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いらっしゃいませ! このブログでは、カヌチ二次創作(緋色の欠片、ウィル・オ・ウィスプ、ラスエス3他)、乙女ゲームの感想など、管理人ベルルの暴走気味の妄想をつらつらと書き綴っております。現在「三国恋戦記」絶賛応援中です!!     -since 2009.7.25-
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や…やっとできました~(>_<)。

今回はクリスマス特別編…現代版設定で「双子とアキ」でのSSです!
途中に分岐がありますので、お好きなほうを選んでお進みくださいm(__)m
スミマセン…うまく分けることが出来なくて、前半ハンパ無く長いです…m(__)m

基本設定は…

 ・アキと双子はご近所さんの幼なじみ。
 ・アキは高校3年生、双子は大学1年生…です。

別にカヌチで書かなくてもいーじゃんって言われる位、ある意味分かりやすいお話ですが(^^ゞ。
頑張りました、私…これでも!
どうしても、クリスマスネタをしたくて…無い知恵絞ったんです。

それでは…お楽しみ頂けましたら幸いです^^。
そして…皆様どうか、良いクリスマスを!


「遅いなぁ……クラトさんも、アクトさんも…」
はぁ…と小さく溜息をついてアキは目の前のスクランブル交差点をぼんやりと眺める。
今日はクリスマス・イブ。
本当なら恋人達の甘いイベントのTOPに輝く日だろうに、残念ながら彼女の待ち人は、恋人未満の微妙な関係―――所謂、幼なじみという奴だった。

それでも、世の幼なじみ達が年頃になると疎遠な付き合いを展開するというケースも少なくない中で、アキは2人の幼なじみ…クラトとアクトの双子の兄弟と、しょっちゅう行き来する環境を維持していた。
そしてこれは、「幼なじみ」というある意味微妙な関係性しか持たないアキにとって、非常に恵まれた環境だった。
つまり―――アキの中には双子達への淡い恋心が息づいていたのだ。
だからこそ。
クリスマス・イブなんていう普通「そういう相手」のいる人間なら断るであろう日を一緒に過ごせる事に幸せを感じていた。

しかし…である。

「遅い……!」
約束の時間は6時だった。
今は6時半過ぎ…。
待ち合わせに指定した時計台の下には、幾人ものカップルがそれぞれ待ち人と落ちあって去っていくのに、アキだけがこの寒空の下、彼らを待ち続けていた。

「―――何か…あったのかな……」
ご近所同士だから、家の前で落ちあっても良かった。
でも。
何だか特別な気分を味わいたくて、待ち合わせにこだわったのはアキの方だった。

学校から大急ぎで戻って。
着替えて、身だしなみを整えて。
それから少し早めに家を出て。
待ち合わせの時間まで、1人で喫茶店に入ってみた。
街を行く人を眺めながら―――好きな人と過ごす特別な時間を思い描いて…勝手な幸せに浸っていた。
それなのに……待ち惚け…というか、もしやこれは…すっぽかしを喰わされたのだろうか…??

「ううん!!そんな…!―――アクトさんならともかく、クラトさんがそんな事するはずないもん…」
唇を噛んで…俯いてしまう。
心の中を不安が広がって、……あんなに楽しみだった時間がひどく残酷な現実を突きつけているかのように感じて。
今にも涙が零れそうだった。

「ねぇ…」
目の前に人影が立つ。
待ち人かと思い勢いよく顔をあげると、そこには………見知らぬ男性の顔…。
「君、1人?良かったら一緒にご飯でも食べない…?」
「い…いいです!人を待ってますから!!」
がっかりした顔をするのを何とかこらえてアキは断る。
「でも…さっきから見てたけど、ずっと待ってるじゃない…。すっぽかされたのかもよ…?」
「違います!…そんな事する人じゃないですから!!」
気にしている事を指摘された腹立たしさと哀しさとで、声が震えるのを必死でこらえながらアキは軟派男を振り切ろうと歩き出し。
「いーじゃん、時間に遅れる方が悪いんだしサ。…一緒に楽しい事しようよ?」
軟派男がそういってアキの腕をつかもうとしたその時。

「うるせぇ…こっちは遅れちゃいねぇんだよ!」
聞き覚えのある鋭い声がして。
「悪いけど、こっちが先約だから他をあたってくれよ」
穏やかだが否とは言わせない声がして。

「!!…アクトさん!クラトさん!!」

軟派男とアキの間に割って入る2つの背中―――。
アキが待ち焦がれていた人影がそこにあって…。
そして、彼女の待ち人が来た事を悟ると、軟派男は大慌てて立ち去った。

「……大丈夫か?変な事されなかったか?」
アキの顔を覗き込むようにして、双子の兄クラトが聞くと、
「だから言ったろ、絶対こっちにいるって…!」
軟派男の去った方をまだ睨みつけたまま、不機嫌そうに双子の弟アクトが言った。
「もう…!ひどいよ…!30分も遅刻だよ!」
ホッとして、寒さと気の緩みで涙を滲ませながらアキが食ってかかると、
「ばか!…待ち合わせ場所変更ってメール…昨日しただろ!?」
とアクトに言い返される。

「え!?うそ…!そうだっけ…?」
「……こっちは待ち合わせの人が多くて見つけにくいから、反対側のショッピングモールの入口で――って入れたんだけど……見てないな?」
少々呆れたようにクラトが言う。
「ぅ…でも…!で、電話!入れてくれても良かったじゃない!」
「何度も入れた!……お前…マナーか何かにしてんじゃねぇの?」
「えぇ…?あ…!今日…終業式だったから……」
かばんの中から引っ張り出した携帯電話は、ポーチの下になっていた上に表示はマナー…。
着歴が3分おきに、クラト・アクトから入っていて……。

「………」
「…まぁ…ホラ!…こうして何とか落ちあえたんだし!結果オーライってことで良いんじゃないか??」
フォローするようにクラトがその沈黙を破ると、
「お前…。チ…お前がいつもそーやってこいつを甘やかすから…!」
クラトがアキを庇うとアクトが噛みついて…。
いつもの3人の風景が此処にはあって。
ホッとしたのと同時にその事が単純にアキには嬉しかった。

「…ごめんなさい、2人とも…。私が悪かったよ…だから、ケンカしないで?」
自分から謝る事なんて滅多にしないアキが素直に謝った事に驚いてアクトは言葉をなくす。
「甘いのは認めるけどさ。…直前で場所を変更したのは俺たちの方だし。…今朝会った時、変更の確認をし忘れたのはアクトの方だろ?―――痛み分けってことでいいよな?アキ?」
アクトとアキが揉めるといつだって折り合える条件を見つけてくるクラトがそう指摘するのにも、
「うぅん、私が悪いよ…。メール見て無かったし、今も、ケイタイ……手に持ってればマナーでも着信に気付けたし…。…こっちまで探しに来てくれてありがとう。…すれ違わなくて良かったね…」
「―――アキ…」
いつもと違うアキの様子にクラトも眼を丸くして彼女を見つめる。

「――いつもそうやって素直ならいいんだよ!…ったく、余計な心配させんじゃねぇよ…!」
「こら、アクト!」
「…心配…してくれたんだ…?」
アクトの言葉尻をつかんで聞き返すと、そう返されるとは思ってなかったのかアクトは少し視線をそらしてモゴモゴと答える。
「う……あ、当たり前だろ…!事故とかに巻き込まれてたら、寝ざめ悪りいだろ…」
「……他の男(ひと)についてっちゃうかも…とか思った?」
少々の期待を込めて聞くと、
「そこまで考え無しじゃないよな?アキは…」
「けど、ま……、引き摺っていかれてどっかに連れ込まれそうだけどな…お前の場合…」
「もう…ひどいなぁ…私だってそうなったら大声だすよ…!」
クラトの信頼とアクトの微妙な心配が面映ゆくて…アキは頬を膨らませて顔が緩むのを誤魔化した。

「じゃあさ、時間はまだあるから、先にメシ喰って行こう…!」
ポン、とアキの肩を軽く叩いてクラトが言うと、アクトも頷いて…それから、いつの間にか手にしていたマフラーをアキの頭に乗せた。
「わ…なに!?」
「……お前、見るからに寒そう!…貸してやる…」
ぶっきらぼうに言うアクトにアキは頬を染め、でも嬉しそうに笑う。
「ありがとう…」
「―――あとで、¥1,000-…な」
「お、お金取るの…!?…しかも…ぼったくり…」
「うるせぇ…!…行くぞ…!」
アクトが1歩先を行き、アキを挟むようにしてクラトが後に続く。
3人はそこからスクランブル交差点の人ごみに入っていった。

「―――で、ココなの!?」
夕食を取ろうと向かった店の前でアキは呟く。
「しょーがねーだろ、お前連れてたら居酒屋だって入れねーんだし…」
悪びれもせずアクトが言うと、
「いや、俺たちだってホントはダメだから…」
冷静にクラトが突っ込み返す。
「ファーストフードじゃないだけましだろ、贅沢言うな…!」
「……でも、ファミレスじゃん…」
「ファミリーみたいなもんだろ、俺たちは…。雰囲気ある所は、そういう奴と行けよ…」
むすっとしてアクトはそう言い店のドアを開ける。

よく行くファミレスのチェーン店…。
こんな特別な日にお客なんて居るのかと思ったら…店内は結構混んでいて…。
家族連れだけじゃなく、学生同士の団体さんも見受けられた。
「ファミリー…かぁ…」
「アキ?…どーした?」
クラトが待っているその後を追い、案内された席に着く。
「大体……メインはこの後だろ?暖かい所で腹ごなしできりゃ、それでいーじゃねえか」
面倒臭そうに言ってアクトはメニューをめくる。

「ほら、アキ…メニュー」
まだそんな事を口にするアクトに苦笑しつつクラトはアキにメニューを手渡す。
それを受け取りつつ
「そーだよねー。2人とも、こういった日に『そういう相手』がいないって事なんだから、スネて手も抜きたくなるよねー」
わざと憎まれ口をたたく。
「あ?…このクソ忙しい時に、追試なんて受けてるバカに言ってくれるか!?…そういうセリフはよ!」
「わ、悪かったな!……試験時間に間に合わなくて入室させてもらえなかったから追試になっただけで、…赤点とった訳じゃないんだから、いいだろ、別に!」
思わぬ話の矛先を向けられて、クラトは注文を伝えながらも慌てて弁解をする。

「そーだよ、クラトさんが追試を受けようが、段取り任されたのはアクトさんなんだからね!!」
「だから!!…段取りなんて、クラトに任せといた方が良いって話だよ!…ったく、俺に細々したことをやらせるお前らが悪いんだ!」
「出たよ、アクトの責任転嫁…」
「ねーーっ?」
「お前らなぁ…」
席を立ち上がらんばかりの勢いで反論しようとしたアクトの前に、注文した料理が運ばれ…いきおい発しかけた言葉は飲み込まざるを得なくなって…。
「チ……先に喰うぞ!」
ムっとした表情のままアクトは箸をとった。
そんな様子にアキはクラトと顔を見合わせて笑い……。

―――いつもと変わらない、他愛ない会話…。
違うのは、今日がクリスマス・イブだという事くらいで…。
来年はもう、こんな風に3人でイブを過ごせることなんてないのかも知れないと……そう思ったら…。
「アキ…?」
クラトの声にハっとしてアキは顔を上げる。
穏やかなその声には心配そうな響きが含まれていて。
「大丈夫か?…調子が悪いんじゃないのか?」
「へ…平気だよ!…全然元気だよ!」
慌てて誤魔化すように笑って見せる。

「…どーだかなぁ……お前って遠足の日に熱とか出すような奴だし…」
「そうそう、冬休みのしょっぱなに大風邪ひきました…じゃダメだろ?」
そう言ってクラトはアキの額に手をあて、熱がないか確認する。
「だ、大丈夫だってば!もう…子供じゃないんだし!…ちょっと成績表のことを思い出してただけだよ…」
本心を取り繕って口を尖らせて抗議する。
そう―――こうして3人で過ごす時間に、タイムリミットが近づいている事を寂しく思っていたなんて……。
やっぱり簡単に言える事じゃない。

「んーー熱はないな…?…てか、成績表って…。受験生がそれを思って暗い顔をするってことは―――」
「もう!クラトさん!!今日はそういうの、忘れる日なの!!」
「お前が言いだしたんだろ?」
「うぅ……そういうのは…追求しなくていいの!!」
ぷいっとそっぽを向いて言うと、クラトもアクトも顔を見合わせて笑いだす。
「な、何よ…!」
「クク…勝手な奴!……そーいうトコは変わんねぇよな…」
「そうそう……でも、ま、…その方がアキらしいよ」
「もう!勝手な事言ってるのは、2人も一緒でしょ!!」
アキはもう一度頬を膨らませて、テーブルの上のサラダを口いっぱいに突っ込んだ。


バタバタと響く足音…。
「ちょ、待ってよ…2人とも…!」
息を切らしてそう声をかけると双子の片割れが振り返り、こちらに戻ってくる。
しかしもう一人はそのまま走りだし…。
「え!?ちょっと…!」
「大丈夫、場所取りに行かせたから…!ほら、荷物貸して?」
目の前にはやっと追い付いたクラトの顔。

「ご、ゴメン…足…遅くて…」
「プ……足だけじゃないだろ?食べるのも遅かったよな?今日は…」
荷物を受け取り笑いながらクラトは言った。
「ム…だって、猫舌なんだもん!!」
「だーかーらーアクトに言われるんだよ、空気読めって…」
「う…」
「猫舌なのにドリアを頼むアキが悪いって…」
「だって、好きなんだもん!」
「ハイハイ…分かってるって」
「それに…クラトさんはそんな事、言わないもん…!」
「まぁ…俺はそうだけど。…ん、息戻ったな?じゃぁ、走るぞ!アクトに場所取りなんて任せてたら、ケンカ沙汰になってても可笑しくないし…!」
「ふふ…そうだね!」
そしてクラトは不意に手を差し出す。
「え?」
「手!…すっ転ばれたら、困るから!」
少し視線をそらして言うクラトに、アキは照れながらもてを出して…2人は走り出していた。

結構な人ごみの中…クラトはアキの手をひいて目的の遊園地の入口をくぐる。
「やっぱ…凄い人だね…」
「この日の為のナイターだからね…」
「まさか…今時商店街の福引なんかで、こういうところのイベント券が当たるなんて、信じられないんだけど…」
「ハハ、アキのお母さんに感謝だな…?……やっと…ケジメ…つけられるよ…」
「え!?なに??」
前を向くクラトの声が聞きとれなくてアキが聞き返すとあいまいな笑顔を向けられる。
「クラトさん?」

「あ、アクト居た!おーい!」
アキの声に気付かない振りをして、クラトはアクトに手を振る。
クリスマス時季限定のナイター営業に加え、今夜はパレードと花火も上がるという事で、すごい人になっている。
先に入って場所取りをしていたアクトの所へ駆け寄ると、
「おっせーよ!お前ら…」
よっぽど寒かったのか、鼻の頭を真っ赤にしてアクトが文句をたれる。
「ふふ、アクトさん、鼻まっか。…トナカイみたい♪」
「うっせ…!」
「あ、カイロあるから貸してあげる…ハイ!」
ポケットから取り出したカイロを見て、
「サンキュ」
とアクトはカイロを持つアキの手ごと、両手で包み込む。
「あ、アクトさん!?」
「お前の体温も提供しろ!」
口を尖らせてアクトは言った。

冷たい大きな手に包まれて…けれど一気に心臓が跳ね上がり、顔が熱くなるのを自覚する。
「ちょっと外すよ…荷物見てて…」
そう声をかけてクラトがその場を離れる。
「え?クラトさん…?」
「帰った訳じゃねぇよ…ちょっとヤボ用…」
「…ヤボ用って…もうすぐパレード始まるのに…」
「すぐ戻ってくんだろ…ホラ、これでも喰って待ってろ」
そう言ってアクトは紙袋から特大の紙コップを取り出しアキに差し出す。
「わ!チュロス!!……凄い!アクトさんが…デート慣れしてるみたい!!」
「お前…」

甘いにおいを嗅ぎながら、アキはペロと舌を出す。
「えへへ……だって、絶対アクトさんってデートとか行かなさそうだもん…。面倒臭いって言って…」
「何だよ、そりゃ…。…じゃあ、今日のは何なんだよ…」
「え…」
ぶっきらぼうだが何かを突き詰めるようなその口ぶりに…アキは返す言葉を探す。
「……はぁ…ま、子守りみたいなもんか…」
「ひ、ひどいよ…アクトさん…!」
あっさりとはぐらかされてアキは口を尖らせる。
「……でも、ま……俺たちがこうして過ごすのも……今年が最後…かもな…」
その時、パレードの開始を告げる大きな空砲が鳴って。
「え!?なに??」
アクトの言葉が最後まで聞き取れなかった。

「ほら、始まるぞ…」
アキが不安そうに見上げると、アクトは視線を前方に向けてアキの手を自分のコートのポケットに突っ込む。
「アクトさん?」
「…お前の手も…冷えちまったからな…」
「……うん…」
カイロを握っている方の手を自分のコートのポケットに突っ込みながら…アキもパレードのやって来る前方へ眼を向けた。

パレードも半分程過ぎたころ。
いつの間にかクラトが戻ってきていた。
「どうだった?」
アキの頭の上でアクトが聞き、
「何とか間に合ったよ」
「そっか…」
「むぅ…!間に合ってないよ!クラトさん、パレード半分終わってるし!!心配したし!!」

2人の会話に背伸びしてアキが口を挟むと
「あぁ…ゴメンゴメン…でも、ほら、花火はこれからだろ?」
ポンと頭を撫でられて、何か取り繕ったように誤魔化される。
「そうだけど……」
「ま、そんな顔しないで?この人ごみだからここまで戻るのに手間取っただけで、パレード自体はちゃんと見てたからさ?」
宥めに入ったクラトのその口調に、
「じゃあ、先頭を歩いてきたのは何?」
「ええぇっと…ピカピカ光ってた…耳の大きな動物?」
「じゃ、最初の山車(だし)は何色だった?」
「えっと、青と白の派手な電飾がついてたな…」
「むぅ…!」
アキの質問には全正解したらしく、彼女は不満げな声で唸った。

「遠目でもちゃんと見てたよ…。あ、ほら、メインメイン」
クラトとアキのやり取りに苦笑しながらアクトは
「尻に敷かれてるなぁ…お前は…」
と、からかう。
「そ、そんな事ないよな?アキ?」
「…知りませーん」
ベ…と舌を出して返し、アキは笑った。

そうこうしているうちにパレードは終わりに近づいて。
パレードのエンディングに花火の始まりが重なって。
冬の夜空には盛大な花が咲き。
歓声や拍手が立ち上る中、ぐい…と腕を引っ張られる。
空を見上げていたアキは、クラトとアクトが荷物を手に人ごみを出ようとしているのを見て慌てる。
「花火、まだ終わってないよ…!?」
「―――もう、時間なんだ…」
アキの肩を抱き寄せて、人を掻きわけながら進みクラトが言う。

「時間って…??」
そんな状況に驚きつつも平静を装って聞き返すと、クラトは優しい眼差しをアキに向ける。
「……折角だからサ…観覧車に乗ろうと思って…」
「お子様のアキに合わせてやってんだ…ありがたく思えよ?」
アクトの憎まれ口よりも観覧車という響きに心奪われる…。
「え、でも、今日ってそんなの乗れるの!?」
確かナイターだから、稼働しているアトラクションは限られていたはず。
「んーーーまぁ……限定ではあるんだよね…」
「ま、行きゃ分かる」

何故か言葉を濁す2人に背を押され、件(くだん)の観覧車乗り場やって来ると、理由は……一目了然で…。
つまり―――。
「………カップル限定……!?」
乗り場の前には男女の2人連ればかりで。
唖然とするアキを尻目に、
「整理券が出てたからさ…。1枚しかとれなかったんだけど……」
そういってクラトはチケットをアキに手渡した…。

(此処から分岐します…)

  → クラトと観覧車に…

  → アクトと観覧車に…
 

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乙女ゲームもブログもまったくの初心者が管理人をしております。
お見苦しいところが多々あると思いますが、よろしくお付き合い下さいませ。

こちらで取り扱いますゲームの内容やそれに関連する創作SSに関しましては、製造元などとは一切関係がございません。あくまでも個人的に書き連ねているものですので、ご理解・ご了承のうえお楽しみ下さいませ。

なお、内容に関しましては無断転記等一切ご遠慮下さいますようお願いいたします。
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