まぁ、なんだかんだいってアキには甘いんですよね、みんな……。
惚れたが負け…でしょうか?
ただ負け方が全面降伏なのか、色々足掻いてみるのか……そういう所に個性が出るのでしょうね。
それにしても…白い子のほうはドコへ行ったんだか(^^ゞ。
時々ちらっと姿をみせるのに、もじもじと物陰からこちらを窺っているカンジ(笑)。
黒い子も白い子も、一筋縄では行きません(^^ゞ
それでは、お楽しみ頂けましたら幸いです(^^)
「ね、外にご飯食べに行かない…?」
監視部屋までわざわざやってきて、アキはヒノカに声をかけた。
「……外…ですか…?」
「うん、でぇと…っていうんだって♪」
…正直…下らないと思ったが、何故かアキが楽しそうに見えたので付き合ってみる気になり、ヒノカは読んでいた本を閉じた。
「いいですよ…。ドコか良いお店を知っているんですか?」
「うん、この間フタバさんに教えて貰ったの。…そこに行ってみたくて…」
「じゃあ出かけましょうか…」
「うん♪」
アキとヒノカは連れだって街へ繰り出した。
しかし…。
「……あれ?――おかしいな…こっちだって聞いたんだけど…」
行けども行けども、目的の店には辿りつかない…。
「アキさん……」
「ん…ゴメンね?…お腹空いたよね?…ちゃんと見つけるから…」
焦りながらあっちの路地、こっちの路地…と覗き込むアキ…。
しかし目的の店が見つかる気配はない。
「…アキさん……」
「ご、ゴメンね…?もうちょっと待って…」
半分パニックになっているアキは、ヒノカの声に耳を貸さない。
「…仕方ないですね……」
小さく吐息をついてヒノカはアキの腕を引くと、彼女を抱きしめた。
「ヒノカ君!?」
「少し落ち着いて下さい…。…そのお店はまた今度にして…さっきの通りにあった甘味屋さんにでも入りませんか?今、甘いものが欲しい気分なんです…」
「で、でも…」
ヒノカの妥協案にもアキは素直に頷けない…。
「僕は何処へも行きませんよ…?それに……次に2人で出かける、いい口実が出来たじゃないですか…」
渋るアキにヒノカは艶然と微笑み囁いた。
「!!な…何のこと…!?」
「ふふ…素直じゃありませんね?ちゃんとお見通しですよ…?―――僕と出かけたいのなら、そう言ってくれればいいのに……」
否定しつつも頬を赤く染めたアキの顔を覗き込んでヒノカは言う。
「ち、違うよ…!そんなことないよ…!」
「おや、そうなんですか?――じゃあ、もう帰りましょうか…?本の続きも読みたいですし…」
あっさりアキを解き放してヒノカはくるりと背を向けた。
「え!…そ…んな…!」
いつもならこんな簡単には決して退かないくせに、今回に限ってヒノカの反応は淡白だった。
だから、読みが外れたアキは慌ててヒノカへと一歩を踏み出す。
こんな簡単に2人の外出を終わらせたく無くて…!
「くすくす…甘味屋さんで…いいですよね?」
アキが追いかけようとするのと、ヒノカが振り返るのはほぼ同時だった。
可笑しそうに笑うヒノカの顔に、アキは彼に嵌められた事を悟る。
「!…もぅ!…ヒノカ君のイジワル!!」
そして、自分が追い縋るのを見越したヒノカの態度に、頬を膨らませて抗議する。
なんだか手の平の上で遊ばれているようで、悔しい…。
「さぁ…機嫌を直して…?…行きましょう…」
ヒノカが差し出す手をとって、アキは共に歩き出す。
いつもよりずっと優しいその手の感触に、アキは顔を綻ばせた。
「ふふ…ヒノカ君も甘いもの…好きなんだ?…良かった、いつも無理して食べてくれてたんじゃ無かったんだね…♪」
自分の作る差し入れのお菓子をいつも無理に食べてくれているのでは…と少し不安だったのだ。
そんなアキの無邪気な一言に、
「好きですよ?」
「え!?」
振り返ったヒノカの顔が近付いて…アキの唇を塞ぐ…。
「―――この甘味が一番好き…ですけどね?」
♪BGM with 【JUDY AND MARY:LOVER SOUL】
……ただあなたの 温もりを 肌で感じてる 夜明け…
THE FIN
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現在お礼文3件UPしています!
(超小ネタSSSより OZMAFIA1・緋色1・
ブラコン1・2013.8.13.)
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お見苦しいところが多々あると思いますが、よろしくお付き合い下さいませ。
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