お正月SS 1つめですね。
とかいいつつ、年越しじゃん!!(一応自分に突っ込んでおく…(^^ゞ)
普通に時事ネタを考えるとき、ラスエスメンバーはスルっと参加してきてくれます^^。
あとはネタ出しとネタの割り振りの問題で。
今回は―――3人とも書けるかな?
書けたらいいな♪
それでは、時間が無くて余り練れていませんが。
お楽しみ頂けましたら幸いですm(__)m
「わぁ、すごい人ですね!」
肌をさす冷気に体をブルっと震わせて、でも目の前の光景に気持ちが高揚する。
遊園地でのカウントダウンイベントに来るのは初めてだから、電飾で飾られたアトラクションや山車(だし)に目を奪われてしまう。
「初詣の前に盛り上がれるイベントですからね」
そう言って眼鏡を軽く直し、レイさんは意味あり気にこちらを見て手を差し出す。
「え、何ですか? 何か預かってましたっけ?」
何だろう?
さっきここの入場料は払ったはずだし。
貴重品関係を預かったりもしてない…。
そんな私の言葉に呆れたように肩をすくめて見せて、
「何をとぼけているんですか。人ごみに酔うにはまだ早いでしょう。 手、ですよ。」
「え!?」
そうして、ぐいと掴まれる…私の手。
「こうしていないと、貴女はどこかへ行ってしまうでしょう? 流石に新年早々、人探しはゴメンですからね」
「/// は…はい」
手袋をしていなかった冷たい私の手を包み込む、レイさんの温かくて大きな手。
ただ手を繋いでいるだけなのに……鼓動は一気に早くなる。
「どうかしましたか?」
「い、いえ…ごめんなさい。その、私の手…冷たくて…」
ドキドキが伝わるんじゃないかって…そう思うと恥ずかしくて思わず俯いて言い訳がましくそう言うと。
「ふ…いいですよ…温め甲斐がありますからね」
「!レ…レイさん…!」
私の手をギュと握りしめたまま、レイさんはその手を自分の口元に引きあげて、はぁ…と息を吹きかけた。
「こうしていればすぐに温まるでしょう、手だけでなく貴女自身もね。 さぁ…行きましょうか。花火を見るには斜面の方が見やすいでしょう」
「は、はい」
私のドキドキなんて分かっているように笑い、レイさんは私の手を引いて人混みの中を慣れた足取りで歩き出した。
きっかけは、カッツェで仕事の話をしていた時。
今年は規模の小さなものを含めていくつかカウントダウンイベントの企画をお世話したって話をしていたら、レイさんが誘ってくれた。
意外だったけどお店もお休みに入るとレイさんと会う口実がないなって思ってたから、誘ってくれた事がすごく嬉しかった。
嬉しかったんだけど…。
「………」
改めて、周りを見てみるとほとんどがカップルで。
それはそうよね。
こんなイベント、大抵がカップルで来るはずだし。
―――だから…。
レイさんは…去年もこうして、誰かとカウントダウンに来たのかな…なんて。
すごく後ろ向きな事を考えてしまっていた…。
「どうしました? 何か浮かない顔をしていますね? 具合が悪いんですか?」
花火が良く見えるという、イベント会場に続く階段の手すりに軽くもたれながらレイさんがそう言って私の顔を覗き込む。
いけない…また変なことを考えてるってばれちゃう。
「ううん、何でもないです。ていうか、本当にスゴイ人ですね!今更ながら日本でカウントダウンが定着したんだって思います」
頭を切り替えなきゃ…!
せっかく、レイさんと一緒にいられるのに。
「そうですね。 厳かに除夜の鐘を聞きながら神社に参詣するのもいいですが……こういうイベントは何となく年齢制限を感じてしまいますからね。 この場に立つことを許される年齢のうちに参加しておく方が良いのかも知れませんね」
「やだ…レイさん、カウントダウンには年齢制限なんてありませんよ」
「でもまぁ、年齢層を低めに想定してイベントを組み立てていませんでしたか?貴女も…」
「主体はそうかも知れませんけど、『お祭り騒ぎ』に年齢は関係ありません」
良かった…上手く話題を逸らせたかもしれない…。
ひとしきりイベントについてあれやこれやと意見を交わしているうちに周りは人でいっぱいになって。
眼下の広場ではイベントの司会者が色々な宣伝やゲームをしていた。
「あぁ…そろそろ、ですね」
腕時計にチラリと視線を向けてレイさんがそう言った時、特設の電光掲示板がひときわ大きく照らし出された。
10!9!8!…
今年もあと数秒…。
司会に合わせてカウントダウンの声があがり…
…4! 3!! 2!! 1!!
「!?っ…!!」 …ド…ン!!
「1」の声が上がった瞬間に、暗闇が訪れて。
同時に力強く抱き寄せられて―――唇を柔らかい熱が覆う…。
そして驚く私の瞳には、直後に上がった花火を受けて間近にあるレイさんの顔が映っていた…。
「ぇ…ぇ……今…///」 ド、ン!!
「何をキョトンとしているんです?」
「だ…て……今の…」
暗くなった瞬間の―――あれは…キス?
「カウント0の瞬間に、照明が落ちるんですよ…」
そう悪戯っぽっく笑うレイさん…。
―――あぁ…やっぱり、以前に誰かとここへ来たことがあるんだ。
「!…っ!!」
そう思った瞬間、もう一度力強く唇を塞がれていた…。
「まったく……しようのない人ですね。 何を下らないことを考えているんです?」
結局、見透かされていた私の気持ち…。
それを逆手に取るなんて―――ズルイ…。
「って…こんな、イベント…! っ照明が落ちるとか…花火が良く見える所とか…なんで」
「知り過ぎているって?」
私が観念して頷くと、頭の上で笑いをもらした息遣いがして。
「去年ここで年越しをした同僚に教えてもらったんですよ―――と言っても、信じないのでしょうね…貴女は」
「そんな…」
「いいですよ、信じてもらえるまで何度も―――キスをしてあげましょう」
そう言って近づいてくるレイさんの顔に慌てて私は、
「なんで、そういうことになるんですか!? 大体……誰かに、見られるかも…」
「何を言ってるんです…ほら、周りを見てごらんなさい」
けれど私の言葉なんて意に介せず、私を腕の中に収めたままレイさんはそう囁いた。
言われてそっと周囲を窺うと、周りは実に見事にカップルばかりで―――同じように抱き合いながらお互いの世界を作り出していた…。
「/// ………」
「分かりましたか?―――木の葉を隠すなら森の中…というでしょう? カップルを隠すなら、カップルの中に、ですよ。 誰も周りなんて見てやしないし…わたしたちだってこのカップルの群れのただの一組でしかない。 だから―――もう観念なさい…」
「んん……」
そう低く囁きながら優しく唇を塞ぐレイさんに身を預け、何度も何度も交わす熱に私は酔わされるのだった―――。
THE FIN
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現在お礼文3件UPしています!
(超小ネタSSSより OZMAFIA1・緋色1・
ブラコン1・2013.8.13.)
fxwill.com
お見苦しいところが多々あると思いますが、よろしくお付き合い下さいませ。
こちらで取り扱いますゲームの内容やそれに関連する創作SSに関しましては、製造元などとは一切関係がございません。あくまでも個人的に書き連ねているものですので、ご理解・ご了承のうえお楽しみ下さいませ。
なお、内容に関しましては無断転記等一切ご遠慮下さいますようお願いいたします。