戦国LOVERSでは、主人公(=PLAYER)である亡国の姫に、名前が無いんですよ(>_<)。
通常であればデフォルトの名前でPLAYするし、SSも書くんですが。
名無しの権兵衛ちゃんなので(笑)、名前を結構考えてしまいました!
(最近はデフォルトばっかだったので、かなり悩んじゃったよ:苦笑)
で、タイトルにあるとおり、ゆきの姫…ということで走ります^^。
そしてSSは!
伊達成実(だて しげざね)で!!
―――-メインキャラじゃないんですけどね!(爆)
またしても やっちまった感満載でお届けします~\(゜ロ\)(/ロ゜)/
最初に書いてある通り、フライングです。
攻略出来るって雑誌には書いてあったけど、メインストーリーらしきものが出てきてないのでフライングですm(__)m。
キャラ的にはS気質?で、(政宗の上を行く)エロ担当のようです(^^ゞ。
基本、姫に対し優しくないので、私にしては珍しいキャラに転んだかな…と。
でも、お声が諏訪部さんなので。
そこは・…ねぇ?
PLAYする前から、成実に落ちる予感は多々あったのです(笑)
それでは。
お楽しみ頂けましたら幸いですm(__)m
「は…離して下さい…!」
切羽詰まった声がして。
見ると女一人を数人の男が取り囲んでいる。
「―――あいつ…何をしているんだ…」
呆れたような呟きを洩らし、腕に抱いていた村娘を解き離すと成実(しげざね)は懐から矢立てを取り出し何事か書きつけ娘に渡した。
「これを城に届けろ、急いでな…」
そう命じると自身は娘には一瞥もくれず、もめごとの現場へと足を向ける。
「おい、お前…そんな所で何をしている」
「!!…成実…」
ならず者に取り囲まれていた女人は、成実を認めると表情を曇らせた。
「ふふん…分かりやすい反応だな、傾城(けいせい)…?」
「―――私は……そのような名ではありません…」
唇を噛み、精一杯の虚勢を張って睨みつけてくる。
その瞳には怒りと失望が浮かび……けれど目を奪われずにはおれない程のその美貌に…。
「(これだから――――やめられん…)」
苛めたくなる己の歪んだ感情に内心で苦笑を洩らし、成実は囲まれている女人から周りのならず者達へと眼を向けた。
「その女に触るな―――お前たちが触れていい女ではない」
腹の底にまで響くような…静かだが気のこもった声でそう言うと、腰の刀に手を掛けて一団へと歩み寄る。
その眼光は鋭く、動きには隙が無く…、いかに多勢に無勢であったとしても―――勝てる気がしない。
生き抜く事に対し嗅覚の優れた輩は早々に能力の差を理解すると、成実が刀を抜く前に囲みをといて、じりじりと後退りつつ退散した。
「ふん…なかなか生きるに賢しい連中ではないか…。なぁ?お前も、そう思わぬか…?」
ならず者の去った方向を油断なく見つめ、上機嫌に成実は問うた。
「それは―――伊達の双璧の片割れに……敵う者など、この奥州には存在せぬという豪語でございますか…?」
安堵の息を吐きつつも、油断なく成実を見据え女人がそう言うと。
「…言ってくれるな……何だ、怒っておるのか?」
先ほどまでの厳しい声音から一転、成実はからかう響きの声でそう問うた。
向けられるその視線は―――熱を帯びていて…。
「…いいえ、そのような事は…」
成実の視線を避けるようにそっと顔をふせ、女人は言葉を濁した。
「まぁいい…それよりお前は、このような場所で何をしている?自身の立場を―――理解できておらぬようだな?」
「!!」
その言葉と同時にぐいと手をひかれ、あっさりと彼の腕の中に抱きよせられた。
「っ…成実…!」
「アレが織田の手の者で無かったから良かったものの、護衛もつけず、このような所をフラフラと…。よほど―――拐(かどわ)かされたいと見える」
言うや軽々と女人をその肩に担ぎあげた。
「!!何を…!成実…!下ろして…!」
「五月蠅い……大人しくしておけ」
ジタバタと足をばたつかせて抵抗して見せても、
「おい、俺の目の前で着物の裾を開(はだ)けさせて良いのか?」
と、別の意味で脅しともとれる文句を浴びせられ、慌てて足を閉じざるを得ない。
くつくつと喉の奥で笑いを堪えながら、成実は悠々と農道を抜け粗末な納屋へと彼女を運び込んだ。
そこには農作業の道具の他に、わらや薪(まき)の類が積まれていて、その山の一角に彼女をおろして座らせた。
「成実…。その……助けてくれて…ありがとう…」
身を縮こませてそう言い、上目遣いに相手を窺う。
言葉厳しく責められるより先に、とにかく先に礼を言ってしまった方が気が楽だ。
この後、言い合う事になったとしても負いめを感じずに済む…。
しかしそんな彼女の気持ちなど気付いた風もなく、成実は彼女の前に立ち、
「そろそろ―――己の毒を、自覚してほしいものだな…お前がこの奥州から連れ出されたと知れば、色恋に溺れた若や小十郎が我を忘れて奪い返しに行くわ…」
「それは―――」
「言ったはずだ…傾城…。お前に、奥州をくれてやるわけにはいかぬと」
「!!」
「お前の毒に―――奥州全土が犯されたとあっては、いい笑い者よ…」
相変わらずのその物言いに…。
「――――― 本当に……私に毒があるのなら…」
視線を据えて。
声が、震えないように心を奮い立たせて。
「成実に―――ソレは効かないのですか…?」
聞き飽きるほどに浴びせられた「毒」という言葉…。
それほどの何かが自分にあるのなら、どうして目の前のこの男には効かぬのか…。
そう問い質そうとしたら。
クイ…と顎に手をかけられて、逸らすことの許さぬ視線に射抜かれる。
怜悧な思考に満ちた成実の瞳に満ちる熱情を目の当たりにして…。
ダメだと分かっていても心臓は大きく跳ね、体が熱く火照るのを止められない…。
自分はこの男の何に―――期待しているというのだろう?
これほどに…強く、強く否定されているというのに…。
「///――――成…実…?」
「…大した女よ…。独眼竜と…伊達の双璧のどちらをも、手玉にとるつもりか…?」
「!!そのようなこと…!…っ痛」
反駁しようとした彼女の顔が苦痛に歪む。
忘れていた痛みが突然電気のように走り、見ると 成実の手が彼女の足から草履を落とし足先を掴まえて逸らしていた。
普通であればそのような動きに痛みは伴わない。
「やはり、足を痛めていたか…」
「成実…」
「でなければお前が俺を姿を見て、逃げ出さぬはずは無いしな?」
「………」
懐から薬草を取り出し、成実は草履を落とした彼女の足首に当てると手拭いできつく縛りあげた。
そして体を起こすと再び彼女に身を寄せて、
「薔薇を鑑賞するには―――棘を抜いてから、と言う。どうだ、傾城……俺に、その棘の持つ毒を抜かれてみるか…?」
「…っ……」
低く耳元で囁き、赤く染まったその耳朶を食む…。
息を呑み身を固くして…成実の胸に手をあて押し返そうとする彼女のささやかな抵抗にも一欠片の情けも見せず、
「無駄だ…」
そう呟いて、わななく艶やかな唇を塞ごうとした瞬間―――。
「ゆきの!!」
ガラリと納屋の戸が開いて人影が飛び込んできた。
「五右衛門…!」
「…やはりお前が一番早いか…忍…」
「!! てめっ!成実!!ゆきのに何してやがる!!」
「ぎゃんぎゃん吠えるな、護衛のくせに側にいないお前が悪い。職務怠慢だろう」
「おまっ……自分の事を棚に上げて…!」
「五右衛門…!でも…た、助けてくれたのよ、成実は…」
成実に噛みつく五右衛門を慌ててゆきのは宥める。
「―――お人よしだな…お前は…」
「!!」
ほんの一瞬…チラリと見えた成実の穏やかな視線に心が揺れる。
しかしあっさりとゆきのに背を向けると、成実はさっさと戸口へ向かい、
「忍…若か小十郎が来るまで待つことだ。馬が無くてはその足では城まで帰れんからな」
「え、ゆきの、怪我したのか!?」
成実の言葉に、五右衛門はあわててゆきのに駆け寄り顔を窺う。
「だ、大丈夫…成実が、手当してくれたから…」
「え…」
五右衛門が意外そうに振り返ると、成実の姿はそこにはもう無くて。
「ごめんな……俺がちゃんと傍についていれば…」
改めて五右衛門が謝罪の言葉を口にすると、ゆきのは首を振った。
「……いいの、大丈夫……」
「ゆきの? 成実と…何かあったのか!?」
「!いいえ…!何も…!――-何も…なかったわ……五右衛門」
五右衛門に答えながらも、
(毒の棘を抜けば―――)
成実の言葉こそが甘美な毒のようだと――-ゆきのは感じずにはいられなかった…。
-終-
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現在お礼文3件UPしています!
(超小ネタSSSより OZMAFIA1・緋色1・
ブラコン1・2013.8.13.)
fxwill.com
お見苦しいところが多々あると思いますが、よろしくお付き合い下さいませ。
こちらで取り扱いますゲームの内容やそれに関連する創作SSに関しましては、製造元などとは一切関係がございません。あくまでも個人的に書き連ねているものですので、ご理解・ご了承のうえお楽しみ下さいませ。
なお、内容に関しましては無断転記等一切ご遠慮下さいますようお願いいたします。