いや…なんか、ウィスプではウィルも書けそうな気がしてきたvv
やはりウィスプの世界は、こういうイベントには合うのかも知れない。
だからと言って、イグニスやジャックで書けるのかというと…そうではないのですが(苦笑)。
(ウィスプはルディ・ジル・ウィルの3人でお腹いっぱいですよ)
今回は内容が内容だけに、今日(14日)UPしたかったので、珍しく2本立てになりました^^。
それでは。
お楽しみ頂けましたら幸いですm(__)m
2月14日(Sun) -晴れのち曇り…所により雷雨-
目の前の状況に、珍しく青年は戸惑っていた。
深紅の美しい髪と、夜空に輝く満月のように妖しく輝く黄金の瞳の、理知的で紳士然とした彼の腕の中には、彼より二回りほど小柄な少女…。
可憐な彼女に迫っては、困ったような恥じらいに満ちた彼女の表情を引きだすのが得意な彼が―――今現在は困っていた。
「ジル……?どうしたの??」
腕の中から洩れる、誘うような甘い声…。
「……何でもないよ、我が姫…。さ、君はもう休んだほうがいい」
落ち着かせるように彼女の頭を撫でながら静かな声でそう言うと。
「…ひどいわ……どうしてそんな事……言うの…?私はもっと…あなたにこうして触れていたいの…!」
普段は決して聞かないような声と言葉に苦笑して、ジルが宥める言葉を発しようとした時。
「!ハンナ…」
不意に細い腕が伸びてきて、彼の首筋に絡みつく。
目の前にはほんのり頬を染めた少女…ハンナの顔…。
菫色の瞳は潤み、少しぼんやりと彼の瞳を覗き込む。
「こんなに大好きなのに…!ヒドイわ!!」
「ハンナ……っ…!」
桜色の唇が勢いよく迫ってきたが、ジルは思わず身を引いたため、愛らしいその唇は彼の首筋―――鎖骨の辺りに強く吸いついて…。
「ん……ジ…ル…!」
紅い痕を残したその箇所を…少女は舌先で軽くなぞる。
その煽情的な行為に―――。
思わず理性を凌駕する欲がその身を支配しそうになるけれど…。
「……ハンナ…!」
その誘惑に囚われるのは―――どうしても癪だった。
欲しいのは……理性を失った彼女の誘惑ではなく。
彼女自身の気持ちを伴った愛の行為。
故に。
今のこの状況は、彼のもっとも回避したい状況で―――。
仕方なくジルは彼女の顎を捉えるとその唇を塞ぎ、彼女が知る以上の官能的な愛撫で彼女の甘い欲さえも強引に奪い取る。
「んん…っ…!!」
どれほどの時間そうして彼女を奪い続けたのだろう…?
気がつくと、少女はぐったりと彼に身を預けていた……。
「………ハンナ…?」
「………………」
彼女の唇から洩れ聞こえるのは穏やかな寝息…。
「―――まったく………油断も隙もないな……レディ・グロリアは…」
大きく息をついてジルはそう言い、テーブルの上の包みを恨めしげに見上げた。
それはチョコレートのボンボン菓子だったのだが…。
「外国から取り寄せた珍しいお菓子なのよ?…是非…ハンナと一緒に食べてみて頂戴…」
そう言って艶やかに微笑った貴婦人は、彼のかつての所有者(オーナー)…。
ハンナの事を可愛がる一方で、ジルとハンナの関係を独自の視点で見守っている彼女の言葉を……あまりに簡単に受け入れ過ぎたと、ジルは今後悔していて。
何せ―――自分とよく似た思考をもつあの貴婦人である。
こんな機会に何かを狙わないはずは無いではないか…?
折角の心遣いだから…と、夕食後に食したまでは良かったが。
一口口に含んだ段階で、ジルはそのボンボン菓子の中に強い洋酒のソースが入っている事に気付いたのだけど。
止める前にハンナはすっかり一粒食べきっていて。
結果―――彼女はいわゆる酔っぱらった状態に陥っていた…。
恐らく半分以上はかの貴婦人の狙った通りの事態に陥っただろう事は想像に難くない。
その事実に釈然としない想いを抱えながらも、ジルは腕の中で眠る愛しい少女に視線を落とす。
思いがけなく垣間見た、彼女の中にある自分への強い愛情と独占欲に…頬がゆるんでしまうのは仕方ないことだろう。
出来るならそれは、彼女の理性の支配下で現れでてほしい感情なのだが。
「次はきっと……素面の状態であんな言葉を囁いてほしいものだね…私の姫…?」
起こさないようにハンナをそっと抱き上げて、ジルはリビングを出る。
そのとき。
本来なら貰えたはずの彼女からのチョコレートを貰い損ねた事に気付き、彼は苦笑を洩らしたのだった…。
THE FIN
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現在お礼文3件UPしています!
(超小ネタSSSより OZMAFIA1・緋色1・
ブラコン1・2013.8.13.)
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お見苦しいところが多々あると思いますが、よろしくお付き合い下さいませ。
こちらで取り扱いますゲームの内容やそれに関連する創作SSに関しましては、製造元などとは一切関係がございません。あくまでも個人的に書き連ねているものですので、ご理解・ご了承のうえお楽しみ下さいませ。
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