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いらっしゃいませ! このブログでは、カヌチ二次創作(緋色の欠片、ウィル・オ・ウィスプ、ラスエス3他)、乙女ゲームの感想など、管理人ベルルの暴走気味の妄想をつらつらと書き綴っております。現在「三国恋戦記」絶賛応援中です!!     -since 2009.7.25-
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恋戦記SS > 公瑾花?? です(^^ゞ。

花ちゃんの描写がほとんど無いけど…いいのか?(苦笑)
でもほら、公瑾からの気持ちは向かってるから!
何気に呉軍では、人のいい面々がこの二人をヤキモキしながら見守っているんだろう…と(^^)、そんな妄想をしたりして…。

だって確かに分かりにくい―――か?
いや、分かりやすい、気もしてきた…。
多分子敬は分かってきているんだと思います。
どういう態度が公瑾にとって気を許している態度なのか―――それが分かればこんなに分かりやすい人もいないんだろうとは思うんですが(^^ゞ。
まぁそこをうまく読ませないのが都督なのかな??(笑)


今夜は中秋の名月―――だったとか。
お月見の話を書こうと思って失敗したのは内緒の話だったりします…(*^_^*)

それでは。
お楽しみ頂けましたら幸いですm(__)m

「おい……あいつ、寝てんじゃねぇの…?」
内々の簡単な宴の席で、仲謀はふと目にとまった花の様子を公瑾に耳打ちした。
「――――そのようですね…」
言われて視線を転じると、末席の方で柱にもたれて座りうとうとしだした様子の花…。
「他の奴の目の毒だから、撤収しておけ」
ちらりと公瑾を見遣り苦笑を浮かべて仲謀がそう言うと、やれやれという体で溜息をつき公瑾は席を立つ。
「―――――」
そうして花のもとへ近づく公瑾の様子を、仲謀も尚香も固唾をのんで見守る。
すると公瑾は花の肩に手をおいて軽く揺すり、何事か声をかけた。
「(―――なんだよ、やっぱり甘くねぇじゃん…)」
「(……本当に2人はつきあっているのかしら…?)」
声をかけられたからだろうか。
ふと頭をあげ、眠そうに目をこすっていた花の腕を掴んで立たせると、公瑾は強引な程の勢いで彼女を連れて宴の場を後にした。

「兄上…」
「なんだ…」
「私……もうちょっと、色々と期待したんですけど」
「俺もだよ…」
「何か色々と―――ものっすごく色々と、残念です…」
「あぁ…まったくだ」
伝え聞く限り、そして自分の目にする限り公瑾が花に対してとる態度は、他の女官に対するものとそう大差はない。 多少「当たり」がましなだけで、甘いという雰囲気には程遠いし、2人の関係を知っている側からすればむしろ、他人行儀といっても差支えはない。
だからこそ―――まことしやかに流れるうわさがあって…。

「―――あいつ…マジで伏龍に対抗したかっただけ、なのか?」

伏龍こと諸葛孔明の弟子として、玄徳軍からの使者という役目を果たしに仲謀軍へやってきた彼女を、引き抜くという形でこの地にとどまらせたのには、公瑾の働きかけがあったことは周知の事実だった。
色好い関係にある2人―――と、最初こそ噂されたものの、さして他と変わりのない態度の公瑾を目にして、周囲で囁かれる噂はすぐに「周公瑾は諸葛孔明から弟子を奪いたかっただけ…」という内容に転じてしまっていた。
しかも当の本人である公瑾が、その噂を耳にしても否定しなかったとの話も聞こえている。
仲謀は、実際に花をこの地に留めるために公瑾が色々動いていたことを知っているが、それでも、それを知らなければその噂を信じたくなるほどに公瑾の花に対する接し方は、恋人に対するソレとは大分とかけ離れていた…。

「……大丈夫なのか?あいつら…」
思わず尚香と二人、顔を見合わせ溜息をついていると。
「ふぉ、ふぉ、ふぉ…仲謀さま、尚香さま…人の恋路に首を突っ込むのは、野暮というものですぞ」
その小さな体に、周囲の大きな信頼を受けている文官 魯子敬がにこにこと笑みを湛えながらそう言った。
「子敬か……や、そりゃ分かるけど、でも心配になるだろ…色々と! あいつの場合、家筋がうるせぇし…」
「そうですよ。花さんはとても可愛らしくて素敵な方なのに―――あまり大切にされていないようでは こちらに引きとめた手前、心苦しいです!」
「お二人とも……甘いですなぁ。 『あの』公瑾どのが、早々簡単に尻尾を掴ませるとお思いですか? 花殿とて、公瑾どのが真心を傾けなければ、こちらに留まるという様な大事を決められる訳はないでしょう」
「お前―――何か知ってるのかよ?」
「恋人らしい2人の様子を知りたいだけなのです…」
そう2人に詰め寄られても、
「さぁ…わたしは何も。 ただ、お2人を見ていれば、ちゃんと分かるのではないですかな?」
にこにこと笑みを崩さぬままそう言いおいて、子敬は酒器を手に広間を後にした。
「――――分からねぇから、言ってんだろ…」
「意地悪ですね、子敬は…」
再び溜息をつく兄妹だった…。



「―――伏龍の弟子を自身の弟子として扱うのは、どのようなご気分ですか?」
花を部屋に送り届けて。
自室へ戻るか、宴の場に戻るか、一瞬迷って足を止めたところに静かな声でそう問いかけられた。
「―――あなたでしたか……おかしな噂の出所は…」
呆れた風にそう返し、公瑾は廊下の先にある小さな影に歩み寄った。
「……人は自分の信じたい噂話ほど、たやすく真実として受け入れてしまうのでしょうな」
「珍しく……辛辣な事を仰いますね」
肩をすくめて公瑾は言う。
しかし公瑾の言には答えず、子敬は廊下から夜空を見上げた。
折角の満月の夜だというのに……空にはむら雲がたち、月は朧にかすんで見える。
朧月の心許ない光と、夜空の大半を覆う雲が、もともと暗い夜の闇を更に濃くせしめていた。

「時間が必要かと思いましてな……何より、あの方はまだ我が軍には不慣れでいらっしゃる」
「お気遣い痛み入ります。けれど」
子敬への文句(?)を続けようとする公瑾の言葉を遮るように、
「星が読めぬというのは―――どうにも心許ないことですな…」
眉を下げて呟いた、空気に溶けてしまいそうな子敬の声は公瑾の表情をわずかに曇らせた。
子敬の言う星とはきっと―――花を表す星のことを言っているのだろう。 彼女の星が、この空に無いことは公瑾も知っている。 何度か星読みをしている時に探してみたが、見つけることは出来なかった。
よくよく考えてみれば、異世界からきた彼女の宿星がこちらの空にある訳もないのだと思い至ったのだが―――。
子敬もまたよく星を読む。 そして公瑾同様、花の星を見つけられなかったのに違いない。
この世の成り行きを星の動きや輝きによって読み、打つべき手を考える―――。
よく星を見、その未来を読む子敬からすれば、逆に星にまつろわぬ花の存在は、大きくその根底を揺るがすものなのだろう。
けれど子敬とは違い、公瑾の内にはそんな不安は存在しなかった。

どこかで―――星は必ず現れると、確信していた。

「ご心配には及びませんよ、子敬どの。 彼女の星は―――あの雲が晴れたその先に輝いているはずですから」
「ほぅ…?」
公瑾の言葉に、ハッとして子敬は彼を見上げる。
「―――わたしと共に歩むと決めたのですから……当然でしょう? もはや彼女は、こちらの理(ことわり)の内に息づいているのですよ…。 わたしはそう確信しています」
「そうですか、そうですか―――それを聞いて安堵いたしました。…宿星を持たぬ者など居はしないと思いながら、今もって俗念を拭えずにいたのです。 あの方は―――この世界に息づく方では無いのでは…と」
「きっと…稀代の珍星を宿星に持っているのでしょう、彼女は…。 生半可な読み人の前には現れないような…。 けれどそういつまでも、その姿を隠しおおせるものではありませんよ」
「……公瑾どのが仰るのであればそうなのでしょうなぁ…」
深く何度も頷きながら、晴れやかな表情で子敬は言い、そんな子敬に公瑾もまた頷き返していた…。


「そうそう…仲謀さまと尚香さまが心配しておられましたぞ…」
「はい?」
別れ際、子敬のその言葉に公瑾は首を傾げる。
心配?―――そんなことされる覚えはないのだが…。
そんな表情の公瑾に、
「お二人が睦まじい様を見せてくれぬ、と半ば本気でお嘆きでらっしゃいました」
「―――子敬どの…」
「わたしは何も、言ってはおりませぬぞ? 例えば先ほど――」
「子敬どの…!」
子敬の言葉を遮るように、公瑾は少し声を強める。
「………あなたという人は…」
「心配していたのです、わたしも…」
にこりとそう返されて、公瑾は苦々しい表情で子敬を見、
「お心が晴れたのならもう十分でしょう…。 今後は趣味の悪い事はおやめ下さい」
しっかり釘をさされて子敬はうなずくと、一礼してその場を後にした。
公瑾はその後ろ姿を眺めながら、「まったく…」と小さく呟くのだった。


 -終-
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こちらで取り扱いますゲームの内容やそれに関連する創作SSに関しましては、製造元などとは一切関係がございません。あくまでも個人的に書き連ねているものですので、ご理解・ご了承のうえお楽しみ下さいませ。

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