ということで。
前から書こうかどうしようか悩んでいた、シンさんの捏造EDバージョンを思いきって書いてみました~^^。
実を言うと、白のEDの時点で私が思い描いていたのは、コレですm(__)m
本編でのEDも、良いんですけど…ちょっと辛いから。
ご都合主義でも何でも、大団円が好きなんです!
そんな私の自己満足な1編ですが、お楽しみ頂けましたら幸いですm(__)m
(念のため、ネタバレ注意です!!)
ソルとルアとオルタが重なり始め―――審判の刻が訪れる。
戦場の混乱を離れ、シンはカスガと共にあの始まりの場所に立つ。
お互いに、振り切れない想いを抱えながら帰るべき場所への一歩を踏み出す。
「シンさん!カスガさん!」
息を切らしてアキが駆けつけた。
「アキちゃん…」
光のささなくなった空の代わりに、シンとカスガの背後には光の扉が出現していた。
その光の先は、自分たちの帰る世界。
否…帰るべき、世界―――。
「シンさん!!」
「アキちゃん……今までありがとうね。もう傍で守ってあげられないけど…警備隊のみんながいるから大丈夫だよね? 鍛冶の腕も、一人前以上だし…さ」
明るく…いつものように言いたかったのに。
言葉は途中で勢いを無くし、それに比例するようにアキの表情は崩れて……大きな瞳からは涙がこぼれだしていた。
「シン…さん…カスガ…さん、2人とも……本当に…?」
嗚咽交じりの声は、想像以上にシンの心を締め付ける。
この子に―――こんな思いをさせたくなかった…。
泣かせることはしたくなかった。
けれど、もう遅い。
想いを交わした以上…引き返すことなんて出来ないから。
「―――これでもう、お別れだよ、アキちゃん」
シンが絞り出すような声でアキに告げる。
「や…だ……いやです! やっぱり、行かないで…!」
アキはシンに縋りつき訴える。
行かないで…と。
何度も触れ合ったあの温もりも、交わしたキスも……この手を離してしまったら、もう2度と手にいれることはできない…!
夢のように跡形もなく消えて―――この出逢いも想いも全て、嘘だったのではないかと。
どこかに消えてなくなってしまうような焦燥感に。
ちゃんと見送ろうと決めた心が、大きく揺らぐ。
「!…ダメだ…ダメなんだ、アキ…。何度も言っただろう? 俺は、俺とカスガは、この時代にいちゃいけない人間なんだ!」
「そんな…!」
縋りつくアキの身体を抱きしめてシンは彼女の唇を塞ぐ。
呼吸をするのも許さぬほど、強く強く口接けを交わし、そして…。
「それでも君は―――俺のカヌチだから…」
一つの決意を固め微笑むその瞳は涙にぬれていた。
「シンさん…!」
なおも縋ろうとするアキの目の前で。
「!!」
シンの唇が声にならない言葉を紡ぐ。
それを見たアキも又―――唇の動きだけで言葉を返し。
シンは力強く頷くとアキの手をひきはなし、さきに行ったカスガの後を追って光の扉の向こう側へ飛び込んだ。
「!!シンさんっ!! …シンさぁぁん!!!」
光の扉はその直後に跡形もなく消えて―――周囲に光が戻る。
湖の畔…審判の刻が過ぎてもなお、アキはその場で泣き崩れていた。
「―――連れてきてやれば良かっただろう。 お前は…後悔の多い選択ばかりをする…」
納得がいかないという表情でカスガはシンを見た。
「バカだな…それじゃ何の解決にもならないでしょうが…。 それに、こっちへ来ても後悔するよ。 残ってももちろん、後悔するんだろうけどね…」
俯いたまま、シンは静かに言った。
「シン…」
「どちらを選んでも、100%良かったなんてこと…ないんだ。でも―――残った時は、一つ、選べる…」
「?……選ぶ…?」
カスガは怪訝な顔で聞き返した。
「俺は……ソレに賭けたんだ」
そういってシンは顔をあげ、不敵に微笑む。
「??何に…賭けたって?」
「『あの日から繋がっている』 未来 に…」
シンがそう答えた時。
薄暗い湖の畔に足音が響いて。
その音がだんだんとこちらに近づいてくる事に気付いたシンの表情は、確信の笑みへと変わる。
「…シン!?」
朝もやがかかり影しか判別できないというのに、シンはそちらへ踏み出していた。
「シンさん!! カスガさん!」
「ただいま!アキ!!」
息を乱し、夢中で駆けてきたその人影をシンは躊躇なく抱きとめる。
「…アキ…!?」
ぎゅとシンにしがみつく女性の声は確かにアキのものなのに。
けれどその姿は、さっきまで目の前にいたあの少女ではなく…もっと随分大人っぽくなっていて。
カスガは目を見張りその様子を見つめた。
「…会いたかった…!! シンさん!」
「―――待っててくれてありがとう、アキちゃん」
「だって……シンさんが約束をくれたから…」
あの、別れの瞬間に。
『未来で…結婚しよう アキ』
『―――待っています』
「………そうだね…でも、十年は長いから…。俺にとっては、本当に大博打だったんだよ? でも、もう君を離したりしないからね…ずっと、一緒だよ」
相変わらず華奢なその身体を抱きしめて、シンは囁く。
愛おしさがこみあげてきて、その温もりを、その匂いを…もっと感じたいと。
彼女の存在を自分に刻みつけたいと、抱きしめる腕に更に力がこもり。
「!…シン! 馬鹿者!それではアキが窒息する!」
バシッと後ろからシンの頭をはたき、カスガが慌ててアキを救出した。
「イテテ…ご、ごめんね?アキちゃん。 大丈夫?」
その勢いでシンの腕がほどけ、改めてお互いの顔を見合わせて、涙でぬれたその顔が笑顔に変わる。
「―――おかえりなさい、シンさん、カスガさん」
「ああ…ただいま、アキ。 十一年か…本当に、帰ってきたんだな」
カスガも又シンの言葉の意味を理解して、アキに頷きを返す。
あの別れの瞬間に、この時代での再会を約束していたとは…。
「ま、これから色々大変なんだけど」
相変わらず、何でもない事のように言ってのけ、シンは表情を改めてアキへと向き直る。
「アキちゃん…君に与えしまった十年の空白の時間(とき)は、これからきっちり返していくからね! もう―――あれは無かったことに…てのは受けつけないから。 覚悟してね?」
アキの頬を両手で包みその瞳を覗き込んでシンが真剣にそう告げると。
「分かってます。 /// でも、あの…」
頬を染め、言いにくそうにアキは口ごもる。
「ん?」
「あの……もう、あの頃と違って…子供じゃないので、『アキちゃん』っていうのは…」
「何言ってるの、アキちゃんはアキちゃん! 俺の、一番大切な人だよ。何も変わってないでしょ」
「!シンさん…」
そこで再びシンはアキを抱きしめるから。
カスガの前であることを意識して腕の中でもがくアキに、万感の想いを込めてシンは囁いた。
「―――愛してるよ、アキ…。 これからは一緒に時を紡いでいこう」
「はい―――」
朝焼けの赤い光の中で、2人は誓いを交わしキスをした―――。
♪BGM with 【嵐:Be with you】
……どんな過去も どんな明日も 分かち合おう だから僕は君のもとに…
THE FIN
◇ 言い訳デスm(__)m ◇
未来で再会編。
これが見たかったんですよ(>_<)。
本編ではどっちのEDも悲しいので…。
どうしても、シンもカスガも生きて未来に帰って欲しかった!
(や、カスガはあまり帰ることに固執してなかったように見えなくもないですけどね…)
ついでに、あれだけ未来に帰る事にこだわったシンがあっさりアキを連れて行くのも、本当は筋が通ってないと思ったので。
はぁ~^^自己満足♪
でも充実感vv
お付き合い頂いた皆様に、感謝ですm(__)m
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現在お礼文3件UPしています!
(超小ネタSSSより OZMAFIA1・緋色1・
ブラコン1・2013.8.13.)
fxwill.com
お見苦しいところが多々あると思いますが、よろしくお付き合い下さいませ。
こちらで取り扱いますゲームの内容やそれに関連する創作SSに関しましては、製造元などとは一切関係がございません。あくまでも個人的に書き連ねているものですので、ご理解・ご了承のうえお楽しみ下さいませ。
なお、内容に関しましては無断転記等一切ご遠慮下さいますようお願いいたします。