ＳＵＲＲＥＮＤＥＲ （流聖×いずみ）

ラスエス３　から　流聖いずみ　です(^O^)／

秋の気温が心地いですね！（笑）
いきなり筆が進むようになりました(^^ゞ。

といっても、ネタ出しはかなり迷走―――おなじ書き出しで、柊さん・レイ・流聖の文章を書いて、ＥＤマークがうてたのが今回のＳＳ（苦笑）
や、流聖はどうしても甘くなりますね♪
久々のラスエスなので、それでも良いかなと思ってＵＰする事にしました。

私は外で飲むと、あるライン以上は酔えないんですよ。
「帰らなきゃ」とか「人の目」とか色々気にして、理性がストップかけちゃうみたいで。
ですから私は今回のいずみさんのような状態になった事はないんですが…気がゆるむと人は酔いやすくなるのでね＾＾。
絡み酒みたいな…あまり人に迷惑をかける酔い方でなければ、がっつり酔っ払ってもいいんじゃないかな…？という気分で書いてみました。

それでは。
お楽しみ頂けましたら幸いですm(__)m

「もう一杯ください」
空になったグラスを差し出すと、隆治さんは困ったような顔で私をみた。
「？」
「ちょっと…飲み過ぎじゃないかな？　いつもこんなに飲まないだろう…？」
グラスを受け取り水割りを作りながら、隆治さんはやんわりとそう窘める。
見透かしたような口調がなんだか悔しくて、私は拗ねたように頬をふくらませて見せた。
「まだ酔ってないですよ」
「……酔っ払いは大抵、そのセリフを口にするんだけどなぁ？　まぁ…久しぶりに外に飲みに出たから……羽目を外したい気持ちもわかるけど…」
「だ、か、ら…酔ってませんってば…！」

「おやおや―――久しぶりに顔を見せたと思ったら……ホストをやめても、姫にかしずいているんですか？流聖は…」
「店長…」
「柊さん、お久しぶりですｖｖ　」
相変わらずの怪しい雰囲気で、奥のＢＯＸ席に顔を出した柊さんが可笑しそうにそう言う。
私は思わず隣の隆治さんの顔を見上げた。
普段は―――そんなつもりなんてないけど、確かに隆治さんは私にはとても優しい。
もしかして、他の人もそんなふうに思っていたりするのかしら…？
そう思うと何だか急に…恥ずかしくなる…。

「姫？どうしました？急に大人しくなって…」
私の隣に腰をおろし、水割りのグラスを差し出しながら柊さんがそう言うと、
「店長…」
隆治さんは少し恐い声を出して、私の正面のテーブルを軽く指で叩いた。
「クス……流聖は意外と余裕がない…」
「店長～～、今日は仕事の話でしたよね？　こんな時間だし、場所も場所ですけど」
「そうでしたね……わざわざカッツェまで足を運んで貰ってスミマセンでした」
肩をすくめてそう言うと、柊さんは私の隣から正面の席へ移る。

―――今のって………もしかして、柊さんに席を移れって言ったのかしら…？
恐る恐る隆治さんを窺うと、こちらの視線に気づいて隆治さんはニコリと微笑んだ。
隆治さんと一緒だから全然気にしてなかったけれど…ここは一応ホストクラブだし、店長とはいえ柊さんだってホスト…。
隆治さんにとっては、柊さんといえど信用ならない相手ってコトなのかな？
結婚して…私はこの人のものになったっていうのに、こんなに分かりやすくヤキモチを焼いて貰える事が、何だかこそばゆく感じるけど―――すごく嬉しい。

「それで…詳しく話を詰めておきたいんですが…」
カッツェでのイベントに美容師として手伝って欲しいと連絡があって、その打ち合わせに久しぶりにカッツェに２人で足を運んだんだけど。
そんなに間はあいてないはずなのに、ここの空気をスゴク懐かしいと感じたり、その雰囲気に飲まれそうになったり…。
時間を見つけては通っていたあの頃が嘘みたい…。
真剣な顔で話を詰めていく隆治さんを見ていると―――この人と結婚した…なんて私の幸せな夢で―――現実は、この人は夜毎多くの女性に、同じような夢を見せてあげているのかもしれない…なんて思えてきて…。
夢みたいに幸せだからこそ、そんなのやっぱりありえないんじゃないか…という不安が急に大きくなって。
苦しい気持ちでいっぱいになる…。

「！？…いずみ！？　どうしたの！？」
慌てたように私の顔を覗き込む流聖さん…。
「……流聖、さん…」
「え！？」
視界がぼやけてる―――けれど、恋しいその人の顔だけははっきりと見える。 
私の手からグラスを取り上げ、ポロポロとこぼれる私の涙をぬぐいながら、
「今、なんて…？いずみ…？」
少し困惑した顔で、流聖さんは言うべき言葉を探しながら私の様子を窺ってる…。
「ゴメンナサイ…」
「？…何を謝ってるの？」
「……私、自分勝手な夢…見てました………流聖さんの、お嫁さんになる夢…」
そんなこと、あるはずないって。
こんな素敵な人が、私を想ってくれるなんて…て。

「…姫はどうやら、酔いが過ぎたようですね。　話はほとんど済みましたし、タクシーを呼びましょう…。店も終わる時間ですし、もう帰った方が良いですよ」
柊さんのその言葉に、
「あぁ…それなら少しだけ、時間を下さい」
そう言って私の方を向き直ると、流聖さんは私の頬を両手で包み込み、じっと私の目を見つめる…。
「―――俺はホストで、貴女は永久指名をしてくれたお客様…？」
「……はい…」
「そう……じゃあ、もう一度プロポーズから、やりなおさなくちゃいけないね？」
「え…？」
「それで、また結婚式をあげて、ハネムーンにも出かけて…。美容院の開店準備もあるし、これから忙しくなるよ？」
「流聖さん…？」
「何度でも―――君が望むなら何度でもプロポーズするよ？俺の愛する奥さん…。　そして何度でも、こうして誓いのキスを…」
そうして流聖さんは私の唇を優しく塞いだ。
こんな―――幸せなことがあるなんて…。
これは…現実なの？

「夢の中で、ハネムーンに行こうか…。　目が覚めたらまた、忙しいけれど幸せな日常が待ってるからね？」
そう囁く声を聞きながら、私はゆっくりと甘いまどろみに堕ちていく…。
「―――お見事…」
夢うつつのまま、ぼんやりとそんな柊の声を…遠くに聞いた…。
「さすが、かつてのカッツェ №１ ホスト…。心得が違いますね…」
「よしてくださいよ…ホストだったのは昔の事。　もう俺は―――彼女しか必要ないんです。彼女の気持ちさえあれば…他には何もいらない…」
「流聖…」
「俺はいつも彼女にだけは――――お手上げなんですよ」
そんな風に言う流聖さんの低い声を聞きながら…儘ならない意識の中で私は思った…。

―――違うわ、流聖さん…。　私の方がいつも、あなたにはお手上げなのよ…。


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