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いらっしゃいませ! このブログでは、カヌチ二次創作(緋色の欠片、ウィル・オ・ウィスプ、ラスエス3他)、乙女ゲームの感想など、管理人ベルルの暴走気味の妄想をつらつらと書き綴っております。現在「三国恋戦記」絶賛応援中です!!     -since 2009.7.25-
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本日は、アキのお誕生日でした~ヽ(^o^)丿
という事で、お祝いのSS♪

ごめん、ギリ当日だよ(>_<)
ホントは20日になった瞬間にUPしたかったんだけど……校正が間に合わず…(-_-メ)
このタイミングになってしまいました(苦笑)

でも、いいや。
去年はお祝いのSSすら、書いてあげられなかったからね!
今回のお相手は、クラトvv
お約束のネタですけどね(^^)
(書いてないけどED後設定です^^)

それでは、お楽しみ頂けましたら幸いですm(__)m


夜。
いつものように看板をしまって、アキは店の受付台の椅子に座った。
「アキ…今晩、時間空いてるか?」
昼間、店に来るなりクラトにそう尋ねられ。
「え?ハイ、大丈夫ですよ?…何かあるんですか?」
「うん?まぁちょっと…。 じゃあ、店が終わるころ迎えに来るから、待ってて」
そう言い置いて去っていったクラトの言うとおり、彼を待っていた…。

「悪い! 待たせたか!?」
息を切らして、クラトが店の戸を開けた。
「お疲れ様です、クラトさん。 大丈夫ですよ、今片付け終わったところですから」
「お疲れ。 ふぅ、それなら良いんだけど…ん?それ、何?」
受付台の上のカゴに気づいてクラトが聞くと、
「あ、軽くつまめるものと、お茶です。………あの後、考えてたんですけど―――もしかしてヒカリムシを見に連れて行ってくれるのかなぁ…って」
上目遣いで…ご機嫌を窺うようにアキは言った。
もしもサプライズのつもりで準備してくれていたのなら、それは口にしない方が良いのだろうけど、でもアキはそれを確認したくてたまらなかった。
クラトが―――自分の為に用意してくれたサプライズなのだ、と。

「なんだ、覚えてたのか…。そうだよ、ヒカリムシ―――今年は今日見られるんだ」
言い当てられて少し残念そうに…でも穏やかに笑ってクラトは頷いた。
「忘れるわけ―――ないです。スゴクキレイだったもの…。 えへへ…嬉しいな…」
「…そう?」
「はいvv」

だって―――たった一夜のその幻想的な光景を一緒に見る相手に…私を選んでくれた…。

アキのその想いは言葉にはならないけれど。
なんとなくクラトには伝わるような気がして、アキは微笑んだ。
「…じゃ、行くか」
「はい!」
そうして、2人は連れだって店を出た。


街を出て街道を行き…それから途中で脇道にそれて。
川が近くにある草原まで出ると、ひんやりした風が辺りを吹き抜ける。
「クラトさんって……いつもどうやってヒカリムシの日を知るんですか?」
お茶を飲みながらの雑談…。
「あ、知らない? ヒカリムシ速報ってのがあるんだぞ?」
「え!?本当に!?」
「ぷは!…そんなはずないだろ? 何でも信じるんだなぁ?アキは…」
軽く笑い飛ばしながら茶化すクラトにアキは頬を膨らませてみせた。

「もぅ、クラトさんのいじわる!!」
「ゴメン、ゴメン…、でもソレに近いのはあるんだ。 ヒカリムシの生態を研究してる所があって、この時期に『その日』を発表してるんだ。 まぁ…去年の発生日と、ここ1カ月程度の暦を元に自分で計算も出来るんだけどね…」
「!?自分で計算? って…クラトさん、ソレやってるでしょう?」
思わず興奮してそう言うと、クラトは少し顔を強張らせてチラリと視線をそらした。
「あ”~~~…うん…、やってる……一応」
「?どうしたんですか?…私、変な事聞きました??」
「いや、アクトにはそんなネクラなこと、やめとけって言われててさ…。俺としては、自分の計算結果と専門家の結果が合ってるか答え合わせをしているようなもんだったんだけど…」
「ふふ、分かりますvv 使っている石と出来あがった剣だけ見て、同じものを造るように配合を考える時と似てますね!」
「そう、それだよ! 化学ってさ、そこにある法則を確認していく作業が楽しいんだよな!」
「はい…!」
 
他愛ない会話を続けながら、ヒカリムシが現れる時を待つ。
すっかり夜も更けて、静かな―――世界に二人っきりしかいないんじゃないかと錯覚しそうな静寂の中で…。
「…もうそろそろかな…」
クラトが小さく呟き、視線を草原の方へ向ける。
しばらく眺めていると…ゆれる草の葉の影から、一つ、二つ…と小さく光るものが現れだして。
「ぁ…!」
小さくあげた声を慌てて抑える。
その小さな光の粒はどこから現れるのかすぐに数を増やし、あっという間にソコはほのかに光り輝く金色の草原に変わった…。

「――――キレイ…」
「うん……… 一年に一度、この時のために…だもんな」
クラトの言葉に頷いて、ふとアキは隣に立つクラトを見上げた。
「ん?」
アキの視線に気づいて、クラトがこちらをみる。
「またここに連れてきてくれて……ありがとうございます」
「―――まだ、もう一つあるんだけど」
「え?」
クラトはそう言いつつ手の中に持っていた時計に目をやる。
時計の針は2本とも、天頂を指していた。
それから―――アキの手をとり、そこに口接けを落す。
「/// クラトさん!?」
「アキ、 誕生日、おめでとう…」
「…え………知って、たんですか?私の…誕生日」

「/// 一番最初に、おめでとう、を言いたかったんだ…。夜が明けたらさ…警備隊のみんなやチナキさんとか…もっと大勢で一緒にお祝いするだろから。 一番最初に…アキだけに、俺のおめでとうを聞いて欲しかった…」
 
「ありがとう…ございます。 こんな…素敵な『おめでとう』は初めてです…」
クラトの言葉のせいなのか…この幻想的な光景の中だからなのか…。
アキの目が、少し潤んでいるのは気のせいではないのだろう…。
クラトはアキの肩を抱き寄せて、その瞳を覗き込む。
すると、お互いを見つめあう2人の間を、1匹のヒカリムシがすり抜けるように飛んだ。
「!……珍しいな…ヒカリムシが人の傍を飛ぶなんて…。光ってる仲間があっちにいるのに…」
思わずそちらへ目を向けたクラトの目の前で。
そのヒカリムシはアキの肩口にとまり小さく明滅を繰り返した。
 
「………カヤナ…?」
アキの口から当たり前のように零れたその名が届いたのか、ヒカリムシは再びふわりと飛びだすと、2人の周りを2度3度回ってから群れの方に戻っていった。
「―――クラトさん…あのヒカリムシ……きっとカヤナです…!」
「うん、アキにおめでとうを言いに来たんだな…」
「ふふ……そうなら、嬉しい…」
「―――――また、カナヤに持ってかれたなぁ…」
少し拗ねたような…クラトの声。
「え?」
「いや、こっちのこと。 そろそろ帰るか…」
「……はい」
手をつないだままクラトは歩き出し、その手にひかれてアキも続く。
 
……俺が言えた事じゃないんだけどさ。
―――以前カヤナと三人で一緒に過ごしたヒカリムシ見物の夜を、俺とお前の思い出に書き変えたかった…なんて、ムシがよすぎるよな?
まったく―――カヤナはこういう所が、意地が悪いよな…。

帰り道。
心のうちで自分勝手な愚痴をこぼしていると、不意に手をひかれて足を止める。
「?アキ?」
「あの……来年も…また、見に来たいです、ヒカリムシ…。それから、来年は…クラトさんのヒカリムシ予報も聞きたいです…!」
「くす……分かったよ。 見に来ような、来年も、2人で…」
「はい!」
クラトの言葉にアキは満面の笑みで答えた。
その笑顔を見られただけで―――今は十分だと、クラトは思った…。


♪BGM with 【GLAY:春を愛する人
……わかり合いたい気持ちほど 不安定な恋に悩む ねぇ そうだろう?…

THE FIN 

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自己紹介:
乙女ゲームもブログもまったくの初心者が管理人をしております。
お見苦しいところが多々あると思いますが、よろしくお付き合い下さいませ。

こちらで取り扱いますゲームの内容やそれに関連する創作SSに関しましては、製造元などとは一切関係がございません。あくまでも個人的に書き連ねているものですので、ご理解・ご了承のうえお楽しみ下さいませ。

なお、内容に関しましては無断転記等一切ご遠慮下さいますようお願いいたします。
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