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いらっしゃいませ! このブログでは、カヌチ二次創作(緋色の欠片、ウィル・オ・ウィスプ、ラスエス3他)、乙女ゲームの感想など、管理人ベルルの暴走気味の妄想をつらつらと書き綴っております。現在「三国恋戦記」絶賛応援中です!!     -since 2009.7.25-
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三国恋戦記SS > 公瑾花 です~m(__)m
さすがに漢字の並びが続くと、画面的には固くなりますね…(^^ゞ。

EDを迎えてからのその後…という話ですので、ネタバレ…微妙にあるかな??
公瑾も可愛いなぁと思えたので、こんな感じです^^。

それでは、お楽しみ頂けましたら幸いです。
ED後の内容です!…ので、未PLAYの方はご注意くださいませm(__)m



「公瑾さんっ!」
王宮の中庭から廊下を行く見慣れた姿を見つけて、私は駆け寄った。
私の声に気付いた公瑾さんは、いつもの笑顔を向けてくれる。
「…花殿」
「今日はお時間ありますか?」
息せき切って私が尋ねると、公瑾さんは一瞬思案顔になる。
「―――今日は何をお望みですか?…琵琶…お茶……舞?それとも、書?」

この世界で生きていく事を決めたのは良いけれど、私はここの住人としてはまるで赤ん坊の様なもの…。
ううん、赤ん坊なら何もできないと誰が見ても分かっているけど、この年で本当に何もできないとなると赤ん坊以下だ―――と公瑾さんに言われ、少しずつこの世界で生きていくのに必要な知識や教養を身につけているところ。
料理や裁縫や作法は尚香さんと一緒の先生に習っていて、公瑾さんが出来る事は公瑾さんが教えてくれることになっていた。
けれど―――この人が忙しい立場の人だというのは変えようのない事実で。
だから公瑾さんの時間の空いた時が私の勉強時間だ。

「え…っと」
考えるふりをしながらそっと公瑾さんと一緒に歩いてきた人を見る。
あの服装は文官だから……今お話しているのは法や届けに関する事…なのかな?
それなら……。
「『書』です!」
胸を張って答えると、公瑾さんは微妙に嫌そうな顔をした。
よし!正解だ!!
これから部屋に戻ってお仕事なんだ…!

「周都督?…それではわたしはこれで。こちらの文書に関しては早急にとの依頼がきておりますゆえ…」
文官の人はそう言って公瑾さんに一礼し、ついでに私にも会釈して去っていった。
「………書…ということであれば……わたしの部屋ですね。……ついていらっしゃい…」
私の前で軽くため息をついて、公瑾さんは歩き出す。
私は慌ててその隣に駆け寄ると一緒に並んだ。

「…最近…勘が良くなったのですか?」
「え!?…いえ、……ちょっとだけ…場を読んでみました。…一緒にいたのが文官の方だったし……あと、武術の鍛錬をするには時間が遅いようだったので…」
「なるほど…」
「それから……書…と一番最後に挙げたので、書と答えて欲しくないのかな…と思いました」
そう付け加えると、笑っているように見えるその目を少しだけ丸くして、公瑾さんは私を見た。

「―――――驚きましたね……軍師としての経験が、貴女にその慧眼をもたらしたのですか?」
「けいがん…?」
「物の本質を見抜く力の事ですよ…」
「う……ん?…違いますよ?―――公瑾さんの事をもっと知りたくて、いつも見ているからそう思ったんです」
そう言ってしまってから、自分が結構すごい事を口にしたのに気づいたけれど……。
チラリと盗み見ても公瑾さんの様子は変わりがなくて。
「(あー…失敗した……余計なコト言っちゃった…)」
軽く無視された形になって、そのあとは無言のまま歩くこととなり、漸く公瑾さんの執務室へ着いた。

「(今日はもう―――あんまり相手してもらえないかも……)」
スゴク残念な気持ちのまま部屋に入り、背中で扉のしまる音を聞いて。
それから―――ふわりと優しい香りに包まれた。
「―――こうきん…さん!?」
「まったく――――貴女という人は……」
頭の上から……渋い声…?
でも抱きしめてくれるこの腕は何よりも優しくて、背中に感じる温もりは私の鼓動を走らせる。
「あのような事…廊下などで言うものではありませんよ…。誰に聞かれるとも知れないのですから…」
「え……あの…」
「大体…あんな場所では、貴女をこうして抱きしめる事もできないでしょう?…ああいう言葉は――――時と場所を選んで伝えてくださいね…軍師殿?」

……なんだかお説教されちゃったけど。
怒っているというよりは………照れている…のかな?
「――――公瑾さん」
「なんですか…」
「あの…私も…必死なんですよ?―――公瑾さんにはご迷惑でも、少しでも一緒にいる時間が欲しくて……だから」
「?何が迷惑なんですか?」
「え…だって…私がいると色々と手がかかるし、めんどう事も多いんじゃ……。公瑾さんは忙しいのに」
「わたしがいつ、迷惑だと言ったのですか?」
「言っては……いない…ですケド」
「そうですね…貴女が勝手にそう思っただけで―――わたしはそんな事一言だって言った覚えはありませんよ?」

「……………」
それ以上は何も言えなくて、私は黙ってしまう…・。
「仕様のない人ですね…」
そして公瑾さんは腕を緩め、私の顔を見つめる。
私の大好きな…穏やかな笑顔…。
仮面のように張り付いたものじゃなくて…慈しんでくれる…それを信じられる優しい笑顔。
「……公瑾さん……」
それから不意に私の右手をとると手の甲に口接けをした。

「!!な…にを…!」
真っ赤になって。
口をパクパクさせて。
動揺を隠せない私を見てクスリと笑みをこぼし公瑾さんは文卓へ就いてしまった。
「いまのは……書が上達するまじないですよ……さぁ、それでは今日の修練を始めましょう」

―――絶対……さっきの仕返しだ。
私はちょっと恨めしげに公瑾さんをみたけれど、そんな私の視線なんか知らんぷりで書を開き始めている。
「………」
でも、そんな仕返しをする公瑾さんが何だか可笑しくて。
「何をしているんですか?…始めますよ」
私は一つ息を吐き出すと熱を帯びた右手をぎゅうと左手で握ったまま、公瑾さんの隣に座り、その顔を覗き込むようにして言った。

「お手柔らかにお願いしますね?―――師匠(せんせい)…」


 -終-

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自己紹介:
乙女ゲームもブログもまったくの初心者が管理人をしております。
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