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いらっしゃいませ! このブログでは、カヌチ二次創作(緋色の欠片、ウィル・オ・ウィスプ、ラスエス3他)、乙女ゲームの感想など、管理人ベルルの暴走気味の妄想をつらつらと書き綴っております。現在「三国恋戦記」絶賛応援中です!!     -since 2009.7.25-
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というわけで。
10000HIT 区切りのSSは、 猛獣使いと王子様SS ルシアティアナ です(^^)

や、ここはカヌチじゃないの??というツッコミは聞こえないんです(笑)
(あんなにカヌチって連呼したくせに…ねぇ??)

忙しかったのであんまり練れなかったのですが。
アヒル(というよりカモか…)といえば一度はこのネタを(笑)
豆知識として、『インプリンティング』はどの鳥類にもあるものではなくてカモやガンの仲間に見られるものだそうです。(ちなみにアヒルはカモの仲間です^^)

それでは。
少々微妙な感じですが、お楽しみ頂けましたら幸いですm(__)m
 



ある日の昼下がり。
「―――ルシア…?」
「………なんだよ…」
がぁがぁ、ピィピィ…騒々しい団体を引き連れて、その先頭に立つ被りものをしたアヒルが不機嫌そうに返事する。
「え…と、どーしたの?コレ…。ていうか、なんでその姿なの??」
ティアナの尤もな問いに、更に不機嫌そうにクチバシをカチカチと鳴らしてルシアは説明した。

見習い魔女の間抜けな呪いで、動物の姿に変えられたルシアとその兄弟たち。
呪いを解くための薬をなんとか手に入れて他の兄弟たちは呪いを解いたのだけど、生来の動物好きのティアナの為にまだ呪いを解いていなかったルシアは、従弟で現カトライア法王 クルトに話しのついでにその事情を説明してしまった。
するとルシアが話し終わった瞬間にクルトは彼をつかまえて、人の姿に戻すという金の粉の効き目が無くなるまで拘束したのだ。
しかも。
「わぁ!本当にアヒルだ!!スゴイね、ルシア!!アヒルに変身できる技を身につけるなんて……おれもお宝ハンターやめて、何かに変身する修行でもしようかな!!」
手を叩いて喜び、ついでに彼はアヒルのルシアを抱えて庭に出た。

「おい、何する気だ?もーいいだろ。離せって!!」
もがくルシアの事なんて気にもせず、クルトは家畜小屋に入った。
「あのさ、一回試してみたかったんだ♪」
「はぁ?何をだよ」
にっこり笑うとクルトは大きな木箱の中にルシアを押し込めた。
「な、何するんだよ!クルト!!出せ!!」
「えへへ~…丁度いい頃合いだったみたいだよ?ルシア♪」
「は?」
「う・し・ろ……見てごらんよ♪」
言われて振り返ると―――薄暗い木箱の中にごそごそとうごめくモノがいて。


「―――で、孵ったばかりのアヒルの雛を、引き連れてきちゃったってわけね…」
「………………」 がぁがぁ、ピィピィ…
「……おかあさん…」
「オレは男だっっ!!!」
「ゴメンゴメン、でも…折角懐いてくれてるのに、親だと思った人(?)がいなくなっちゃ可哀相じゃない??」
「!!おまえっ…! オレにこいつらの世話をしろってのか!?」
勿論、同じことを言われてカトライア城の家畜番から仔アヒルたちを押しつけられたとは言わない。
「大丈夫だよ。 アヒルは丈夫で成長も早いし…世話は楽な方だと思うよ?」
大人アヒル(ルシア)の体を抱き上げて、ティアナは背中を撫でながらそう宥める。
「っ…くそぉ…やっぱクルトなんかに話すんじゃなかったーーっ!!」
「四六時中アヒル姿でなくても大丈夫だよ、きっと。 だから、この子たちが大人になるまで世話してあげようよ…ね?」

「―――――――…お……大人になるまでって………どれくらいかかるんだよ…」

そっぽを向いて小さく拗ねたような声で言うルシアを、ティアナはぎゅっと抱きしめて。
「ふふ、3ヵ月くらいかな??」
「っ…ばか、離せって!…あ”ーもう! こいつらが大きくなったら、ソッコーで薬飲むからな!!」
「えー? じゃあ…もうちょっとだけこうして抱っこしててもいい??」
「/// そ、そういうのは…!!」『人の姿の時にしろ!』
と、叫ぶ前に。
フードの中に隠していた金の粉が零れて…ルシアにふりかかり…。

「!!ぶはっ…! っおい、金の粉、かかってないよな!?」
ティアナの腕の中で人の姿に戻ったルシアが慌てて彼女の無事を確認するが。
現状は丁度ルシアがティアナを押し倒しているような格好となっていて…。
「!!っ……ルシア…!ち、近いよ!!」
突然人の姿に戻ったルシアが至近距離の目の前にいて、慌ててティアナは身体を起こして腕を突っぱねる。
ティアナのその様子に、逆にルシアは彼女の手を掴んで引き寄せ、
「/// ふーん? でも、お前がこの距離にしたんだろ?」
と囁いた。

一見―――立場が逆転したように見えたのだが。 
「―――――…ルシア……顔まっかだよ?」

「!!っ…う、うるさいっ…これは!
(くそぅ…今ほど、マティアスみたいなフェロモンが欲しいと思ったことはないぜっ!!)」
「ふふ…ルシア、可愛い♪」
「ア、アヒルじゃない俺を可愛いって言うな!!」
「えー?じゃあ、この子たちを…」
ルシアの言葉に、残念そうな顔をしてティアナは仔アヒルへ手を伸ばす。  
その手を押さえて…もう片方の手でティアナの頭に手を添え抱き寄せると、ルシアは彼女の唇を塞いだ。
「…ばかやろ……アヒルじゃなくて、お前はこっちを見てればいいんだよ…」
「…ルシア…」 
「/// オレ以外のアヒルを…抱いたり頬ずりしたりすんな…」
「うん、分かった…」

がぁがぁ、ピィピィ…
珍しくいい感じに抱き合った2人の周りを、仔アヒル達が練り歩く。
まるで王様につき従う従者のようだと…ルシアの胸に頭を預けて、その騒がしくも愛すべき騒音に耳を傾けながらティアナは思った。


THE END

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