恋の徒花（あだばな） （ゆきの→五右衛門）

戦国LOVERS　ＳＳ　　＞　ゆきの → 五右衛門　　です！　

攻略が～～っ！！
小十郎から前に進めない(T_T)
―――通常終幕に行けないっ（号泣）！
どうして……普通に終わりたいだけなのにっ。
はぁ～、おかげさまで攻略後に貰える「両」（ゲーム内通貨というのでしょうかね？）だけがじゃんじゃん溜まっていって―――先に奥州の２本の番外編に手をつけてしまったよ！！！

何度も何度もぐるぐる小十郎ルートをしていると、なぜか五右衛門に愛着がわいてきて（笑）。
思わず、姫からの矢印で書いてしまいました…。

しかもコレ…小十郎ルートの真ん中あたり…。（それも姫→五右衛門って…：苦笑）
五右衛門が、強引に政宗の寝所に直談判しに行ったけど途中で見つかって投獄され、殺されるかもしれない…というヘビーな展開の部分です(^^ゞ。
恋心の表現が無いだけで、この時の姫の感情から大きく外れていないとは思うんですが。

それでは。
けっして甘くは無いですが！！
お楽しみ頂けましたら幸いですm(__)m

―――分かっている…こんなことで何かが変えられる訳がないって…。
でも、何かせずにはいられない。
だって……私にとって五右衛門は…！

五右衛門と引き離されて、ゆきのは焦燥感に満ちていた。
幼いころから兄弟のように育った五右衛門…。
忍びの訓練でボロボロになった五右衛門に薬を塗ってあげるのはゆきのの役目だった。
何かにつけ心配性で、過保護で、いつだって身を呈してゆきのを守ってくれた…。
そんな五右衛門を兄のように慕い、悪友として共に悪戯をして遊んだ日々は、いつの間にかゆきのの心の内に誤魔化しようのない感情を芽生えさせていて…。

（五右衛門…！！　絶対に、あなたを死なせたりしないから…！）
暗い廊下を渡り、出会う人の目も気にせず一直線に目指す部屋へと足を進める。

…自分が「姫」という立場にあると同時に、五右衛門が「従者」という立場であるという事を理解できるようになった頃。
なんだか落ち着かない言葉遣いと、目に見えて隔てられた２人の距離に胸が痛んだりしたけれど。
それでも五右衛門は、ゆきのの傍にいた。
関係がはっきりと線引きされても…変わらぬ笑顔で、変わらぬ心遣いで…あの辛い出来事さえも共に乗り越え今に至るのだ。
たった一人の肉親同様の身内であり―――何よりも大切な人だから……。
姫と従者―――それ以上の関係にはなりえないけれど。
だからこそ、それすらも奪われる訳にはいかない。

小十郎の寝所の前で気持ちを落ち着かせるように一つ息を吐き。
ゆきのはまっすぐに視線をあげて、障子に手をかけると、
「―――夜分に失礼いたします」
静かに声をかけ障子を引き開けた。
「……姫様…」
小十郎の静かな声に、たじろぐことなく視線を据えて。

―――五右衛門は……いつも私を守ってくれた。
だから今度は私があなたの為に……。

決意に満ちたゆきのの視線を、小十郎は静かに受け止めた―――。
 

　－終－