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いらっしゃいませ! このブログでは、カヌチ二次創作(緋色の欠片、ウィル・オ・ウィスプ、ラスエス3他)、乙女ゲームの感想など、管理人ベルルの暴走気味の妄想をつらつらと書き綴っております。現在「三国恋戦記」絶賛応援中です!!     -since 2009.7.25-
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恋戦記SS 公瑾花 です!

小話3つ目は、予想にたがわず尚香さんですね~(^^ゞ。
尚香さんは大小と違い年齢高めなので、もうちょっと公瑾も見せるんじゃないかと…(笑)。
決して直接的ではないトコロが公瑾らしいかな?(だけど主の妹姫相手にね~)

呉軍は本当に色々書きようがあって楽しいです^_^


それでは。
お楽しみ頂けましたら幸いですm(__)m



「兄上…私は大きな誤解をしていたようです…」
「なんだよ、いきなり…」
部屋へ来るなり何かを考え込んだままだった尚香は突然口を開いた。
「実は…」
「待て、尚香…!―――お前まで公瑾のことを口にするんじゃねぇだろうな?」
「え!?なぜ分かったのです!?」
仲謀の言に尚香は目を丸くして問い返す。
「あ”ー……何だっていいだろ…。で?」
「……今日、公瑾の部屋へ寄ったのです。借りていた書物を返しに。そうしたら…」
尚香はそう言って小さく吐息をつくと事の次第を仲謀に話して聞かせた。



兵法書をもった尚香に軽く肩を竦ませて公瑾は書棚から次の巻を取りだした。
「わざわざおいで頂かなくても、仰っていただければお持ちしますよ、尚香様」
「良いのです。 この書のここの解釈について聞きたいと思っていたのです」
「……そうですか…」
「子敬にも聞いたのですけど…」
書物を開き、気になる箇所を指で差しながら尚香がそう口にすると、
「失礼します。公瑾さん、ごめんなさい……書物が少し濡れたかも知れません」
そう言っていくつかの書を抱えて花が部屋に入ってきた。

書庫から公瑾に頼まれた書物を借りてきたのだが、庭を渡るときに偶々降り始めた雨に遭遇してしまったようだ。
書物に上着を掛けて雨よけにしているが、中まで濡れているかも知れない…と申し訳なさげにそう申告する花に、書物を受け取りながら公瑾は、
「大丈夫ですよ。それより貴女の方が雨に濡れているじゃありませんか…」
懐から持ち合わせの布を取り出して、公瑾は花の髪や顔を拭いてやる。
「///すみません…お手数をおかけして…」
「用事を頼んだのはわたしなのですから……気にしないで下さい」

そんな二人の至極まっとうな会話を聞きながら、他にも借りられる書物が無いかと書棚を物色していた尚香の耳に。
「あれ…公瑾さん、香…変えました??」
花が不意にそう尋ねた。
香とは、公瑾が趣味で衣類や持ち物に焚きしめているというものだろう。
顔を拭いてくれた時に布からふわりと香ったそれが、いつもとは違う事に気付いたようだ。

公瑾が静かに頷くと花はもう一度布の香りを嗅いで、
「何だか少し…前のより甘いような…柔らかないい匂いですね…」
「そうですか…」
「でも、どうして香を変えたんですか? 前のもとてもいい匂いだったのに…」
小首をかしげながらそう問うた。
「こちらの方が…貴女には似合うだろうと思って…」
なんでもないことのように言ってのけた公瑾のその言葉に、尚香の手が止まる。
「(…え??…今のって…)」
その後の展開がどうなるのかと尚香が固唾をのんで耳をそばだてていると…。

「…貴女はそう思いませんか?」
相変わらずの声音で公瑾が問いを重ね、
「?…ん、と……よく分かりません…」
「!!??///」
花の様子が全く何も気にした風もないものだから…。
 バサッ…!!
花が答えたのと同時に何やら派手な音が部屋に響きわたった。
二人が振り返ると、尚香が手にしていた書物を床に落としてしまっていて。
その顔は赤く、明らかに何かに動揺している風に見えた。

「尚香さん!? だ、大丈夫ですか…!?」
「/// っ大丈夫…ですっ」
「どうかされましたか?尚香さま」
書を拾い上げ尚香に差し出す公瑾を、彼女は僅かに頬を引きつらせて見た。
「……公瑾…」
「なんでしょう…」
「~~~~~っ な、なんでもありませんっ…!」
喉元まで出かかった言葉を呑みこんで、尚香はそう答えると差し出された書を手に立ちあがり。
「…尚香さん、大丈夫ですか?なんだか、顔が赤いですよ…?」
心配そうに言う花に、ちょっと泣きたい気持ちになりながら尚香は首を振る。
「いいえ、大丈夫です……」
そしてもう一度公瑾を一瞥すると、彼女は小さくため息をついて部屋を後にした。
「…どうしたんでしょうか…尚香さん…」
未だ心配そうに扉を見つめる花に、
「さぁ…どうされたのでしょうね…」
苦笑しつつもあえて言及せず、公瑾は花の届けてくれた書物を開いた…。



「――――おい…それって…」
「やっぱり……そういうつもりで言っているのですよね??」
「………」
「だから、あの二人が甘くないのは、公瑾一人の所為ではないのだと良く分かりました。花さんのあの鈍さも―――ある意味、罪だと思います…!……私たちは色々と見落としているかも知れません」
「…あいつ…」
「―――とに角兄上も、一度二人が一緒のところに居合わせることをお勧めします。当事者でない私の方が…赤面してしまいましたから……」
疲れたような表情で尚香がそう言うと仲謀は深い溜息をついた。


 -終-

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