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いらっしゃいませ! このブログでは、カヌチ二次創作(緋色の欠片、ウィル・オ・ウィスプ、ラスエス3他)、乙女ゲームの感想など、管理人ベルルの暴走気味の妄想をつらつらと書き綴っております。現在「三国恋戦記」絶賛応援中です!!     -since 2009.7.25-
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予定を変更して……ウィル・オ・ウィスプSSですm(__)m

この前はルディ(ホブルディ)をUPしましたが、出来た順でいけばこちらのほうが先に書いてました。
でも、恐ろしいことに。
1人称で書きだして、途中から3人称になっている…というスゴ技を披露していまして(笑)
……半分くらい書きなおす、という手間がかかってました(^O^)。(たまにこういうことになるんですよね…)

ウィルで甘くするのは至難の業…という感じがあります。
冷たい…というか、厳しい態度の裏にはキチンとした理由があって、それも分かるんですがSS的には「もっと甘くして!!」って言いたいんですよね。
でも、「甘いだけのウィルって、ウィルぢゃない!!」みたいなこだわりもあって…うん、ムツカシイ(^^ゞ。

それでもまぁ……こんな感じかな?という1シーンを描けたらなと思いまして。
さほど甘くは無いけど、あり得るだろうという感じにしてみました^^。

それでは、お楽しみ頂けましたら幸いです…。
 



ウィルが意地悪なのは…知ってる…。
ウィルが本当は優しいのも、知ってる…。
だけど―――いつも優しくしてくれたら…って思うのは私がワガママなだけ……?


「ウィル…お茶のお替わりは?」
「ん……いや、いい」
「…もう少し果物を食べない…?」
「………いらね…」
「昨日お隣からリンゴを頂いたの」
「……ハンナ…」
「だから、あとでアップルパイを」
「おい……ハンナ…!」
少しいらいらした声でウィルはハンナの言葉を遮る。

「何なんだ、さっきから…。新手の嫌がらせか…?」
不機嫌極まりない顔でそう言いながら、ウィルは読んでいた新聞をバサリと放り出す。
ウィルのそんな態度に内心ビクビクしながらもハンナは
「い…嫌がらせなんて…そんな!」
「朝っぱらから……ごちゃごちゃうるさい…」
「ご…ごめんなさい……」

見るからにしゅんとして…もしも犬のような耳がついていたら大きく後ろに倒れているであろう位のハンナの落ちこみ様に、ウィルは珍しく唖然とする。
「……何なんだよ………そのすさまじいヘコみ様はよ…」
「な…何でも無いの……うん、大丈夫だから…」
朝食の後片付けをし始めるハンナの細い手首をつかみウィルは言う。
「いちいち世話が焼けるんだよ…お前は……。で?何なんだ?…お前がおかしなことをし出すときは、大抵理由があるだろ……。言ってみろ…」

言葉の後半があまりにも優しい声音だったから…ハンナは頬を染めたままウィルを見上げ、じっと見つめる。
「……ん……?」
口を開きかけて……でも、ハンナはその言葉を飲み込んだ。
だって…それを正直に口にするのは、あまりにも……。
「―――お前なぁ……」

思わせぶりなハンナの態度にがっくり頭を落としたウィルは、視線の先にあるハンナのエプロンのポケットに入っている「何か」に気付く。
「ん?何だ?」
「あ…!!ダメ!!」
ハンナは慌ててポケットを押さえようとしたけれど、ウィルの手の方が一瞬早くそれをポケットから抜き取っていて。
無理だと分かっていてもハンナは彼に縋りついてソレを取り戻そうと必死だったが…身長差は如何ともしがたく…。
ハンナの手を避けながら、ウィルはそれをパラパラと捲る。

「お?本じゃねーか。…この前の作り話の続きか…?んん…??HOW TO…?『人に優しくしてもらう10の方法』……??」

「ああぁぁぁ…」
ウィルがそう声に出して言うと、ハンナは顔を真っ赤にして1歩2歩と後ずさる。
そして両手を頬にあて、涙目になりながら必死で言い訳を並べた。
「違うの、ウィル!!それは…リ、リンゴと一緒の篭に入っていて!…だから、いつもウィルが意地悪だから…とか!そんなじゃないからっ!!」
墓穴を掘りまくっている自分の言動にも気付かないハンナに眼をやり、ウィルはニヤリと嗤った。

「―――お前、俺に優しくして欲しいのかよ…?」
「えぇ!?ち…ちが……!ううん、そーなんだけど!でも、ちがっ…」
ハンナのうろたえぶりを一頻り楽しんだ後、ウィルはハンナの手をぐいと引っ張りソファに強引に座らせた。
ハンナはその力強さに身を竦ませ、思わず眼を瞑ってしまう。
「キャ…え…!?…ウィル!?」

強引に座らされた自分の。
―――膝にある重みと温もりに―――。
おっかなびっくり眼を開けてみると、いたずらっぽく笑うウィルの顔がそこにはあって。

「この下らねー本に拠るとだなぁ………人にやさしくして欲しい時は、まず自分が相手に優しくしろ――とある。……つーことは、だ…。まずはお前が俺に優しくしろってことだよなぁ?」
「え?…え!?…えぇ!?」
事態が飲み込めていないハンナは、なぜ自分が今、ウィルに膝枕をしているのかすら理解していなかった。
そんなハンナを笑いながら眺め、ウィルは手を伸ばし彼女の柔かい頬に優しく触れる。

「………ウィル…?」
「―――いーんだよ…コレで。…まぁ、後のことはお楽しみ…てことにしとけ…」
「………もう…」
頬を膨らませてはみたものの、思いがけなく優しく笑ってくれるウィルを眼にすることができて、小さな幸せを噛みしめるハンナだった…。

THE FIN
 

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