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いらっしゃいませ! このブログでは、カヌチ二次創作(緋色の欠片、ウィル・オ・ウィスプ、ラスエス3他)、乙女ゲームの感想など、管理人ベルルの暴走気味の妄想をつらつらと書き綴っております。現在「三国恋戦記」絶賛応援中です!!     -since 2009.7.25-
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TOKYOヤマノテBOYS DARK CHERRY DISC より イエスチヒロ です^^。

恋愛ルートの方だったと思うんですが、イエスがめんどくさそうに料理してくれたのが忘れられません(苦笑)。
(勿論その前後のドタバタも、ニヤポイントの一つです!)
あれでなかなか面倒見が良いようですね(笑)。
防犯上、一家に一人「琉堂イエス」を設置してはいかがでしょう!?
(ただし、過剰防衛になったとしても責任はとれませんが)
…なんて冗談はさて置いてm(__)m。

お楽しみ頂けましたら幸いです~m(__)m




ジュ~~~!
「いつ見ても…手際いい…」
BANQUISH のキッチンでフライパンを振るイエスの手際を眺めながら、チヒロは感心したように吐息をついた。
自慢じゃないが料理の腕は「・・・」の自分と比べれば、天と地ほども差があるだろう。
「チ…俺はお前のメシ係じゃねぇンだよ―――毎度俺に作らせやがって…」
口ぶりこそ不機嫌そうだが、まんざらでもなさそうな様子でイエスはゆで上げたパスタをフライパンに投入した。
 
「だって、イエス君の作ってくれるパスタ…どのお店で食べるより美味しいんだもん♪ だからイエス君の顔を見たらお腹がすいちゃうの」
「パブロフのなんたら か…」
「え、なに??」
呆れたようなその呟きに、チヒロはきょとんとしてイエスを見た。
時折見せるそんな無防備な表情が これまでの自分の周囲にはなかったので―――彼女の無防備さに呆れつつもその存在に心を許している自分が存在する…。
誰かに対してそんな想いを抱くことがあるなんて想像もしなかったけれど、そんなありきたりで平凡な感情も―――悪くない。 
 
「条件反射だ、バカ ……っと、ほらよ、食え」
あっという間に出来上がったパスタは、イエス命名「適当ペペロンチーノ」。
ニンニクとオリーブ油、そして赤唐辛子だけの至ってシンプルなパスタ料理だ。
ざ、とフライパンから皿に流し入れられたパスタは兎に角美味しそうなのだが……。
「………」
「なんだよ」
「…多いよ! こんなに食べられないって!」
フォーク片手にチヒロは思わず突っ込む。
大皿にたっぷり盛られたペペロンチーノ。 いくらなんでも女子一人のお腹に収まりきらないのは火を見るより明らかだ。
 
「うるせえ……文句があるなら食うな」
「いただきます。 ……ん、美味しい!」
そっぽを向いたイエスを横目に、とりあえずの空腹を満たそうと熱々のパスタを口いっぱいに頬張ると、チヒロは満面の笑顔を見せた。
それはいくつも見てきた彼女の笑顔のなかで、イエスが気に入っているものの一つだ。
「………(コレが……お前が言ってた事なのか…? こいつが傍にいる。当たり前のように話しかけて、笑いかけてくる…。 今ここにお前がいて、俺たちを見たら…どう思うんだ?)」
「勿体ないよね、こんなに美味しく作っちゃうのに……」
「―――何が」
ふと沈みそうになった思考から引き上げられて、イエスの強い瞳がチヒロに向けられる。
 
「え…と、……だって料理人って感じじゃないもの…イエス君は」
「別に…料理が好きな訳じゃねーし」
「そうかな~……ホント、パパっと作っちゃうのに、どーしてこんなに美味しくなるの? 何か秘密でもあるの??」
パスタを口に運びながらも楽しげにチヒロは言葉を繰り出す。
「知るか」
感傷的な自分に自嘲しつつ、イエスは短く答える。
「分かった! 秘密は『愛情』でしょ♪」
「!!てめ…!いい加減に」
「きゃぁ!」
チヒロの言葉に怒ったように身を乗り出したイエスは、げんこつで彼女の頭をぐりぐりと押さえつけた。
 
「いったーい」
「下らねぇこと言ってるからだ、ば~か!」
不貞腐れたようにそう言うイエスの頬が、心なしか赤くなっているように見える。
それがチヒロにはなんだかくすぐったかった。
「ふふ…(照れてるイエス君って、ちょっと可愛い…vv) だって、本当に美味しいから! ね、ほら、イエス君も食べようよ。 余裕で2人分あるでしょ、コレ…」
そういってチヒロがイエスの分のフォークを差し出すと。
「――――…メンドくせぇ………そんなに言うんなら、食わせろ…」
「え!?」
「俺はフライパンを振って、腕がだりぃんだよ。 フォーク持つのも面倒だ」
「/// わ、分かったよ…」
イエスの言い分に、作ってもらった立場のチヒロは何となく強く出られなくて。
くるくるとフォークにパスタを巻き付けて、チヒロはイエスの口元へ差し出した。
 
「はい、どうぞ。 もう…水とか栄養ゼリーばかりじゃダメなんだからね」
「こんな熱いまま食えるか。俺は猫舌なんだよ。 冷ませ…」
確かに、皿からはまだたっぷりと湯気が立っているけれど。
チヒロは思わず皿とフォークとイエスの顔を順番に見た。
「えぇっと…」
「冷まさねぇなら食わねぇ。 俺は水でいい」
「ちょ、まって、まって。…もぅ…///」
慌ててチヒロはフォークに顔を寄せると、少し唇を尖らせてふぅ~っとパスタに息を吹きかけた。
 
「―――――」
「…ん…、コレでだいじょう…!?…んん…!」
2・3度息を吹きかけて、ようやく食べてもらえるとチヒロが顔を上げた瞬間、頭を抱き寄せられて唇を塞がれた。
 ……ちゅ… ―――カラン
驚いて取り落としたフォークが皿に落ち、乾いた音を響かせる。
「/// な…!」
「ふん、そんなモノより、こっちの方が美味いだろ?」
憎らしい一言が、唇に吹き込まれる…。
 
「~~~っ /// イエスく!!」
さらに、真っ赤になったチヒロが抗議しようとするのを遮るように、続けざまに唇を塞がれ、執拗に舌を絡ませられる…。
何度も繰り返し奪われて…チヒロはすっかりのぼせてしまった。
「クク―――早く食わねえと、冷めて不味くなるぜ」
くい、と顎を持ち上げられたチヒロはじわりと潤んだ瞳で恨めしげにイエスを見た。
「―――も、絶対、イエス君には熱いものを冷ましてあげないんだから…!」
「あぁ、そうかよ」
強がったチヒロの一言を、イエスは楽しげに笑って一蹴する―――。
それがBANQUISH でのいつもの光景だった…。 

 
THE END
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自己紹介:
乙女ゲームもブログもまったくの初心者が管理人をしております。
お見苦しいところが多々あると思いますが、よろしくお付き合い下さいませ。

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