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いらっしゃいませ! このブログでは、カヌチ二次創作(緋色の欠片、ウィル・オ・ウィスプ、ラスエス3他)、乙女ゲームの感想など、管理人ベルルの暴走気味の妄想をつらつらと書き綴っております。現在「三国恋戦記」絶賛応援中です!!     -since 2009.7.25-
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三国恋戦記SS > 公瑾花 です!

なんか突然意味も無く、甘いのが書きたくなったんです。
甘い?っていうか。
なんか、ベタベタ…いちゃいちゃしてるよねっていうのを(*^_^*)。
あ、バカップルモードは関係ないっス!
SLを始める前から書いてて、途中になってたので…どこかまとまりが悪いですm(__)m。
やっぱ書くときは一気に書いてしまわないとダメですね~(^^ゞ。

ということで、例によって微妙~ですが。
お楽しみ頂けましたら幸いですm(__)m


「うん、美味しい!」
厨房で花は満足げにうなずいた。
京城にとどまって数カ月。
こちらの暮らしにも慣れ、行儀見習いや学問など公瑾の手を煩わせてきた諸々の修練もひと段落ついたころ。
ちょっとした出来心で、懐かしい味を再現してみようと試みて。
つまり―――元の世界の味を、味わいたくなったのだ。
 
こちらの世界の料理が口に合わない訳ではない。
でも―――いわゆるソウルフードというモノは別物なのだ。
小さい頃から慣れ親しんだ味は、何にも代えがたい心の活力となる。
勿論、同時にホームシックという大敵も潜んでいたりするが、この場合は仕方ない。
もはや帰る手段は無いのである。
腹をくくってこの地にとどまったとはいえ、―――懐かしい味に触れたいと思うのは仕方ないだろう。
そこで花は、料理を覚えるという名目で厨房を借りることに成功した。
裁縫と料理。
女のたしなみの二大作法である。
誰も咎めはしない。
唯一人を除いては…。


「…おや、良い匂いですね?」
ひょこと顔を覗かせたのは、誰よりも花の事をよく知る人。
何よりも、料理の件に関しては好い顔をしなかった唯一の人、公瑾だった。
「……公瑾さん…」
「なんですか?その顔は…。 誤って指を切っていないかと薬を持ってきたんですよ」
「ありがとうございます…でも今日は切っていません」
最初のころは。
持ち慣れない上に形も大きさも全然違う包丁の扱いが上手くいかず、何度も指を切ってしまった。
そのたびに、公瑾は溜息をつきつつも切り傷に効くという軟膏を、花の指に塗り込み包帯を巻いてくれた。
けれど。

「あ、味見はもう結構ですから!…今度は尚香さんたちにお願いしてるんです!」
出来上がったものを盆に載せ、花は自分の背に隠すようにしてそう言い張った。
「おやおや、つれないこと。 ですが…毒見も無しに尚香さま達の口に入れさせる訳にはいかないんですよ」
「毒見って…!!…ていうか、それなら公瑾さんだって一緒じゃないですか!!」
「何がですか?」
「だからっ、私の作るものが危険物だったとして…! それを口にしちゃまずいのは、公瑾さんだって同じです! 仲謀さんの大事な右腕で…仲謀軍の都督で…! 何かあれば一大事になる人じゃないですか!」
「貴女に命を奪われるなら、本望ですよ」
「え!?」
「―――捕まえた…」
言い合いながら花は徐々に壁際に追い詰められていたのだけど。
今の…聞き捨てならない一言に気を取られた瞬間、退路を塞がれ公瑾の腕のうちに閉じ込められてしまっていた。

「はい、没収です」
「!!…っ公瑾さん…!」
花の手から盆を取り上げて、公瑾はニコリと笑った。
「~~~っ…今の…なんですか!? あんなの―――ズルイです!!」
傷ついたような、怒ったような表情で花は抗議した。
「あんなの?」
「わ、私が…公瑾さんを……なんて、そんな。…そんな事、本当に…」
そして一気に泣き出しそうなほどに表情が崩れる。
公瑾の命を奪う…なんて、冗談でも笑えない。
そんな風に思われていたなんて―――別の意味でショックだ…。
すっかり沈んだ花の表情を見て、公瑾は肩をすくめた。
「これは…すみませんね。 あれは言葉の文(あや)ですよ…。貴女がそんなことをするなんて思っていません。そもそも、出来るはずもない。 けれど―――そのくらいの勢いで、想って欲しいとは思っているんですよ?」
「……え?…どういうことですか?」
眉をさげたまま…そっと顔を上げて。
窺うようなその仕草に、愛おしさがこみ上げると同時に―――。

「―――そんな事も分からないなんて……お仕置きが必要ですね?」
「え?…!!」
花の顎に手を添えたかと思うと、公瑾は彼女の唇についばむように口接けた。
柔らかなその感触を味わうように…想いのたけを注ぎ込むように―――何度も、何度も、何度も…。
それから、すぐそばの調理台のすみに腰かけるとその膝に花を抱き上げて座らせた。
「/// こう…きん、さん?」
怒られるのかと思いきや、突然の甘い行為に戸惑うような表情を見せる花へ、苦笑にも似た笑みをこぼし公瑾は言う。
「―――――貴女のような人の、激情を見てみたいものですね…」

吐息とともに吹き込まれる静かな声音とは裏腹な激しい言葉に…花は口接けの余韻に浸る間もなく分かりやすく動揺を見せた。
「そんな…!…そんな…私…ちゃんと公瑾さんの事、///…す、好きです…!」
「足りないですねぇ? わたしは貴女と恋愛ごっこをしているつもりはありませんよ」
「恋愛ごっこなんかじゃ…!」
「そうですよね。―――貴女は、何もかもを捨ててこの腕の中に留まることを決めたのですから。 だったら、もう少し…」
…消え入るように囁くその声に引き込まれてしまう。

なに…?
この人は、何が言いたいのだろう?
こちらの気持ちが足りないと…そう言いたいのだろうか…?
けれどこれ以上、どう表現していいのか分からない。
この人の傍に居られるこの現状を…これ以上どう進展させればいいのかなんて…。

花が何かを言いかける前に、公瑾は肩をすくめて話題を転じた。
「そもそも…最初に言ったはずですよ? 貴女の作るものは全て、味見はわたしがします、と」
「で、でも!………それで……美味しくないからダメって言うのは公瑾さんじゃないですか。 そりゃ、最初は焦げたり、大きさも不揃いだったり…決して見栄えも良くなかったし味も均等でなかったけれど。 今は結構…食べられる味になってるはずです…! それなのに…」
当初の話題を思い出して、花が懸命にそう主張すると、そこで初めて表情を曇らせて公瑾は花の言葉に反論した。

「美味しくないとは言っていませんよ? …人に出してはいけないと言ったんです」
「!?…それは美味しくないというのとどう違うって言うんですか??」
「……分からないのですか?」
「?…はい?」
「分からないフリをしている―――訳では無いのですね…」
そして、溜息を一つ。
改めて膝の上の花を視線でとらえ、熱を含んだ瞳で見つめる。
「美味しいと…私が言えば貴女はそれを、周りの人間にふるまうでしょう?」
「えぇ…」
「わたしが、それをさせたくない―――とは思い至らないのですか?」
「…はい?」
「貴女の手料理を、他の者になんて…もってのほかです。 貴女が手ずから作るものは全て―――わたしが口にします」
「え…と…?」

「それがどんな出来でも、例えば貴女の郷里の味であっても………他の誰かに食べさせるなんて、承諾しかねます」

「………もしかして……ヤキモチ…ですか?」
少しばかり拗ねたような声音に誘われるように、あまりに赤裸々な言葉で指摘してしまったからだろうか。
ムとした表情を隠そうともせず、公瑾はすかさず花の鼻をつまんだ。
「痛…!公瑾さん~~~!?」
「物事は端的に表現していいことと悪いことがあるんですよ、学習してください」
「……でも………本当のコトですよね…?そうですよね??」
「………」
花の問いには答えず、公瑾はちらりと視線を逸らした。
「…だったら、そう言ってください。 私がお料理するのも、上達したいと思うのも……公瑾さんの…ため、なんですから…」

頬を染めながらの花のその言葉に、公瑾は意外そうに彼女へ視線を戻す。
「―――懐かしい味を、再現したかったのではないのですか?」
「それもありますけど……公瑾さんに食べて欲しいっていうのが大前提です。 私が育ってきた味も知ってほしいというか…。」
「なら、今日のコレも、わたしが味見でいいですね?」
公瑾は傍らの盆に手を伸ばし、器のふたをとった。
中には焼き固められた様々な形の塊があって。
武骨な形でも、これで失敗ではないらしい。
「あ、でも…今日作ったのは甘味なんです。甘みを抑えてはいますけど…」
得意ではないだろうその味を遠慮がちに説明する花に、公瑾はくすくすと笑いながら焼き固めたソレを花に食べさせて囁いた。

「何を言っているんですか。貴女のつくるものはわたしにとってはすべて…甘いんですよ…」


 -終-

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乙女ゲームもブログもまったくの初心者が管理人をしております。
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こちらで取り扱いますゲームの内容やそれに関連する創作SSに関しましては、製造元などとは一切関係がございません。あくまでも個人的に書き連ねているものですので、ご理解・ご了承のうえお楽しみ下さいませ。

なお、内容に関しましては無断転記等一切ご遠慮下さいますようお願いいたします。
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