えぇと…ちょっと前から書き始めていて。
何処まで書いても終わらなくて…(苦笑)。
とりあえず、1話には収まりませんでしたm(__)m
今回は若者らしく、青春の1ページのような感じを目論んでみましたが…(ーー゛)
だめです…落ち込みすぎます…。
真弘先輩に感情が向き過ぎて、まじめに書くと、どんどん苦しくなりました。
だから、まぁ…コンナ感じで^^
何とかかわしてみました…。
それでは。
お楽しみ頂けましたら幸いです……
「私……祐一先輩を好きになれば良かったな……」
心臓が……止まるかと思った。
昼間っから悪い夢でも見ているのかと…。
それなら早く…醒めてくれ、と。
自分の頬を思いっきり抓ってみたけれど、その痛みは現実のものだった。
ということは。
今聞いた事も、現実……なのか。
図書室のドアの前に座り込んで小さく溜息をついた。
部屋の様子を気配だけ窺うと、例によって祐一の奴は俺様の存在に気付いたようで。
ま、珠紀はそこまで敏くない。
だから、お前は余計な事を言うなよ?…俺様がここにいる、とかよ?
―――すぐにここを、離れてやるから…。
心の内でそういって、俺はそっとその場を離れた。
そのあとは、何処へ行くでもなくフラフラと廊下を歩いていた気がする。
―――祐一先輩を好きになれば……。
頭の中で何度もリプレイされるあいつの言葉…。
立ち聞きなんて趣味の悪い事をするつもりなんて無かったけれど。
たまたま祐一に用事があって放課後の図書室に足を向けただけなのに。
まさかそこで、こんな爆弾発言を耳にするとは思ってなかった…。
予想すらしてなかったから。ちょっと…いや、かなりの衝撃だった…。
クソ…! 今のでHPが999は削られたぞ…!!
―――もうまっすぐ歩けないくらい…ヘロヘロだっつーの!!
………やっぱり……女は顔の良い奴が好きなのか…?
祐一なんて、顔は良いんだろうが性格は天然だぞ!?
何考えてるか分っかんねーぞ…!?
長年付き合ってきたこの俺でさえ…未だにあいつを100%掴めてねーってのに。
それでもいいのか…!?
―――いや、待て。
顔の良し悪しなら俺だって悪くねーはずだ。
何度か告白された事だってある!
………うん、そう捨てたもんじゃねーだろ!
……じゃあ…性格…?
――この「俺様」な性格が…!?
いやいやいやいやいや!ソコは………付き合う前から分かってる事だろ?
それを今更…なぁ?
それに…直してくれって一度は言ってみるべきだろう。
改善……されるかも知れねーし!
―――つーことは………………改善される事のないトコロが原因かよ…。
い……言いたくねーが…!
み、認めたく…ないが、俺の―――身長が…!!…ガハっ!
クソ……い、今ので………俺様のHPが残り1になりやがったぜ…。
―――確かに……自分よりチビな男を連れて歩くってなぁ……かっこわりーよな…。
……………や!!…待て待て待て待て!!
何もそう自虐的になるこたぁねーだろ!
俺様には何の不満も無くたって、気持ちってもんは移ろうもんだ!!
だから……。
―――だから………あいつの心が…祐一を求めてるってなら。
四の五の言わずにそれを受け入れてやるのが、男ってもんじゃないのか!?
あいつが祐一を…好きになったんなら。
あいつが一番幸せになれるように手助けを――してやりたい…。
それが俺のやり方だ……珠紀…。
ジェットコースターのように上に行ったり下に行ったり、右へ左へ…加速減速を繰り返していた俺の気持ちは、自分でも驚くほど…落ち着くべきと処へ落ち着いてしまった…。
――――俺は……珠紀、お前が好きだ。
それはお前が、俺を好いてくれていたからじゃない。
お前がお前だから―――好きなんだ。
前向きで、あきらめが悪くて、意地っ張りで、弱虫で、人の為に泣いてしまう―――お前だから。
お前が俺を好きじゃなくても……俺の気持ちが変わる事はない…。
まぁちょっと……痛みは覚えるけどな…。
だから。
お前が望むなら………その途(みち)を示してやるよ――。
「鴉取先輩!さよーならー!」
……ようやくふっきれた俺は、気がつくと正面玄関まで来ていた。
下校する(たぶん1年女子の)後輩が、元気に声をかけて去っていく。
「―――おう!…気をつけて帰れよ!!」
大きな声で返事してやると、そいつは振り返ってぶんぶんと手を振って返してきた。
そんな元気な後輩共の姿を目にすると、何だか元気が少し戻ってきた気がして。
勿論ソレは……一般的にはカラ元気と言われている奴なのだろうけど、今はそれでもよかった。
どうしようもなくしょぼくれた…らしくない俺でいたくなかったから。
「よし…男 鴉取真弘……そうと決めたら、一歩も退かないぜ…!」
パン…と両手で自分の頬を叩いて気合いを入れる。
そこに……。
「真弘先輩…!」
廊下の向こうから、珠紀が走ってやってきた。
「――――よぉ……珠紀…」
喉の奥が渇く。
緊張しているのか…この俺が…?
チ、情けねぇ!!
―――好きな女の手を離す…その背を押してやる………その為の一言をちゃんと言ってやるくれぇの勇気も俺には無いってのか!
「……せんぱい…?」
「…たまき………おまえさぁ…祐一が好きなら、そっちに行けよ。……なんなら俺が、取り持ってやってもいいんだぜ…?」
笑ったつもりだったが…きっとその笑みは歪んでいただろう。
―――本当に……小っせぇ男だな…俺は。
自己嫌悪と不甲斐なさに俺は珠紀から目を逸らし…そして。
「せんぱいが………そう言うなら…」
消え入りそうな珠紀の声を……聞いた。
-続く-
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
現在お礼文3件UPしています!
(超小ネタSSSより OZMAFIA1・緋色1・
ブラコン1・2013.8.13.)
fxwill.com
お見苦しいところが多々あると思いますが、よろしくお付き合い下さいませ。
こちらで取り扱いますゲームの内容やそれに関連する創作SSに関しましては、製造元などとは一切関係がございません。あくまでも個人的に書き連ねているものですので、ご理解・ご了承のうえお楽しみ下さいませ。
なお、内容に関しましては無断転記等一切ご遠慮下さいますようお願いいたします。