いらっしゃいませ!
このブログでは、カヌチ二次創作(緋色の欠片、ウィル・オ・ウィスプ、ラスエス3他)、乙女ゲームの感想など、管理人ベルルの暴走気味の妄想をつらつらと書き綴っております。現在「三国恋戦記」絶賛応援中です!!
-since 2009.7.25-
めっちゃ久しぶりの!
戦国LOVERS SS > 成実ゆきの です!(^O^)/
カヌチの合間(PSPの充電中とか)にDSを開いて、のらりくらりとPLAY中。
相変わらずシステムはアレだなぁ…と思いつつも、やはり私は奥州組が好きなようです(^^)。
(特に戦国Lでは、成実が…:笑)
や、これはSSじゃなくてPLAY感想も書けそうなくらい、奥州3人組については思い入れが強いんです。
なので、自己解釈の成実SSで(笑)。(今回のも、前回のも)
少しばかりゲーム中の成実とは違うかもしれませんが……ご容赦いただければな~…と思います(^^ゞ。
それではご興味のある方は続きの先へ…m(__)m
少々長めになりましたがお楽しみ頂けましたら幸いです^^。
戦国LOVERS SS > 成実ゆきの です!(^O^)/
カヌチの合間(PSPの充電中とか)にDSを開いて、のらりくらりとPLAY中。
相変わらずシステムはアレだなぁ…と思いつつも、やはり私は奥州組が好きなようです(^^)。
(特に戦国Lでは、成実が…:笑)
や、これはSSじゃなくてPLAY感想も書けそうなくらい、奥州3人組については思い入れが強いんです。
なので、自己解釈の成実SSで(笑)。(今回のも、前回のも)
少しばかりゲーム中の成実とは違うかもしれませんが……ご容赦いただければな~…と思います(^^ゞ。
それではご興味のある方は続きの先へ…m(__)m
少々長めになりましたがお楽しみ頂けましたら幸いです^^。
夜中にふと目が覚めて、ゆきのは体を起こした。
障子の向こうからは室内が明るくなる程の月明かり…。
「…のど、乾いたな…」
小さく呟いて、軽く羽織るとゆきのは床を抜け出し、水を貰いに部屋を出た。
廊下も庭も…満月の鮮やかな光が届くところは灯りがいらないほどに明るかった。
「―――満月…」
そっと 夜空にうかぶ見事な満月を見ていると、何だか急に胸が詰まった。
―――去年の今頃は、両親と家臣たちと共に月見の宴に興じていたのだ。
あの時はまさか、そのすべてを失うことになろうとは、露ほども思わなかった…。
すん…と鼻をすすって目に浮かんだ涙を指先で軽く拭うと、ゆきのは やはり部屋に戻ろうと踵(きびす)を返した。
その視線の先に、人影があった。
「!!」
思いがけないことに一瞬息を止め、身をこわばらせたゆきのだったが、
「どうした…眠れぬのか?」
「………成実(しげざね)…?」
聞き覚えのあるその声に、訝りながらもゆきのは声を発し よく目を凝らす。
庇(ひさし)の影になっている所に、くつろいだ様子で盃を傾けていたのは成実だった…。
いつもの絡みつくような視線はなく、ただゆるりと構えているように見えて――――普段よりずっと…落ち着いた印象を感じて違和感を覚える。
「…なんだ?」
「ぃえ…あの、のどが渇いたのでお水を頂きに行こうかと、思ったのですけど…」
取り繕うように慌ててそう答え、ゆきのはそっと視線をそらした。
後ろ暗いことなんて何もないのに…そこで言葉を濁してしまったのは、成実には追及されたくなかったから。
成実のその眼に見つめられると何もかも―――自分でも知りえなかった己の内面を見透かされるようで恐ろしかった…。
特に今は…失ってしまった、もう2度と取り戻せない幸せな頃を思い出し、いつになく感傷的で気弱になっているから。
「それなら、こちらへ来い―――良いものがあるぞ」
そんなゆきのの心情を知ってか知らずか、成実は屈託なく笑ってゆきのを手招きする。
「………」
普段は見られないその表情(かお)が、とても新鮮で…。
恐れながらも、ゆきのは呼ばれるままに成実の方へと足を踏み出していた。
「まぁ飲め」
成実との間におよそ一歩分の距離を置いてゆきのは板張りの床に正座した。
その微妙な距離の取り方に苦笑を洩らしつつも、成実は手にしていた盃をぐいと彼女の目の前に突き出した。
そこに満たされた白濁の液体は、天上から降り注ぐ月光を力強く反射している。
その僅かに揺れる盃の面を見ながら、
「あの…私、お酒は…」
「酒ではない、薬湯―――般若湯だ」
「はんにゃとう?」
聞きなれない言葉にゆきのは小さく首を傾けた。
「あぁ、…滋養があり、気分を高揚させ、美容にも効果がある―――とっておきだ」
笑いながらそう言って、更にゆきのの口元へ盃を突き出す。
盃と成実の顔を見比べていたゆきのだったが、
「本当に…薬湯ですか?」
「飲めばわかる」
明確に答えない成実に視線を送りながらも、ゆきのはそっと盃に口をつけた。
恐る恐る口に含んだ瞬間、口内に広がった独特の香りと刺激…。
「!?~~~っ !!……コホ…!! や、やっぱりお酒じゃないですか!」
吐き出すわけにもいかず、何とか嚥下し、喉の焼けるような感覚にむせながらゆきのは涙目になってそう言った。
「何を言う。 これは『般若湯』だ。 師である禅師からそう教えを受けたありがたい飲み物ぞ?…さぁ、口をつけたからには最後まで飲み干せ」
「~~~っ 貴方が禅宗の教えに従うなんて……信じがたいです…」
「―――武士である以上、殺生から逃れることはできぬ。 それゆえの救いの一途なのだろう」
「!?(――――この人の口から…『救い』なんて言葉が出るなんて…)」
余りに意外な言葉に驚いて…まじまじと成実の顔を眺めていると、その視線に気づいた成実が苦笑を洩らす。
そしてゆきのの興味をかわすかのように盃を再び突きつけた。
「ホレ…お前が空けぬと俺が飲めぬではないか」
「……ぅ…」
確かに一度口をつけた以上は飲まねば礼儀に反する。
しかも、拒んだところで代わりに何を要求されるか分からない。
ゆきのは恨めしげに成実を一瞥し、観念して盃に残っていた『般若湯』を飲み干した。
「コホ、コホっ…!」
「ふふん、いい飲みっぷりだな」
「も…もう、成実の差し出すものは、いただきません!」
再びむせて涙目になり、頬を膨らませながらそう言うと、
「まぁでも――――少しは元気になったろう?」
「え!?」
「薬の一種…とは詭弁ではない。 飲むと体が温まり、うつうつとした気が浮上する―――そうではないか?」
成実の、見透かしたかのような言葉にゆきのは返答に迷う。
―――確かに、飲み干した酒のせいか体が内側から火照り、先ほどまでの気弱な心根がほぐれ、少しばかりは前向きに……なったのかも知れない。
けれど。
「で、でもっ嘘はよくありません!」
「しつこい奴だ……これは酒ではない。般若湯だと言っておるだろうが」
「禅宗の教えを授かっていない私にとっては、これはお酒です!」
「く…減らず口を…」
「それは成実の方です!」
「まぁ、なんとでも言え…。気が滅入った時はいつでも付き合ってやる。 ただし―――」
「!!」
盃を飲み干した成実の手がふと伸びてゆきのの肩を掴んで抱き寄せたかと思ったら、あっという間に成実の懐のうちに捉えられていた…。
夜着を通して伝わる―――成実の体温とそして、鼓動―――。
突然のことに反応できないゆきのの顎に手を添え 仰のかせると、
「…次にこんな薄物一枚でふらふらとうろついているところに出くわしたら、このくらいのコトでは済まさぬゆえ、覚悟しろよ?」
「!!んん…っ」
ゆきのの抵抗を封じ込めるような強引で深い口づけをして成実は低く囁いた。
そうして覗きこむ成実の瞳の奥に―――熱情と冷静さが垣間見えて……どこまで本気にしていいのか、いつも惑わされてしまう…。
けれど。
「成…実…!」
混乱しながらも、とにかく流されまいと彼の手を払いのけて身を引いたゆきのの瞳に、ようやく理性と怒りの光が宿る。
そのまなざしに、成実はニヤリと笑んで再び盃に般若湯を満たした。
「惑わせるのも……大概にしろよ、傾城(けいせい)…」
「!!…あ…貴方のほうこそ…!」
いつもの口調に戻った成実にからかわれたのだと思いいたり、己の甘さが悔やまれる。
キュっと唇を噛み、成実をきつく睨むとゆきのは別れの言葉も無しに自室へと足を向けた。
「(なに、よ……なによ…!急にあんな……ひきょうだわ!)」
恥ずかしさと悔しさと怒りと……そして、なぜか締めつけられるような狂おしさと…。
ないまぜになった理解不能な気持ちを抱えたまま部屋に戻り、ふすまを閉め背中で封じる。
そのままずるずると膝が折れ…ペタンと床に座りこみ…。
「あんなの―――ズルイ…あんな…」
身のうちに渦巻く熱…。
これもあの『般若湯』のせい…?
それとも…。
知らずなぞった己の唇…。
強引で―――でも、どこか優しかった口づけ。
その感触を、思い出す。
「!? な、に……私……!!」
ふつふつを沸き起こる、今までにない感情―――。
それに気付いたゆきのはあわてて力いっぱい首を振る。
そうしなければ、その感情に支配されてしまいそうで恐い…。
ダメ―――気付いてはイケナイ。
『ソレ』に近づいては―――イケナイ…。
今この身が果たすべき目的はただ1つなのだから。
あの日落ちのびたこの命は―――そのためのもの…。
だから…。
己の身をきつくきつく抱きしめて、ゆきのは夜が明けるまでそうして何度も心のうちで自分自身に言い聞かせつづけた…。
-終-
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ブラコン1・2013.8.13.)
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乙女ゲームもブログもまったくの初心者が管理人をしております。
お見苦しいところが多々あると思いますが、よろしくお付き合い下さいませ。
こちらで取り扱いますゲームの内容やそれに関連する創作SSに関しましては、製造元などとは一切関係がございません。あくまでも個人的に書き連ねているものですので、ご理解・ご了承のうえお楽しみ下さいませ。
なお、内容に関しましては無断転記等一切ご遠慮下さいますようお願いいたします。
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