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いらっしゃいませ! このブログでは、カヌチ二次創作(緋色の欠片、ウィル・オ・ウィスプ、ラスエス3他)、乙女ゲームの感想など、管理人ベルルの暴走気味の妄想をつらつらと書き綴っております。現在「三国恋戦記」絶賛応援中です!!     -since 2009.7.25-
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ちょっとイメージしてたのと違う感じに出来てしまったのですが……。
しょんぼりシンさんで行ってみましょうか^^。

本当は、嫉妬系のちょっと意地悪シンさんを目指したのですが。
あえなく挫折…(苦笑)。
再チャレンジしてますが。
たまにはこういうのもいいかな…と。

それでは、お楽しみ頂けましたら幸いですm(__)m


「アキちゃん、ちょっとこっちにいらっしゃい…」
店で在庫のチェックをしている時、シンから声をかけられた。
「?何ですか?シンさん…」
「いいから、こっち……ココにおいで?」
椅子に腰かけている自分の膝をポンポンと叩いて示し、シンは言う。
機嫌が悪そうには見えない…。
けれど……?

「あの……」
「…ココ…」
シンの一歩手前で立ち止まったアキに、再度シンは己の膝を指し示す。
「………」
仕方なくアキは、おずおずとシンの膝に座った。
横向きに座ったので、アキの視線のすぐ下にシンの顔がある。
「……シンさん?」
「―――アキちゃん……俺に何か隠してる事、あるでしょ?」
「え!?…ありませんよ??」
「嘘おっしゃい……あるはずだよ?―――よーっく考えて…?」
「えぇ…と?」

思い当たる節がないのか、首をかしげてアキは考え込む。
そして…再度同じ答えを返す。
「やっぱり…なにも……!」
すると突然、シンの手がアキの両手首をまとめて掴み、もう一方の手がアキの腰にまわされた。
「シンさん!?」
思いがけない拘束にアキは戸惑いを隠せない……。
しかしシンはそれには答えず、
「じゃあね……ヒントその1。…3日前のこと…」
「??……えっと?」

「……ヒントその2。………風見鶏…」
「!!え…!?……シンさん、どうしてそれを…」
「ほら、やっぱり…隠し事、あったじゃない…」
「で、でも…!」
シンにぐいと手を引っ張られ、アキの体は自然と前屈みになり、シンの顔が至近距離に近づいた。
その距離のままシンはアキの耳元に口を寄せて言う。


「……さっきチナキに会ってさ?……お礼言っといてくれって言うから、何かと思ったら……」
「シンさん…誤解です!!…ていうより、あれは事故で…」
「うん、アキちゃんにはそうでも…」
「カスガさんだって同じです!!」
あわててアキはシンの言葉を遮る。言わんとすることは分かるが、そんな風にシンに誤解されるのはイヤだったから。
でも。

「やけにアイツを庇うね…?」
「そんな…」
裏目に解釈されて…アキは言葉を失くす……。
「だけど、その場に居合わせたのならあいつがやるべきだったんだよ、風見鶏の取り付け……。そうしたら君が踏み台から落ちることも、それをカスガが抱きとめることもなかったでしょ?」
「……シンさん…」

「………俺はね…」
そしてシンはアキの胸元に顔をうずめた
「―――君が思ってるよりずっと…ずっと……嫉妬深いんだよ……。君が思ってるよりずっと、心が狭いの……。君がカスガに向ける信頼さえも―――許せないんだよ…」
「シンさん……]
いつもは見せない弱々しいその様子に、アキは戸惑いを隠せない…。

そんなアキの様子に気づいたのかシンは彼女の手首を解放し、アキの体を自分の方へ向かせてその瞳を見つめる。
その瞳がとても傷ついているように見えたから……。
「―――キスしていい…?」
シンの微かな問いにアキは戸惑いながらも小さく頷く。
「……アキ…」
シンの手がアキの頬にそっと触れ、愛おしげに撫でながら頭の後ろの方へとのびる。そしてゆっくりとアキの頭を引きよせその唇をついばむように優しくキスをした…。
「シンさん……」
「……愛してるよ………アキ……」
口接けを交わしながら、低い…うめき声にも似た苦しげな声でそう言って…。
そして何度も何度も唇を重ねる…。

いつも交わす口接けと何ら変わらないはずなのに―――どうしてだろう…?
重ねた唇からは、シンの祈るような…願うような…切ない想いが伝わってきて……。
「―――アキ…?」
知らずこぼれ出したアキの涙が……シンの頬に伝い落ちる……。
「シンさん…私……」
「…どうしたの?アキちゃん…。――俺のこと、ダメな奴って思った?……失望しちゃった…?………キスしちゃダメだった…?」
シンの問いかけに首を横に振って否定しつつアキは涙で濡れた瞳でシンを見つめた。
「―――アキちゃん…?」

どうして―――どうして、今まで分からなかったんだろう……?
毎日シンが口にする『好き』という言葉が、毎日口にできる程度の想いだと勝手に思い込んでいた…。
けれど―――そうではなかった…。
そんな軽いものではなかったのだ…この人が『好き』という言葉に込めた想いは―――。
どうして―――愛されるということに、こんなにも鈍感になっていたんだろう……?
この人の想いを……もっと深く感じることができていれば……。

「ごめんなさい…シンさん…ごめんなさい・・・・・・」
「どうしてアキちゃんが謝るの……?――俺…ふられちゃってるの……?」
苦笑して、シンは問いかける。
「……貴方の気持ちを……っ…ちゃんと、分かっていませんでした…っ。こんなにも……私を、っ……想ってくれているのに………私…貴方に…っ…何一つ、返せていない…」
嗚咽混じりにアキは懸命に言葉を紡ぐ。
「シンさん…私……どうしたら、貴方を……」
するとシンは両手でそっとアキの頬を包み、静かにアキの顔を自分に引き寄せるとアキの大きな瞳に優しく口接けし、こぼれ出す涙を己の唇で拭ってやった。

「―――何もいらないよ…。―――君が俺の傍にいてくれたらいい…ずっと俺を見つめてくれたらいい…。他の誰かではなく……俺だけを君の心の中に棲まわせて……?…俺だけの――アキでいて……?」
「…は…い…。……はい…シンさん……!」
アキはシンの首に抱きついて何度も何度もうなずいた。
そんなアキの背中をなだめるように軽くたたいてやりながら、シンはアキをキツクキツク抱きしめた…。


♪BGM with 【氷室京介:KISS ME
……KISS ME 今ふたり ひとつになれるから…

THE FIN

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