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いらっしゃいませ! このブログでは、カヌチ二次創作(緋色の欠片、ウィル・オ・ウィスプ、ラスエス3他)、乙女ゲームの感想など、管理人ベルルの暴走気味の妄想をつらつらと書き綴っております。現在「三国恋戦記」絶賛応援中です!!     -since 2009.7.25-
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雅恋SS > 壱号参号 です^^。

いやいやいや…なぜに壱号参号??という疑問が、自分の中にあるのですが!
しかも、ホントはそれほどCPな話じゃないし!(苦笑)
というかですね。
雅恋 晴明攻略したんですよ。
そしたら壱号達の話が書きたくなったんです。(<ナゼ!?)
淋しんぼの壱号は、きっと弐号がいなきゃ調子が出ないんだろうな…というのが発端ですが。
淋しんぼ度合いはきっと 晴明>壱号 という印象を(晴明ルートを終えて)抱いてしまった為、こんな具合になりました(^^ゞ

いまさらですが、ED後のSSですので、若干ネタバレ含みます!
続きの先は反転してませんので、ご注意くださいませm(__)m

それではお楽しみ頂けましたら幸いです(^^ゞ。


いつも邪魔だって思ってた。
余計な事ばかり言うし、いらないことばっかりするし。
その上妙に勘が良くて、こっちが知られたくない事に気づいちゃそこを突っ込んでばかりで。
―――まぁ…ボクの事に敏いのは、当然っちゃ当然なんだけど……。
だから『あの時』も、本当はこうなる予感がしてたんだ。
まったく……普段はあんなにバカなのに、一人でカッコつけて…。
朱に染まる空を眺めながら、ボクは小さく息をついた。
「………今日も戻ってこなかったね」
「参号…」
いつのまに来たのか、後輩が隣に座ってボクと一緒になって空を見上げていた。
こちらへ帰ってきてから毎日、仕事のない日はボクはこうして空を見るふりをしながら、アイツを待っている。
あの―――煩いけれど、ひどく存在感のある相棒を。

「晴明様……今、どの辺りかなぁ…?」
「さぁな―――晴明の事だ…必要になったら召喚(よぶ)だろ」
「でも、晴明様は知らないよ?…壱号くんが戻ってきたこと…」
「―――――」
「知らないけど……きっと戻って来るって言ってた…晴明様は」
「…そっか」
「うん、だから…………弐号くんもきっと戻ってくるよ」
「……あぁ」
遠回しに………何かを気遣うようなコトバ。
そこに込められた想いを、分かっているつもりだったのに。
「――――腹減ったな」
パンっと膝を叩いて立ち上がり邸の奥へ入ろうとすると、いつもならついてくるその影が動かない。
「?……おい?」
動かない影。
違う……動けない、影。
「――――ごめんね。……私が、泣いたりしたから…っ…!壱号くんを、呼んだりしたから…弐号くんは…!」
ポロポロポロと零れ落ちるのは、きれいなきれいな涙の粒達。
望んだのは、そう……こんな形じゃなかった。
誰か一人…何か一つ欠けたって、ボク達は不完全なままなんだ。
けれど。
「お前のせいじゃない。元々はボクのせいだ。…東夷にしてやられたのも、晴明の力になりたいと願ったのも、もう一度―――お前に触れたいと望んだのも。 皆…ボクの我がままだ」
「違うよ…! 私が壱号くんを呼んだから。…待って…いたから…」
「違わないってば! 怒るぞ!」
「だって!」

『あかんなー、壱は。 女の子にはもっと優しゅうしたらなアカンで? そーやないと嫌われるで?』

頭の中に突然響いた懐かしい声。
「!? に…ごう!?」
「え?何? 弐号くんがどうかした!?」
ボクの声に驚くように上がった視線。
涙で濡れた、きれいな瞳…。
その瞳を見たら胸の中で小さく軋んだ音がした。
「壱号くん?」
「いや…何でも…」

『ないこともないやろ! なんやビビっとるみたいやけど、壱とわいは一心同体!! 壱のおる処にわいもおる!っちゅーこっちゃ!』

「――――」
けれど頭の中に響く声に和んだのは一瞬の事だった。
「壱号くん…あの…どーしたの??」
ボクの様子を訝しんで、身を寄せ顔を覗き込む後輩…。
その瞳に映り込む自分の姿を確認した時。

『ホレ、壱! 今や!! 参号に熱い”ちゅー”をお見舞いするんや! 「いつまでも過去を振り返ったらあかん」とかゆーてな! もう、そーしたら参号は壱にメロメロやで~!!』

怒涛のように捲し立てられて、頭の片隅で「あぁ…こういう奴だったよな」って半分以上呆れながら肩を落とし…。
『壱!何しとるんや! 今やっちゅーてんのに!!』
「……うるさい…」
「え!?」  ゴンッ!
頭の中の声を振り払うようにボクは自分の頭を柱に打ちつけた。
「い、壱号くん!?」
「っ…だ…いじょうぶだって。…あいつが……弐号が、うるさいから…」
「え?弐号くん?」
キョロキョロと辺りを見回す後輩の姿は、拍子抜けするほど可愛くて。
だから、痛む額を押さえながら思わずその身を抱き寄せてしまっていた。

「!?な…に?壱号くん!?」
「……あいつの姿は無い。声が聞こえただけだ…ボクの頭の中に」
そう簡単に説明して、その顔を覗き込む。
涙が乾いて少し跡を残していたけれど。
「…壱号くん」
そっと降ろされる瞼。
朱に染まる頬に手を添えて。

”壱とわいは一心同体やで!!”

唐突に蘇る聞き捨てられない一言…。
―――それはつまり、ボクが感じるもの全てあいつも…ってこと!?
そう思い至った瞬間にボクの手は後輩の肩を掴んで、自分から引き離していた。
「……いちごう、くん??」
「///~~~~っ あ、あいつが見てるカモだから…!」
「?…うん」
『なんやなんや…惜しいトコやったなぁ~! 照れんでもええのに…ホンマ、壱はシャイな子やなぁvv』
「(お前なぁ…!!)」
『なんや面白そうやから、このまましばらくこっちに顔出すことにするわ!!』
「………」
頭の中に響いた絶望的な一言に、血の気が引いたボクの手をとって、
「……壱号くん、ご飯にしよっか」
そう言って笑う後輩にとりあえず頷きつつも、突然の相棒の一風変わった帰還に…前途の困難さを覚えるのだった…。


 -終-


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自己紹介:
乙女ゲームもブログもまったくの初心者が管理人をしております。
お見苦しいところが多々あると思いますが、よろしくお付き合い下さいませ。

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