合うことには晩熟な2人だからコンナコトになるのだろう。
それでもまぁ、似た者同士の2人ということか…。
そう納得して再び校門へと足を向けた時、バサリ…鞄から中途半端に出ていた本が足元に落ちた。
図書室で読んでいたその本を拾い上げ、土を払う。
本のタイトルが目に入って、祐一の口元が緩む。
まさしく、今日の2人のような状況をこそ言うだろうその言葉に苦笑して、
「青い春…?…違うな、この村はいま秋の真っ只中だ…そうだろう?真弘…珠紀…」
そして本を鞄の中に仕舞うと、今度こそ本当に帰路につくために足を踏み出した。
-終-
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現在お礼文3件UPしています!
(超小ネタSSSより OZMAFIA1・緋色1・
ブラコン1・2013.8.13.)
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お見苦しいところが多々あると思いますが、よろしくお付き合い下さいませ。
こちらで取り扱いますゲームの内容やそれに関連する創作SSに関しましては、製造元などとは一切関係がございません。あくまでも個人的に書き連ねているものですので、ご理解・ご了承のうえお楽しみ下さいませ。
なお、内容に関しましては無断転記等一切ご遠慮下さいますようお願いいたします。