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いらっしゃいませ! このブログでは、カヌチ二次創作(緋色の欠片、ウィル・オ・ウィスプ、ラスエス3他)、乙女ゲームの感想など、管理人ベルルの暴走気味の妄想をつらつらと書き綴っております。現在「三国恋戦記」絶賛応援中です!!     -since 2009.7.25-
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ラストエスコートSS > 柊いずみ です!!


はい、時期は大幅にふみはずしてます~^_^
が。
やっぱりお正月SSを3つ揃えたくて頑張りました♪

柊さんにしては少し大人しいかんじです。
や、デモ…柊さんの場合は、全部計算の上、かな?(爆)
まぁ色々と…色々と言いたいことはありますが、それは脇においておきましょう。

それでは、お楽しみいただけましたら幸いです~m(__)m


「おや、あでやかで…良いですね」
元旦だけ京都に帰省していたという柊さんを、正月2日早々にいきなり入った仕事帰りに駅まで迎えに行ったら、そんな風に言われた…。
「さ…さっきまで仕事だったんです。お年始のパーティに顔だけ出して…。着替えの洋服も持って行ったから会場で着替えて来ても良かったんですけど――-折角着付けしたから、一応…柊さんにも見て欲しいかな、って思って…」
言い訳がましい私の言葉に、柊さんは少し目を細めて笑った。
「ええ、嬉しいですよ。 贔屓目を差し引いてもとてもよく似合っています。 折角ですから、途中にある神社で初詣をして行きましょうか。…まだ大丈夫ですか?」
着慣れない着物姿は正直少し苦しいけど、なんだか素直に喜んでくれている柊さんの様子が嬉しくて、私は思わず大きくうなずいてしまった。

「大丈夫です。 柊さんは初詣はまだなんですか?」
駅から柊さんのマンションへの帰路へ足を進めながら、改めて問いかける。
京都と言えば有名なお寺や神社が沢山あるから、ご両親やお友達と初詣くらいもう済ませているかも知れないって。
そんな私の問いに、
「貴女と一緒に行きたいと思ってやめたんですよ」
そう言ってふわりと微笑う…。そして、
「…やめて正解でしたね。 神様も目を引く貴女とお参りすれば、願い事も聞き届けてもらえそうです」
なんて言うから…。
「/// そんな…大袈裟です。 お店じゃないんですから、もうちょっと色々ダメ出ししてもらわないと…居心地が悪いです」
いつもなら、もっとなんだか裏がありそうな物言いをするのに…。
普通に褒められてしまうと、なんだかこそばゆい。
でも、こんなに喜んでもらえるなら―――振袖にすれば良かったかな…?
振袖なんてなんだか大袈裟だし、気合が入りすぎててどうかと思ったんだけど。
それに、柊さんは着物なんて見慣れてるはず、とか……色々考えすぎてしまったの…。

「ふふ…どうせなら、振袖を着れば良かったのに。 もう着られなくなったらどうしますか?」
「!?…っ柊さん!」
「はい?」
「それはひどいです…! いくらなんでも一年でそんなに太ったりしないですよ!」
「………………」
「大体、着物の良さって体型がカバーできることにあるじゃないですか。多少お肉がついてもちゃんと着られます!!」
思わず頬を膨らませてそう抗議したら、
「……貴女は時々、ものすごく天然なところがありますよね…」
苦笑交じりに微妙な返答をされてしまった。

「?? どういう意味ですか??」
「まぁ、いいですよ。 神様にしっかりお願いをすることにします」
「むぅ………意外です。柊さんが、『神頼み』ですか??」
「ええ、それが結構手ごわいんです」
「すごく興味があります…柊さんがお願いすることって―――っキャ!」
思わず身を乗り出して問い詰めようとしたら、慣れない裾さばきに足を取られてしまって。
「っと……。ほらほら、大丈夫ですか?」
バランスを崩した体は、その勢いのまま柊さんの胸に飛び込むような形になって抱きとめられていた。

「ご、ごめんなさいっ///」
まるで自分から抱きついたみたいで―――照れくさいやら恥ずかしいやら…。
けれど私が身を退こうとするのを留めるように肩に廻して支えてくれた手に力を込めて、
「神様の前では控えて下さいね…あまり見せびらかしては、神様が妬いてしまいますから」
そう低く囁かれて…。
その上、柊さんの吐息が後れ毛に絡んで…くすぐったい。
「それに…」
「!」
「願い事は、人に話すものではないんですよ?…神様とわたしたちの神聖な対話なのですから…」
半分吐息のようなその囁きが―――― 一気に私の鼓動を速める…。
いくら人通りの少ない町の中とはいえ…公道でこんなの…。

「柊さん…」
「なんですか?」
いつになく熱を孕んだような柊さんの視線を感じて、気持ちが浮足立って声が上ずってしまう…。
「/// か、神様の前でなくても、控えて下さい…」
赤く火照った顔を見られたくなくて、俯いたまま柊さんの胸に手を添えて、ようやく体を離す。
こんな風に私が動揺することなんてきっと見透かしていて……絶対面白そうに私を見ているに決まってる。
どうしよう―――柊さんの顔が見れないよ…。

「―――久しぶりに会ったのですから、俯かないでちゃんと顔を見せて下さい…」
「そ…んな…」
「ほら……顔をあげて…」
導くように手を引かれて……恐る恐る顔を上げると、頬に手を添えられて。

「神様に見せたくなくなるくらい―――こんな…可愛らしい顔をして」
私をまっすぐに見つめながら。

「―――罪な人ですね」
「…っ///」
そっと口接けを、落す……。

―――触れるだけのその口接けが、私の心をどれほど強く捕えているかなんて知らないはずなのに。
どうしてこう、忘れられなくなるような口接けをするんだろう…この人は。


「――――行きましょうか…。神様が寝んでしまわないうちに…お参りしてしまいましょう」
私が何も言えないでいると、柊さんはそのまま私の手を引いて小さな神社の参道へと入った。 石畳の参道の先にある小さなお社の前でお賽銭を入れて柏手を打つ。
 パンパン
この静寂の中に響く柏手はきっと神様の耳に届くと、なぜかそう思えたから…。

(―――神様……私が好きな人は、近くて遠い人です…。 この気持ちが届くのかといつも不安に思っていました。 けれどもう、私は何もいりませんからどうか―――この人のお願いを聞き届けて下さい。 今この人から貰う幸せだけで、私はもう十分です。 
だから……柊さんの願いが叶いますようにと、ただそれだけを神様にお願いします…)
隣に立つ柊さんの、神様へのお願い事…。
それがどんな内容かもわからないけれど。
柊さんが、私を見てくれる…触れてくれる…。
そして共に過ごせる時間、交わす言葉の一つ一つが私に幸せをくれるから。
それだけでもう十分だから―――この愛しい人の願い事が叶えばいいと…。
柊さんを想いながら、ただそう祈った―――。


THE FIN
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自己紹介:
乙女ゲームもブログもまったくの初心者が管理人をしております。
お見苦しいところが多々あると思いますが、よろしくお付き合い下さいませ。

こちらで取り扱いますゲームの内容やそれに関連する創作SSに関しましては、製造元などとは一切関係がございません。あくまでも個人的に書き連ねているものですので、ご理解・ご了承のうえお楽しみ下さいませ。

なお、内容に関しましては無断転記等一切ご遠慮下さいますようお願いいたします。
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