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いらっしゃいませ! このブログでは、カヌチ二次創作(緋色の欠片、ウィル・オ・ウィスプ、ラスエス3他)、乙女ゲームの感想など、管理人ベルルの暴走気味の妄想をつらつらと書き綴っております。現在「三国恋戦記」絶賛応援中です!!     -since 2009.7.25-
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申し訳ありませんm(__)m

こちらはルート分岐後の内容になっております。
是非前半部分をご覧いただき、ルート選択をして頂きますようお願いいたします。

このお話の前半部分はコチラ

……ルート選択にてクラトをお選びの方は、続きへお進み下さいませm(__)m

こちらは…Happy Merry Christmas!~現代版カヌチSS~にてクラトを選択された場合のお話です^^。



 → 観覧車にクラトと


   ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


観覧車に乗るための整理券を渡されて、アキは戸惑ったように2人の顔を交互に見る。

自分に選べと言っているのだろうか…!?
でも、そんな事…出来るはずは無い。
「お前らで行ってこいよ…」
アクトはそう言ってアキの背を押す。
「アクトさん!?」
「いいから行けって…。…その代り、ちゃんと決めろよ…」
背を押しながらアクトはアキの耳に囁く。
ビックリしてアクトを見るとニヤリと笑っていて。
……もしかして……気付かれてた…!?
そんなに見え見えだった…!?

アキが何か言いかけると、
「アクト、お前のほうが…」
遠慮したようなクラトの声にアクトはクラトの背をバシ…と叩き…
「いいから!!お前がアキを喜ばせたくて考えたんだろ!…最後まで責任持てよ!」
アクトのその言葉に、頬を染めながらもクラトは何かを決意したように頷いて。
「―――俺でいいか…?アキ…」
「う…うん……」
そんな2人をニヤケ顔で送り出すアクトを残し、2人は観覧車へ向かった。

しかし。
―――友達以上、恋人未満の2人にとって、その空間は想像以上に緊張を強いるものだった。
並ぶ間もなくすぐに乗り込む事が出来たまでは良かった…。
だがこの特殊な状況下では……何をどうすればいいか分からず、結局、2人は無言のままゆっくりとカゴは上層へ上っていくだけだった。

「(ど…どうしよう…。アクトさんにはああ言われたけど…緊張して何も…言えそうに無いよ…)」
両手を膝の上で固く握りしめ、俯くアキ…。
対するクラトにはいつもの穏やかな表情は無く、何かを思いつめたような顔で窓の外を睨んでいて…。
そして、クラトはおもむろに顔をあげると、
「アキ…」
幼なじみの少女に呼びかける。

「は…はいっ……!?」
肩を跳ね上がらせて顔を上げると、クラトがそんな顔をしているものだから…アキも釣られて顔を強張らせる。
その時―――。
ガタン…!
乗っているカゴが大きく揺れ、ゆっくりと上昇していたその動きを止めた。
「キャ!!な、何・・・!?」

突然の衝撃に身を竦ませたアキは、次の瞬間、クラトが彼女の体を抱き寄せた事にもっと驚いて。
「―――動きが…止まっただけみたいだな…?」
周囲を窺いながらもクラトのその手はしっかりアキの肩を抱いている。
「ク……クラト…さん」
「!ぁ…!わ…悪い…!」
アキの声に我に返ったクラトは、慌てて手を離す。

『お客様にお詫びのご連絡をいたします―――――』
カゴの中にあるスピーカーから、機械の不具合で一時的に遊戯が止まった事を告げるアナウンスが響く。
「……ビックリさせてくれるよ…全く」
顔を赤くしながらクラトが言って。
「ほ…ほんとにね…」
ぎこちなく笑ってアキも相槌をうつ。

その表情に―――。
クラトは何かを言いかけて……けれど、その言葉を飲み込む。そして、
「……でもホラ…外、結構絶景だよ…」
外を指さす。
言われて眼を向けると街中の灯りが見渡せて、キラキラの宝石をばらまいたように美しかった。
「百万ドルの夜景だね…」
「や…百万ドルは言い過ぎだろ?」
苦笑しつつのクラトの返事…。
その口調は、いつもの彼のもので…。
ホッとしたと同時に、何かがひっかかる。

「……クラトさん…あの…」
「――――こんな風にさ……お前と一緒に過ごすのなんて、もうあと何回あるのかな?……来年はきっと、ムリなんだろうな…」
「え!?」
穏やかなクラトのその言に、アキは心臓を鷲掴みにされたような衝撃を受けた。

「…大学に入ったら…お前も忙しくなって。つきあいも広がって…バイトとかもして、そこで色んな出逢いを経験してさ……。きっと――こんな日にこういう所で過ごすのに相応しい相手ってのを他に見つけて…俺やアクトなんかは本当に、『近所のお兄ちゃん』になっちゃうんだろうな…」
そう言って浮かべる笑みは、自嘲めいたものだった。
何かをあきらめたような響きさえ、その声には含まれていて。
「ま、好きな奴が出来たってさ…俺は勝手にお前の兄貴ってのをやってるから……」

「お兄ちゃんじゃないよ!!」

それ以上聞きたくなくて、アキはクラトの言葉を遮るようにそう叫んでいた。
「アキ…!?」
「クラトさんはお兄ちゃんじゃないもん!!私は…一度だってそんな事…!!!」
涙が溢れるのを堪えながら、必死になってアキは言った。
想いを伝える前にバッサリ切り捨てられるなんて、あんまりだ!!
そう思いながら…ずい、とクラトに詰め寄って。

「クラトさんの事をそんな風に思った事無いよ!!だって…だって……私は!!
……私は、こんなにもクラトさんの事が…好…」
必死になって伝えようとした大切な言葉は途中で途切れ、その代り、その身を包む大きな温もりに驚いて…。

「じゃあさ―――俺は来年の今日も…アキとこうして過ごす…その資格があるって事なのかな…?」

抱きしめられているのだという事を理解するのに数秒……その言葉の意味を理解するのに更に数秒かかって…。
アキはクラトの腕の中でそっと顔をあげ、幼なじみの優しいお兄ちゃんの表情を確かめる。
「……兄貴じゃないって事は…男として見てる…そーいう事だよな?」
いまいち自信なさげな声でそう確認してくる相手に、
「―――うん……クラトさんは…私の……好きな人なんだよ…?」
小さくうなずいてから、勇気を総動員してそう言った。

妹だと…。
ただの、幼なじみだと―――。
いつか、誰か知らない女の人を連れてきて紹介されるくらいなら。
いまここではっきり言って、フラれてしまってもいいと思った。
気まずくなって、もう今までみたいに遊んだり話したり出来なくなったとしても。
今、伝えなければ一生後悔すると思ったから―――。

「ばか……何でお前が先に言うんだよ…」
頭の上から拗ねたような声がして。
腕を解くとクラトは両手でアキの肩を掴み、
「でも絶対……俺の方が、ずっとずっとお前の事を好きだと思うよ…?」
「え…そんな事無いよ。私の方が…」
反論しようとするアキをクラトの瞳が射すくめる。

「アキ……」
そして…クラトの顔が近付いて…。
身を固くしながらもアキは眼を閉じて、その時を待つ…。
心の中に湧き上がる期待と喜びに、胸がいっぱいになったその瞬間。
温かくて柔らかいものが彼女の唇に触れ…。
ソレは2度3度とアキの唇を塞ぎ…それから彼女の額にもチュ…と音を立てて触れ、遠ざかった。

「……クラトさん…」
大きな瞳からこぼれた涙を拭ってやりながらクラトは再び愛しい少女を己の腕の中に納め…。
「もうずっと―――伝えたかった………お前を…好きだって……。…良かったよ…今日のこの日に言えて…」
「……私も…」
「アクトと…観覧車に感謝…かな?あと、このアクシデントにも…」
「うん…。ねぇ…これって夢じゃないよね?…明日になったらまた、ただの幼なじみなんて…イヤだよ?」
「俺だってイヤだよ、そんなの…。―――折角、大事な女の子と想いが通じたってのに夢だったら……どんだけ欲求不満なんだって事になるだろう?」
「もう…!クラトさんったら…」
2人が顔を見合わせて笑った時、再びカゴが大きく揺れてゆっくりと動き出す。

「動き出したね……」
アキがそう言うとクラトも頷いて、
「でも―――外に出るまで、こうしていたい…」
アキを抱きしめる腕に更に力を込めてクラトは囁く…。
「…うん…」
クラトの胸に頭を預けゆっくりと動き出した外の景色を見つめる。

「………クラトさん……私、今日の事…一生忘れないからね…?」
「…あぁ…俺も忘れない…」
そうして――お互いを見つめあった2人は、再び顔を寄せ合って…。
優しいキスを交わし、初めて恋人同士として迎える聖夜を心の中に刻み込んだ―――。

……Happy Merry Christmas…


♪BGM with【ポルノグラフィティ:黄昏ロマンス
……僕らには始まりや始まってないものばかりさ ねぇ気付いてる?…

THE FIN

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自己紹介:
乙女ゲームもブログもまったくの初心者が管理人をしております。
お見苦しいところが多々あると思いますが、よろしくお付き合い下さいませ。

こちらで取り扱いますゲームの内容やそれに関連する創作SSに関しましては、製造元などとは一切関係がございません。あくまでも個人的に書き連ねているものですので、ご理解・ご了承のうえお楽しみ下さいませ。

なお、内容に関しましては無断転記等一切ご遠慮下さいますようお願いいたします。
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