気になるアレを使いたくて書きだした話ですが、思いのほか長くなって……。
書きながら「おかしいな~?」と首をかしげてしまいました。
というよりも。
短い話を書くのが苦手で、いつも四苦八苦しながら書いてます。
うまくまとめられないんですよね……。
今回はEDを見直しました。
話のベースをそこにおいて、私の妄想を織り込むために。
アクトってED時点では随分、本当に、子供っぽい感じがしますよね~(^^)
うん、可愛い♪ デレなアクトはやっぱり好きだな~。
ちなみに。
「アレ」に関する表記も、私のねつ造です(^^ゞ
それでは。
ネタバレ含みますが……お楽しみ頂けましたら幸いです。
※後編はかなり長めですm(__)m
そろそろソルが傾き始める頃…。
「ご苦労さん…アクト…。そろそろわしらも出かける支度をしようかの」
畑仕事を手伝っていたアクトは、トウラのその言葉に顔をあげ、灯りのついた家を見た。
「あぁ…でも、俺…呼ばれるまで家には入るなって言われてるんだ…あいつに」
その言葉にトウラは頬を緩ませる。
最初は取っ付き難い若者だと思ったが、アキのことを正直に話し、謝罪し、1年も共に暮らす中で見えてきた不器用さに、今は何とも言えない愛着を感じる…。
何よりも。
アキのことを想うその気持ちの強さには時々危うさを感じるものの、それ程の想いをアキに対し向けてくれる事に感謝さえ抱いている…。
「アクト……。アキを大切にしてくれるのはありがたいが…男が少々強引でも、惚れた相手になら女はついてくるもんじゃぞ…?」
トウラの、けしかけている…ともとれる言葉にアクトは目を丸くして吐息をついた。
「や……じーさん、アンタがソレ言って、いいのかよ…」
「ホ、ホ……」
「…でも俺……ヤスナであいつを泣かせたりもしたから……。正直――あいつに泣かれると弱い…」
「――惚れたが負け…じゃな…」
「え!?」
「ま、わしはお前さん達が幸せであるならそれで、何も言うことはないんじゃがな?」
「…じーさん…」
家の裏の井戸で水を汲み上げ、顔や手足を洗う。
ソルの赤い光が世界を満たし、一面が濃淡のある朱の世界となる…。
家の表側に回ったところで、扉が開いてセリが出てきた。
「おや、アキはどうしたね?」
「忘れ物をしたって2階へ…。先に行っててって言ってました」
セリがそう言うとトウラは頷いて、街道の方へ足を向ける。
それからセリは、トウラの後に続こうとするアクトの前に立ちはだかった。
「―――何だよ…?」
「なに先に行こうとしてんのよ!」
「お前が先に行けって言ったんだろう」
「あんたはアッチ!!」
セリは開けたままの家の戸口を指し、アクトをまわれ右させた。
「言っとくけど!!現状のあんたはギリギリ及第点!!!…アキを泣かせたら承知しないんだからね!!」
「は!?…んでお前にそんな……っ痛…!」
文句を言おうとしたアクトの背を思いっきり平手打ちして、セリはトウラの方へ駈け出していた。
「…のアマ…!」
追いかけて殴り返しても良かったが、開け放たれたままの家の戸が気になってアクトは結局恐る恐る家の中に入った…。
「――アキ…?……お…怒るなよ…!?…あのバカ女が、入れってゆーから…」
夕陽を受けて、戸口にいる自分の影が長くのび家の中の影と混ざりあう…。
――薄暗い家の中はし…んと静まり返っていて、人の気配がないように思えた。
「!!…バカ女に、騙された!?」
先にアキを裏口から外へ出し、セリが表へ出てきて思わせぶりな態度で自分をまんまと置き去りにしていった…!とアクトの脳内は結論を出した。
「アクト…!」
踵を返すアクトの背にアキの声が届いた。
「!?アキ!?…いるのか!?ここに…!」
もどかしさが声に表れたのかも知れない。ひょこりと階段の影から顔を出したアキの表情は少し複雑そうだった…。
「アキ…!」
「ご、ごめんね…アクト…。でも……あの…」
「何訳わかんねーこと言ってんだよ…ホラ、行くぞ」
アクトはアキに歩み寄り、手首をつかんで引っ張り出した。
「!!!」
そして…アキの姿を見て、息をのむ…。
「あの……これ…」
「……お前……」
「…さっきまで、全然気づかなくて……ゴメンね…?――でも、いつの間に…コレ…。ううん、きっとあの時だよね?―――あの時、買ってくれたんだよね??」
見る見るうちに真っ赤になってアクトは口ごもる…。
しかしその視線は、しっかりアキを捉えていて…。
アキの身を包むのは真っ赤なワンピース……。
小さな花の刺繍が施されたソレに、アクトは見覚えがあった。
それはヤスナで、アキが一度は買おうとし、値段の高さに驚いてあきらめた一着だった。
アキに贈ろうと思って買ってはみたものの、結局、あの頃のアクトには、どんな顔をして渡したらいいかを決められず本人に渡せずに終わっていたものだった。
先日ヤスナへ荷物を引き揚げに行った時、思いついてこっそり荷物に紛らせておいたものを見つけたようだ…。
「…あ”ーーー…」
言葉にならない声が漏れる…。
そして照れ隠しにくしゃくしゃと自分の頭を掻きむしる…。
「―――ね……似合う…?」
そんなアクトの前でアキは服の裾を軽く持ち上げ、ふわりと一回りして見せた。
その姿を目を細めて見つめアクトは頷く。
「あぁ…」
「…嬉しい……嬉しいよ、アクト…。ありがとう…あの時あなたがこれを買ってくれた事も……私の荷物に忍ばせてくれた事も……あなたのそんな不器用な所もぜんぶ…涙が出るくらい……嬉し…」
「バ…!……泣くな…!」
アキの瞳に涙があふれるのを見て、アクトは慌ててアキを抱きしめた。
「ア、アクト…!?」
「~~~~っ…お前を…泣かせたら、あのバカ女が承知しないんだと!」
仕方なくだ…と言わんばかりのアクトの言葉に、知らず笑みが零れる…。
「ふふ…せっちゃんたら…」
「涙……止まったか?」
「うん…もう大丈夫…」
「見せてみろ」
アクトの胸から顔をあげて見上げると、すぐ目の前にアクトの顔…。
紫暗の瞳がいつもよりずっと優しく自分を見つめてくれている…。
「よく…似合っている―――今すぐ…押し倒したいくらいに…」
囁きは静かに心に染みわたり……近づいてくるアクトの瞳に応えるようにアキはそ…と瞳を閉じた。
その瞬間、触れるだけの優しい感触がして……続いて2度、3度と唇が重ねられた…。
アクトがアキを抱きしめるその腕に力を込めた時…。
ど…ん…、アクトの背後から大きな音が聞こえてきた。
「!…やべ…もう始まったんだな…?祭り…」
現実に引き戻されてアキを抱く腕を緩め、アクトは外の様子を伺う。
――どうして空砲が合図だとわかるんだろう?…などと心の中で首を傾げながら、アキは外へ出ようとするアクトの腕を掴んで引きとめた。
「待って…!アクト…」
何事かと振り返るアクトの顔に手をのばし、アキは頬を少し染め…微笑った。
「えぇ…と。…口紅……移っちゃった…。じっとしててね…?」
そして親指でアクトの唇に残る口紅を…そっと拭ってやる…。
そういえば―――アクトの唇に指で触れるなんて初めてだ……。
そんな事を考えて更に顔を赤くした瞬間、そのアキの手首をアクトがつかんだ。
「アクト…!?」
「―――こういうのは……初めてだよな…?」
同じ事を考えていた…という奇妙な気恥しさから慌てて手を引こうとするアキを逆に引きよせ、アクトはアキの白い手の平に自分の唇を押しつけた。
「ア…クト…」
跡が残るほど強く――強く吸い付いて、ようやく唇を離すと、
「―――お前の事……もう、自由にしてやるつもりなんてないからな…?…覚悟しろよ?」
「!!…もう…!///あ、あとで返品なんて言っても、受け付けないんだからね…!」
アクトの低い囁きに胸が高鳴るのを隠しながら、アキはそう切り返した。
するとアクトはニヤリと嗤いアキを抱き寄せ、次の瞬間には抱き上げて家を出た。
ど…ん 夕焼けに染まる空に、空砲の白い煙がかすかにたなびいているのを見つめ、アクトは静かに言った…。
「―――アキ……結婚しよう…」
「!!……アクト…!」
「返事は…?」
「でも…」
「いいから、返事…!」
「―――…うん…」
「よし!…んじゃ、このまま祭りを楽しむか…!」
「ちょ…下ろしてよ…!恥ずかしいよ…!」
「構うもんか…!!」
「…もう…!」
心の底から幸せそうに笑うアクトに抱きついて、アキはその耳に囁いた…。
「アクト―――愛してる……」
♪BGM with【GLAY:ずっと2人で…】
……ずっと2人で生きていこう 幸せになれる様に…
THE FIN
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
現在お礼文3件UPしています!
(超小ネタSSSより OZMAFIA1・緋色1・
ブラコン1・2013.8.13.)
fxwill.com
お見苦しいところが多々あると思いますが、よろしくお付き合い下さいませ。
こちらで取り扱いますゲームの内容やそれに関連する創作SSに関しましては、製造元などとは一切関係がございません。あくまでも個人的に書き連ねているものですので、ご理解・ご了承のうえお楽しみ下さいませ。
なお、内容に関しましては無断転記等一切ご遠慮下さいますようお願いいたします。