……申し開きのしようもありませんが。
かんざし…かいたのになぜか自分の中にもやもやが残っていて。
気になってので、おまけ を書いてみました。
書いた途端にスッキリしたので、少々思っていた展開からズレていたようです…(^^ゞ
白の中でクラトとチナキの絡みがほとんどなかったように記憶しているので、どう会話させようかちょっとだけ悩みました。
ちょっとはチナキらしさが出ていますでしょうか?
チャキチャキの姉御肌。
それがチナキのイメージです^^。
それでは。
少々蛇足の感は否めませんが……お楽しみ頂けましたら幸いデスm(__)m
市場で買い物をしていると向こうから見慣れた2人が歩いてやってきた。
仲がよさそうな2人の様子には思わず顔が綻ぶけれど、並んで歩くその距離は少し微妙で…。
チナキは小さく苦笑して2人に声をかけた。
「おや、お二人さん、さっき店に来てくれたんだってねぇ?あたしに何か用事かい?」
「!!チナキさん!…ハイ、あの…スミマセン!チナキさんがアキに譲ってくれたあのかんざし……その、割れてしまって。…俺とシンさんで取り合いになってしまって、その時に」
クラトがぺこりと頭を下げて謝ると、隣りでアキがあわてて言い添える。
「チナキさん、ゴメンナサイ。でも、クラトさんは悪くないんです。…私の為にシンさんと取り合う形になっただけで…!」
そんな2人の微笑ましい様子をカラカラと笑い飛ばし、
「いいよ、気にしなさんな!一度譲った以上はアレはこの子のものサ。だから、この子にはちゃんと謝ったげておくれよ。あたしが気になるのは―――アレを誰に…」
「!!チナキさん!」
チナキの言葉をアキは慌てて遮る。
「クスクス…あぁ、あんまり意地悪を言っちゃいけないねぇ♪…おや、それは?」
そしてアキの手にあるものに目をとめた。
「あ、コレは…クラトさんが割ってしまったお詫びにって。今一緒に選んできたんです」
少し頬を染め、嬉しそうに笑うアキの手にあるかんざしを見て、チナキは軽くクラトを睨む。
「!?え…と、あの、…チナキさん?なにか…?」
その視線に気づいたクラトがビクビクとお伺いを立てた。
「何か?じゃないよ、まったく!折角替わりのかんざしを見立ててやったんなら、アンタが挿してやらなくてどーするんだい!…気が利かない坊やだね!」
「えぇ!?あ、ハイ!すみません!……アキ、貸して?…髪に挿してあげるよ」
チナキにビシっと言われ、クラトは慌ててアキの手から買ってやったばかりのかんざしをとりあげる。
「え?え!?」
そして戸惑うアキの背後にまわり、彼女のうなじのあたりに手を添えて、アップにしてある髪にそっとかんざしを挿した。
「…いたくないか?」
「ハイ…///」
クラトの手の温度を感じ頬が上気したままアキは小さくうなずいた。
「へぇ?良く似合ってるじゃないか…♪」
「…ソウデスカ…?」
チナキがそう言うと、面映ゆそうにアキは小首を傾げた。
そんな頭の動きに合わせて、段違いについた赤い飾り石がゆらゆらと揺れるのがまた可愛らしい。
「ちょっと!何か言う事は無いのかい!?」
じれったそうにチナキがそう突っ込むと、思わずアキに見惚れていたクラトはしどろもどろになって。
「え…と、…あ、赤い石が良く似合ってるヨ…」
「……なんで棒読みなんだい、この男は…」
呆れたようにチナキは溜息ひとつ…。
少し頬を染めながらもアキを見て満足そうに笑うクラトを見上げて、釣られたように笑うアキの顔は照れて真っ赤になってしまっていて。
「アノ…!私…お砂糖切らしてたので買ってきます!」
その場にいたたまれなくなってアキは市場に走って戻っていく。
そんなアキの様子を笑って見送ってチナキは再びクラトにけしかけるような言を向ける。
「どうだい?自分の見立てたものを身に付けた女を見るのは…?気分いいだろう…?」
「!!か…からかうのは、よして下さい…」
チナキにそう指摘され真っ赤になったクラトもまた、チナキに軽く頭を下げると逃げるようにアキを追って市場へ走っていってしまった。
「ふふ…世話が焼けるねぇ…♪」
楽しげに呟いてチナキは店への帰路についた。
店に戻ると、毎晩のように顔を合わせている見慣れたその人物が、1人でもう飲み始めていた。
チナキは少々呆れながらも、酒瓶を1本手にするとそのテーブルにドンと置いた。
「??なにコレ…?俺は頼んでないよ?」
シンは不思議そうにこちらを見上げる。
「…あたしからだよ。…聞いたよ、あんたが話を面白くしてくれたんだろう?」
「ん?……アキちゃんのかんざしのこと?」
チナキの言葉に思い当って、シンはクスクス笑いながら置かれた酒瓶に手を伸ばす。
「俺は何もしてませんよ?純粋にあれを挿したアキちゃんを見たかっただけ~♪」
「ま、あんたのことはどーだっていいけどね…あたしはあの子を気に入ってるのサ」
「俺だってアキちゃんの事は気に入ってますよ?…ケド、正直クラトには勿体ないと思うね~」
そう思わない?と目で問いつつ、シンは酒を満たしたグラスをチナキに差し出した。
「…あのねぇ、シン…」
グラスを受け取りながらもチナキの声音は低くなる。
「とと…!冗談!…冗談だってば!」
「あの子の相手にゃ興味はないのさ。…ただあの子が想う相手であればそれでいい…」
「わ~かってますって!!…ま、とりあえず今のところは」
「そうさね…少しは何かが芽吹いてくれたことを願いつつ…」
「見守って行きまショウ?」
2人はグラスを合わせると、意味ありげな笑みを浮かべてその酒を飲み干した。
THE FIN
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現在お礼文3件UPしています!
(超小ネタSSSより OZMAFIA1・緋色1・
ブラコン1・2013.8.13.)
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お見苦しいところが多々あると思いますが、よろしくお付き合い下さいませ。
こちらで取り扱いますゲームの内容やそれに関連する創作SSに関しましては、製造元などとは一切関係がございません。あくまでも個人的に書き連ねているものですので、ご理解・ご了承のうえお楽しみ下さいませ。
なお、内容に関しましては無断転記等一切ご遠慮下さいますようお願いいたします。